2016/01/27(水)08:12
在宅介護サポート隊
アルフォス・デーケン氏のお名前を聞いたのは
40年ほど前の話。
その当時は「上智大学」で教授をされていた。
で、講演会があり出かけて拝聴しました。
講演内容は「死生観」で日本の宗教は「死に方」
を教えて居ない、という内容であったか、と思う。
そうなんですねえ~あれから40年ほどが経過し
、いまTVのチャンネルを回せばどこのチャンネル
でも「葬儀屋」さんのコマーシャルが流れる時代。
葬儀屋のコマーシャルでは「安い」か「豪華」か
等々、どうも「損得」の話が多いような気がする。
デーケン先生の母国では動物の死と人間の死を
分けて表現するそうだ。
動物の死はドイツ語で「verenden」と表現し人間の
死は「sterben」と表現する、という話し。
動物の死は肉体の衰弱と共に衰え、そのまま消え去る
という感覚を含んでいる。
一方人間の死には「sterben」(ステルベン)という単語が
使われ「動物の死」と「人間の死」を区別している。
人間も肉体的には動物と同じ様に衰退の過程を経るけれど
動物と違うのは老後の残された長い時間(日本の平均は
23年で人生の1/3の相当する)を如何に「人」らしく
過ごすかでその人の尊厳が保たれる・・と説いている。
ステルベンという単語には精神的、人格的な成長を遂げ死に
至った、という感覚が込められていて、その死には「能動的
に生きてきた」意味が込められている、という話しだった。
改めて昨今の葬儀屋のコマーシャルを見ていると「損か得か」
の話が多く、その品のなさが、日本の精神的な貧困さを表
していると思えて仕方がない。(なんでも鑑定団風に??)
私どもは認知症になられた方々を最後までケアしその最後が
綺麗なもので終わって欲しいと念じ、日々勤めている。
毎朝、当法人では理念や当法人の品質方針の唱和をしている。
品質方針では「利用者様の誇りの尊重」に思いを込めている。
認知症になってしまったけれど矢張り「人」として尊重
されたい、ということにつきるからだ・・・