やまのみず　お笑い　コント

『大北海道展』初日‥

新宿で山田と待ち合わせをし、高島屋へと向かう。

こういう時、同じ方向へ歩む人が皆、ソコへ行くんじゃないかと思う。


そして程なく高島屋‥
いざ１階入口より堂々入店。



‥！！


入るやいなや、いきなり僕は感嘆した。


『っ‥！！‥！！？！』


簡単な息しか出ない。


我らが堂々の入店を果たしたのと同時に、僕の鼻に堂々入鼻したモノ‥


『海産の匂い』

だ。

ははーん、なるほど‥
溢れてるな‥北の幸な奴ら‥


北に吸い寄せられるかの様に、エスカレーターでＢ１へ向かう僕。


『え？下るの？』
と山田。


「うん。‥あれ？違うっけ？」

『１１階でしょ。』


‥あれ？
この匂いは‥？


高島屋さんゴメンなさい‥
名だたるブランド類より勝手に物産の匂いを嗅ぎ取りました。


気を入れ直し、エレベーターを待つ。

『いやあ、混んでるかねえ』

「初日だしねぇ～、新鮮だもね」


なんて待ってるとエレベーターが上がって来た。

扉が開くと大勢の人が‥

『賑わってるねえ～』

「やはりね‥んもぅ列んでるべさ！」

フツフツと気持ちも高ぶりだし‥
フッと階数ボタンを見る‥

「８」
「９」
「１０」
「１２」
「１３」


‥１１階押されてねーっっ？！

人気ねぇーーーのっ！！


なんだょ、ガックリだぜ‥東京人！

‥東京人？

‥本当に東京じぃん？
田舎有るんじゃないの？
本当はぁ～‥
気取ってんじゃないのぉ？
本当は１１階降りたいんでしょぉう？
ん？ねぇ、東京‥チーン‥

‥１１階だ。
扉が開く‥


降りたのは我らだけだった。


「あ～あ～あああああ～ぁ♪」

さだまさしさんのかの有名な富良野ら辺の歌に迎えられる。


おおー！賑わってるじゃん！

ぅほほーーーぃ！！！


北海道の色んなお店が軒を連ねてる。

まぁ見たことないような店の名物も多々だけれど‥
何か懐かしぃ、気にさせる。


山田に
『っへー、ここ知ってる！？』
なんて聞かれる。

「ああ懐っかしーいなぁー」
と答える。


知らない時は

「あぁ‥自分上京した後で、流行ったんじゃん」

と、筋違いな先輩面でまかり通す。


何だかんだと僕はひたすら懐かしさに浸り‥
山田は借りてきた新潟の猫の様に、異国を目で味わっている。


せっかくだから何か買おう！


「あ、ウニ瓶だ。」


ウニのペーストが４種の中から、３瓶で１０００円‥
なんか安い！


下さいな、とおばちゃんに話し掛けると

『ご飯でもスパゲッティでも何でも合うからね』

と、いきなり木のヘラでウニペーストを我らの指に塗り付けてくる。

嘗める、値の割り美味しいじゃん！

やはり、買います！


『ね、これはホタテ入りね。甘いんだから！』

塗り付けられる。


嘗める、これ好きだなあぁ！
買いますわ！

『他所じゃこの値じゃ買えないんだからね』

なんかキレ気味だ、で、塗り付ける。


カズノコ入り、山田旨いと言う。

うん、買いますから‥


『粒のまんまね、これ！どれ？好きなの？ねぇ！』

塗り付け‥
買うわっ！

旨いもん！


散々指にウニ振る舞われ‥
粒の、ホタテの、カズノコの、３種３瓶を１０００円で買った。

すると、

『これこれ‥これ旨いんだから！日本の３大珍味の一つだ、ほれ』
と

羊羹の様な１０センチ角程のウニの塊‥


『量りに乗してみな、値段解るから』

電子量りに乗せる‥

（少量‥ん万円‥《正確な値は忘れた‥》）


！！！高っ！


『クラブとかスナックのママが買いに来るの！ほら、特別だ、ほら！』

と指に振る舞われた。


ぅわー‥濃厚～スゲェ‥


『お金出せば、あんなのより（さっきの３瓶）ぅんまいの買えるの。ね！お金持ったら買いに来なさい！』


完全におばちゃんに舐められたが‥

贅沢ウニは嘗められて良かった‥。


その後、おばちゃんに気に入られたのか、鮭の粕付け３切れ「８５０円」を「５２５円」で売って貰えた。


‥上手く乗せられたのか？


それから濃厚牛乳ソフトクリームを食べ、美味さに仰天し、懐かしの『みそパン』をお土産にした。


それから数日後‥
鮭の粕付けを焼いて戴いた。

ぅまい‥本当に、とてつもなく、旨い！


ウニも色々使えそうだ。


みそパンは、すぐさま食べ消えた。


幸せな環境で生まれ育ったのだな‥

僕の食べる幸せを培ってくれた北海道が、更に愛おしく思えた大北海道だった。


な‥長い‥文ですみません。
あ‥愛‥かな‥

‐みずのしま‐