やまのみず　お笑い　コント

先日、妹とお買い物。

「は、入る？」

なんて言って
一息呑んで
僕らは
ハイブランド店舗へ足を踏み入れました。

そんなたいそうなものを身に付けられる生活には
まだ
まだ
なので、勿論
見るだけです。


けど、そこで、とびっきり欲しいモノに出会いました。


至る方向から値札を探しましたが、見当たらず
店員さんの目を気にしながら恐る恐る手を伸ばすが
「いらっしゃいませ」
の声に手が空をさまよいました。値札なく。


妹なんかは、
ショーケースをガラスの棚か何かと思い、
横から手を差し入れようとする
が、ガラスにその手が

「カツーン」

乾いた音が高級感溢れる空間にこだましました。

あぁ、ガラスにぶつかる鳥のよう
あぁ、教室に迷い込んで何度も窓にぶつかる鬼ヤンマのようで

僕は、
僕らは
うつむきました。


僕らの前には届きそうで届かないものがある。

いつか手にいれるつもりだ。

そう決めた日でもある。


ヤマ