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カテゴリ:みず
高校2年‥
僕と、Tと、Yは、皆通っていた高校は違った。 ただ同じ中学で、学校祭・3年生を送る会‥ など、体育館でみんなの前で芝居やコントなどするのが好きだった。 そんな「普段の友」とは違う‥ 周りの反響を得ん為の‥エンタメ関係の友だった。 そしてそれぞれ違う高校に進み 僕は演劇の道へ Yは進学の道へ Tは美術の道へ 思い思い邁進していた。 やがて、また巡り会った。 「観た?」 「なんまら、いいわ」 「すげぇわ‥」 期せずして久々会った3人が、期せずして同じ映画に関心した最中だった。 それが、岩井俊二監督作品 『スワロウテイル』 日本に似た‥東京に似た「円都-イェンタウン-」に生きる移民達の、円に翻弄され、哀しく散って、そして生きていく‥ 掻い摘みすぎだが‥そういうお話。 小林武史(ミスターチルドレンのプロデューサー)の音楽世界観と 痛々しく美しい映像が見事にマッチし、本当に激しい素晴らしい哀しい感動に見舞われた。 その影響を受けた3人は 「映画創ろう!」 という話しをした。 台本は、最初僕が書いたが、結局演劇人‥何か映画化に向かないモノだった。 なので台本は、元々映画監督に成りたがっていたYが書いた。 カメラ割りを踏まえた、ナルホドな本だった気がする。 青春期の無垢な願い‥ 「飛びたい」‥そうして青い空に向かって僕が飛ぶ‥ そんな美しい映像が浮かぶ、何か良い本だった。 結局この盛り上がった話も、受験やら、部活やらで‥自然消滅してしまった。 しかし多感な青春期に観たこの『スワロウテイル』という映画が、僕をやはりずっと離さない。 この作品‥そして岩井俊二作品に日本映画の美しさ、素晴らしさを教えて貰ったのだ。 もう12年も前の話‥かぁと。 昨日、渋谷のとあるカフェへ行った。 知人からこんなポストカードを貰ったのだ。 「篠田昇+ポラロイド展」 が今月28日まで開催中、というもの。 篠田昇さん‥ 日本きっての名カメラマン。 「世界の中心で、愛を叫ぶ」 「花とアリス」 「リリイ・シュシュのすべて」 ‥ そしてなにより、『スワロウテイル』を撮った名カメラマンである。 残念ながら、2004年6月22日に亡くなられた。 今回、あの素晴らしい映像を撮った方の、プライベートでのポラロイド写真も展示される‥ 見に行かないわけに行かない。 渋谷の雑踏から離れた閑静な場所にある、こじんまりした2Fのカフェ。 優しい曲が流れる。 ゆったりと篠田さんゆかりのポラロイドやラジオなどを鑑賞。 篠田さんを慕う方々が書いた、幾枚もの「3行ラブレター」‥ 映像共々愛された人柄だったのがわかった。 プライベートのポラ写真も、やはり、見事に美しい。 本物の『スワロウテイル』の台本も在った。 鳥肌が立った。 実際使っていた大きなカメラも在った。 「これで‥あの映像‥撮ったんだ」 なんだか、凄く、込み上げてきた。 心の底から「撮って戴きたかったな‥」そう思い、 カメラの前にしばし立つ。 存在感で、まだまだ、カメラにも勝ててないな‥ やはり偉大過ぎるのである。 帰り際、出口で優しい笑顔で「有難うごさいました」 と言ってくれた方がいた。 きっと篠田さんの奥さんだろう。空気感の美しい人でした。 岩井俊二作品‥篠田さんの映像作品、もう一度見返したくなった。 そうして、必ずいつか、僕が青空へ飛ぶ‥あの青春映画を撮りたい! そう、TとYの事を思った。 絶対やろう!! -みずのしま- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月27日 02時47分19秒
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