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カテゴリ:TZR250(3MA) メンテ
生憎の雨天、そんな時には何かイジろう・・・ そう思って選んだのが、『3MAキャブ交換』だった。 昨年の上旬、satoruさんのご厚意により『’90型3MA SPタイプΦ34』のキャブを譲ってもらった。 がしかし、毎度のコトながら腰の重いワタシは即装着!とはならず、ウダウダ考えてる間に今頃になった次第・・・(苦笑) もちろん現物が届いた当時にはすぐに開封し、各部をつぶさに点検しておいた。 「バイクから外したままの状態で送るから、自分で整備はして使ってくださいねっ」 の言葉通り、使ったままの汚れが付いてはいたものの、中古キャブによくあるイジり壊した様子などはまったくなく、可動部分の動きもスムーズだし、各ショートパーツの磨耗もほとんど見当たらなかった。 自分が整備&交換をした箇所といえば、スロットルバルブの全閉時&全開時の2気筒間の同調と、組み付けた後で漏れが見つかると嫌なので、フロート室内のバルブシート付近に付いてるあのOリングとチャンバーケースのゴムパッキン、そして完全硬化してしまったホース類くらいのモノだった。 で、月日は流れ、今になってようやく装着・・・(苦笑) 雨がシトシトと降っているにもかかわらず、我がエスをガレージの外に出し、ソレによって出来た空間の中に我が3MAを置く。 手狭になった我がガレージではいたし方ないのである・・・ 我が3MAに今まで付いていたキャブはもちろんノーマル、『ミクニ製TM32』、口径Φ32ミリのキャブである。そして今回装着するのが、’90型3MAのSPに標準装着されていた『TM34』というワケである。 今回の装着にあたり、見当をつけてメインジェット番手はもちろん交換、コンペンセータ(メインエアジェットソレノイドバルブ)内のエアジェット番手もSP仕様の番手(MAJ1:120 MAJ2:120 MAJ3:175)にはせず、あえて自分オリジナルの番手を引き続き使うコトにした。 ところで、’89型3MAの32キャブとは異なる’90型3MASPの34キャブのパーツ箇所(口径の大きさ以外)を列記しておく。(←健忘症な自分のため。) ←’89 ←’90SP ビッグボディ&スモールボディなるFCRキャブみたいな各部位のパーツ(の寸法)も違うような相違点はなく、各部計測してみたところ、インマニに繋ぐための『口のデカさ』だけが異なっているだけのようだった。 とはいえ、そのせいでゴム製のインマニも合わせて交換を余儀なくされるワケだ。 ちなみにそのインマニ、どちらもすでに『製造終了品』・・・ ←’89 ←’90SP ’89型には調整用エアスクリュー部分にゴム栓がしてある・・・っていうか、つまりエアスクリューのツマミ部分が中に奥まっているワケだがコレが非常に調節しにくい。1気筒目(左側)はまだイイのだが、並列している2気筒目(右側)は1気筒目のキャブボディに隠れてしまっている状態なので、いくら先の長いマイナスドライバーをもってしても回すのさえ一苦労させられる。 ワタシの場合は、調整するのに1気筒目のエンジン回転数が一番上がる箇所を見つけたら、そのツマミ戻し数をそのまま2気筒目の戻し数とするコトで毎回お茶を濁していた・・・(苦笑) で、’90型はソレの「改善型」、要するにツマミ部分が長いだけのコトなのだが、’90STD、’90SPのドチラともに備わっていた。 ちなみに’90型のエアスクリューを現在発注しても、手元に届くのは’89型の方である・・・orz ガックシ ←’89 ←’90SP 「スロットルバルブ全開位置」決めの調整というモノが’89型には初めから備わっていない。キャブボディスロットルが全開値のトコロにストッパーとしての壁が設けてあるだけである。 SPの方は画像ご覧の通り、スロットル全開箇所のストッパー位置を微調整するコトで、スロットルピストンバルブの底面をキャブ口径の上面とキッチリ合わせられる構造となっている。 で、’90STDのキャブ(Φ30ミリ)の場合、どちらのタイプなのかは、ワタシ知りません・・・ ←’89 ←’90SP 特筆すべきだったのはコレっ!(↑↑↑) PWJ(パワージェット)の開口位置が’89と’90SPとで違っているコト。 キャブボディの鋳造形状としてドチラにも穴加工用の印は残るものの、どういう理由で穴の位置を選んでいるのだろう? 開口の位置的にはSPの方がPWJとしてのリニア感に期待が持てるが、フロート室から負圧によって上ってくるガス通路の距離が’89型PWJよりも長く、しかも通路の折れ曲がりが一角多い。 ちなみに、NSRやVガンマと比較して、3MAはPWJへの依存度は思いのほか低かったと思われる。(’89&’90STD:#20 ’90SP:#10) とまあ、能書きはコレくらいにして・・・ 装着後、エンジン始動・・・あっけなくかかった。 しばらく暖気して、キャブからの漏れなどがないかをチェック・・・そして、水温計の針が少し上がってきたのを確認した後にブリッピング(空吹かし)。 パパーン、パパーン、パァァァーンッッッ(7千回転くらいまで) ’89キャブと比較して、’90SPキャブに交換してからの排気音は若干乾いているような音質となった。 ワタシが今回の交換で一番気にしていたのが、低中回転域のトルク感である。 というのも、’89キャブと’90(STD&SP)キャブの違いのもうひとつに 「ジェットニードル&ニードルジェット(ノズル)」の違いがある。 上画像は’90型SP(&’90STDも同様)のモノ。 結局、画像ではわかりにくい(苦笑)が、’90型のジェットニードルには中腹辺りに1段段差が設けられていて、しかもニードルジェットのノズル口径も小さめだ。(’89 Q-8→ ’90 Q-4) ’89型のニードルは一定のテーパー角度であったが、ニードルの先端から’90の段差までは’89も’90もほぼ同寸法(らしい)。 ’90の段差部分(エンジン回転でいう低中速域)が太く、つまりガス供給でいうと「シボられている」領域といえる。 ノーマルの’89型3MAではこの領域が常時ガス供給過多ぎみで、5千回転前後での一定速度巡航をしていると、次の瞬時に加速をしたい時にスロットルを開けるとババババッとエンジン回転がなかなか上がらず失速してしまうという悪癖があった。 MAJの番手をかなり上げて(=薄くして)今はそのカブりもほぼ解消してはいるが、体感的にはまだ濃いと思われる(←低速の5千回転前後)。 実は、ワタシが’90SPキャブに一番期待しているのは、高回転域のパワーアップではなく、低回転域でのその適正なガス供給であり、低回転域から高回転域に入るその繋がりの改善だったりする・・・ で、試走の結果は・・・ 先ほども申しましたとおり、雨なので、試しておりませぬ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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