キャタピラー
☆☆☆☆☆重厚なテーマを淡々と描いた作品。今年は戦争映画が少ないと思っていたのだが、この話題作があった。ただ、この映画は単純に戦争映画と呼ぶことは出来ない。とにかく重い。立派な勲章をもらい、新聞でもその勇猛果敢な戦いぶりを讃えられ、「生きる軍神」などと呼ばれているが、手足を無くし、耳も悪くなり、ろくにしゃべることも出来ない男。軍神の妻として面倒を看ることがお国のためだと周囲から言い聞かされ、戸惑う女。そんな二人が家の中で繰り広げる息が詰まるような生活。終戦時、彼等は異なる思いを胸に抱く。この映画は面白い。しかし、見ていてとても苦しい。