やまのみず　お笑い　コント

毎日万歩計を付け、母は健康を気遣っている。

もう万歩計を付けないと歩けない‥らしい。
万歩計は、母を動かすの電池だ。


そもそも、地元の「健康教室」に数ヵ月通い、そこで皆に万歩計が配られていた様で、それが習慣づいたらしい。

「おとといなんて、一万歩歩いたんだから～！」

と、自慢げに万歩計の過去データを見せてくれた。

買い物に３０分程歩いて行き、帰宅して未だ、８０００歩程だったので、家の中で足踏みして一万歩に到達させた。

そう、熱烈に話す母は、手にしている万歩計をかなり振っている。


完全なる不正だ。


そう思ったが何はともあれ、離れて暮らす母がアクティブに健康を管理しているのは、安心だ。


今年は帰省と「母の日」重なったので、何十年か振りに贈り物を‥と考え、近くのデパートメントに買いに行った。


催事場では「母の日フェア」
料理グッズや健康グッズ、お洒落グッズ‥等々が並ぶ。

その中で僕は、「大人の塗り絵」を０７年の母に贈ろうと決め、買った。

白黒の花の絵に、水彩色鉛筆で綺麗に色付けをする‥

それが脳のトレーニングにも良いらしい。

頭も身体も健康でいて頂きたいものだ。


その日は法事と用事で、渡すタイミングを逃してしまった。

母が寝た後帰宅したので、居間のテーブルの上にカーネーション付きの塗り絵を置いおいた。


遅めに起きると、居間には開封された塗り絵があり

「有り難ね～。最近脳トレかい‥？流行ってるもね～、大した良いわ」

と、若干‥喜んでくれた。

次の帰省時に、この白黒の花が色付いているかどうか‥
まぁ、次は秋頃だし咲いていないか‥。


しかし好奇心旺盛な母に、塗り絵と共に、これからの人生を、綺麗に、彩り豊かに色付けていって欲しいと願う、母の日だった。


‐みずのしま‐