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玲児の近況

2010.08.29
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テーマ:東洋古美術(358)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 450万米ドルで上海博物館が買ったというので、有名になり、「真宋本」だの「最善本」だのと呼ばれているEllthworth旧蔵の淳化閣帖4冊はそれほど価値のあるものだろうか? 東京での「書の至宝」展では、朝日をはじめとする新聞がむやみに褒めまくったあの法帖である。

 まず、この4冊のうち第4巻と第6,7,8巻は全く違ったものであることは注意しなければならない。伝世経路・装丁・紙・墨など皆違うわけで、たまたま4冊がいっしょに購入されただけである。実際6,7,8は一つの木箱に入っている。
 東京国立博物館で開催された。「書の至宝」展でみたときは、直感として、第4は古く、第6.7,8は新しいと感じた。しかしそれは直感にすぎず根拠のないものである。
 現物にそった問題点を挙げる方が少しは説得力があるだろう。
さしあたり、6,7,8の3冊のみを検討してみる。

 まず、乾隆時代の有名な収集家 李宗翰の印がしばしばその対面に写っている(イメージ 左  矢印)。これは、印を押した後薄紙で覆わないで閉じたことによるが、このような粗忽な取り扱いを著名な蔵書家が行ったとは信じがたい。他の李宗翰旧蔵本、夫子廟堂碑、越州石氏本のカラー複製をみてもそのようなひどい押し方はしていない。中華民国時代に法帖や本ににおした印の場合は、薄紙が未だに残っている場合も多い。実はそれ以外にも、中華民国?の程氏の印(イメージ右側  矢印)、戦後、台湾の篆刻家が彫った「思學齋」の印も対面に写っている。
 これらを総合して考えると、これらの写っている印は、20世紀に、こういう方面に教養のない人が押したものではないか?という疑念を抑えきれない。印自身が本物であっても、それを後世手に入れた人間が押すことはありうることである。この対面写りは、複数の写真で確認したので、写真製版のミスとかいうものではない。

 まあ、偽印がおしてあったら、全部ダメということはない。良いものでも、後世に箔つけのために有名蔵書家の印を押すことはありうる。しかし、疑いを増す要素であるとはいえる。





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最終更新日  2010.08.29 13:02:53
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