松本清張傑作短編コレクション 上
「松本清張傑作短編コレクション 上」 宮部みゆき責任編集松本清張の短編集で、宮部みゆき選りすぐりの10編が載っています。実は私はサスペンス物や推理小説をほとんど読まないので、巨匠松本清張の作品も読んだ事がありませんでした。先日、BS TVで「一年半待て」があったのですが(見ていませんが...)、妻が懐かしそうに語っていました。実は妻が小学生頃にTVで見て、とても印象的な作品だったという事です。(とても子供が見るような作品ではないのですが...)早速、原本を読みたくなりAMAZONで調べたところ、面白そうなコレクション本がありました。上・中・下と三本立てでしたが、とりあえず様子見のため「上」だけを購入。その中の傑作を紹介します。 或る「小倉日記」伝芥川賞受賞作品です。あまり知られていませんが松本清張は芥川賞受賞作家なのです。森?外が九州小倉に居た数年間の資料が一時期見つからず、空白の時期になっていたそうです。ある身体に不自由の青年(実在する)がこの小倉時代の森?外を調べるという話です。何のとりえもなかった青年が森?外研究と言う大きな目標を持つ。生きがいに感じていたこの研究も志半ばで断念せざるを得なくなった。この青年は若くして亡くなるわけであるが、皮肉にもその数年後に空白の時期であった森?外の書籍「小倉日記」が東京で発見された。なんとも言えない物哀しい物語だ。 一年半待て松本清張サスペンス物の代表作のひとつ。題名が印象的でなにか秘密がありそうですね。とても短い文章の中に物語がどんどん進んでいきます。シンプルだけど、決して単調ではない。次第に話の展開は読めてきますが、容易にネタをばらさない手法。最後の1文で読者の緊張を解き放つ技。私の松本清張観を一変してくれる作品でした。 まだまだ、素晴らしい作品は沢山ありますが、ネタばらしになりそうなのでこの辺で...