Parker Duofold(3)
この万年筆は購入して1年近くになるが、これまで2~3回「お蔵入り」の危機に遭っている。理由はインクフローの不調である。書き出しのかすれがどうしても治らない。自分ではペン先ユニットの精度が悪いのではないかと勝手に解釈している。 しかし、この危機を乗り越えて使い続けてきたのは、軸の絶妙なバランスがいいからである。万年筆はもちろん何本か持っているが、この書き味はデュオフォールドでないと味わえない。そういう意味では個性的な万年筆なのだろう。 インクフローの不調を克服するために、書き方を工夫したり、カートリッジに替えたりしてみた。しかしカートリッジのときは、コンバータとの違いがあまり見られなかったので、今ではコンバータに戻している。インクは以前入れていたウォーターマングリーンである。今のところは、ペン先にあまり筆圧をかけないようにして書く方が調子がいいようだ。 キャップは旧型の矢をモチーフにしたものだ。クリップの裏に小さな穴が空いている。このせいかどうかは分からないが、キャップ内の気密性は低い。しばらく使わないと、ペン先のインクが煮詰まったようになり、書き出しのインクが濃くなる。それはそれで良い色なので困ることはない。ただし、2~3日に1度は使ってやる必要がある。