やまのみず　お笑い　コント

夜中１時の、大盛りペペロンチーノ。

まさかメタボを気にし、１８時以降の食はせいぜい
「魚肉ソーセージ１本」
と決めている者の食事では無い‥。


最終の電車で我がホームタウンに着き、最寄のコンビニでほぼ野生的に購入‥

そして腹内へほぼ野生的に投入‥


果てしなく続くかの様な白い麺が、滞りなく胃に収められていく。

決して惰性ではない。
身体が食物を欲して止まないのだ‥。


本日より１月末まで、とある劇団さんの代役を頼まれた。

代役とは‥

本番の近日まで所用で稽古に来られない本役の俳優さんの代わりに、稽古場で演技し、動きやセリフ回しを固め、本番直前に本役さんに役を明け渡す‥

育ての親的な役目なのだ。


しかも今回は、その劇団の演出さんが担う役の代わり‥

代役というより大役である。


僕自身、昨今の小演劇界でＮｏ．１に好きな、素晴らしい劇団さんなので、まさか大殺界の年始めにこんな好機会に恵まれるとは‥
いきなり、ツいている。

そして早速、稽古のお邪魔にならぬ様お邪魔した。


知り合いも３人程参加して居る。
勿論、前々より拝見しているので皆様観た事ある方々ばかり‥。


皆様が僕に気を遣ってくれるので
「すいません」
ばかり口にしている。

そして頂いた台本を部屋の隅にて読む‥


稽古は冒頭のシーン‥
２人の俳優さんがベンチで会話する‥


‥うまいなぁ
自然にそこに居るなぁ‥

「俳優」がセリフを発しているのではなく、話している「人間」が２人居る
役が生きてる

もしも電車や街で、妙な会話をする２人が居たら、絶対観てしまう様に‥観入ってしまっていた。


すると演出さんのストップがかかる。


違うなあ‥
セリフ吐いてるだけだ‥
全然プランが見えない‥
このシーンをどう創りたいのかが解らない‥


いやはや‥僕の「納得」をも打ち砕かれた。

その後、この冒頭の１分間を１時間半‥
その次の１分間を１時間半‥


話に聞いていたが、極めて「ストイック」で「緻密」に創られている。


他の待機の俳優さんもジッとその様子を見ている。

僕も、目が離せない‥
とても台本を読み進められない‥

思えば、例えば３時間映画をこんなに集中して観られる事もほとんど無いのだ。

演出さんと２俳優さんの、架空だけれどリアルな「人」を創っていく模索こそが、ドラマチックなドキュメンタリーなのだ。


僕は、大丈夫なんだろうか‥


芝居から半年以上のブランクがある。

いくら代役とはいえ‥
１人下手くそが居たら空気は濁り、その芝居の空気はバラバラになる。


マズイ事になった‥
しかし、かなり素晴らしい経験になるだろう。

焦るが、心の底から、奮える。


そして未だ代役として出番の無いまま、稽古終了。

皆様で呑みに行く。

借りてきた猫な僕は、食事など喉通らない‥

しかし気さくに話してくれる皆様に、若干は近付けた気もする。
うまい俳優さんは、心にも余裕がある。

さすが「人」に「非」ずだが「優」しい方々である。


今日の終わりに帰宅。

久しぶりの緊張感‥
舞い戻った空腹感‥
明日からを思い、奮い立つ熱血漢！

全ての為に「大盛りペペロンチーノ」が、身体へと滲みてくれる‥

頑張ろう！


‐みずのしま‐