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カテゴリ:みず
午前0時半近く‥
山田の 『終電逃したわぁ宣言』 そして山田の 『泊まらしてやぁ宣告』 を受け、末期状態にあった我が「生活感が散らかる部屋」を片付け始めた。 片そう片そう‥ 近頃はそう、そうじに片想いしながらも、夜は生活の重みにバタリ布団に倒れ込む日々だったので、山田は良い機会をくれた。 しかしながら、片しながら 「あ‥布団‥無い」 と、気付いた。 以前は、布団を何故かしら3組持っていた僕だが、先日の引越しを機に、自分の分1組だけ持ってあとは、棄ててきたのだ。 んんー、なんとも‥ 部屋は片付き、布団を敷くスペースは見事に生まれたが、肝心の布団が無いな‥ 山田宅の就寝においてあれだけモノを申す僕‥ あーた、言うだけの『快適』は保たれているのだろうねえ? あん? 山田に僕の真価‥ならびに、寝価が試されている気がしてならない、宵。 「呑んで、終電を逃したわぁ~」 なんてきっと嘘に違いない。 「布団無いわ‥」 じゃ済まされない。 仕方ない‥ 合わせ技しかない。 まず、段ボールを敷き‥ その上に座布団を縦に4枚敷き‥ その上に冬用羽根布団を敷き‥ そして、コタツの床敷き‥ 最後に、シーツでそれらを包む。 どうだ!? ‥おぉなんと、なかなかの寝心地だ。 あれ‥むしろ、今使っている一式よか良い寝心地だ。 そうして無事、山田を迎え入れ、話しもそぞろ‥ 先に山田の寝息が聞こえた。 大成功。 あとは朝、寝起きの山田を確認するのみ‥ 安堵の後、僕にも眠りが訪れた。 早朝‥ 物音で目を覚まし台所を見ると、山田がパッチリした顔でモゾモゾしていた。 コンタクトを入れる為、その時鏡を探していたという山田を確認し 「あ、スッキリ起きたのだなぁ‥。」 と、その安堵からまた布団に戻ったが、戻り際‥ 「‥ヨシくん、また洗面所カギ掛かってる‥あれ‥?どうしよ‥」 そんな類の「救いを求む声」が聞こえた。 が、遅かった‥ 我が布団の快適さに、身体は起き上がれなかった。 夢の中で何度か 「開かねっ‥ぅわ‥開かねぇらや‥」 聞こえたが‥ まさか寝起きの人が洗面所使うとも思えないし(まさに夢の中の思考だな)‥ 鏡ならば、前日に台所の解りやすい場所に用意しておいたし(これは本当だ)‥ まさかそんなに山田がコンタクトに苦戦し、しまいにゃ落としているとは知らず、僕は眠りこけ‥ そして諦め顔で家を出る山田を、ぎりぎり夢の淵で見送った。 んー、ピンチの山田を救えず、なんとも、申し訳なかったが‥ いや、もしかしたら‥ このまま難無く一泊するのが釈だったので、コンタクト片一方を(僕の一円が如く)置き土産としたのか‥? 真相は掴めぬままだが、コンタクトも未だ見つからないままだ。 とにかく、ポンプで膨らむ簡易ベッドは買おう! そう思った、試される夜だった。 ‐みずのしま‐ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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