雪山登山でストックのストラップを使うべきかどうか。
使うべきではない。当会でも見かけるが、律儀に両手首をストラップに通して、登っている人がいる。スキー滑降や平地歩きなら、ストラップに手首を通す意味は理解できる。では登山道ではどうか。大きな段差があった場合、ストラップに通したままだと、手からストックへの力の入れ方がどうしても弱くなる。ていうか斜面によっては、そもそもストック先端を刺せない場合も出てくる。ストラップなしなら、写真のように先端近くに持ち替えることで、ストックに加重して登ることが可能だ。ストラップに通さないと紛失のおそれがあると心配する人もいるかもしれないが、雪面に落としたところで、コロコロ転がり落ちるものでもない。手首をフリーにすることで、しっかりつかみたい時は片手に二本ストックを持ったり、ストックを上方に置いて両手をフルに身体持ち上げに使うことも可能。そもそも、雪山ラッセルでは、ストックを水平に二本重ねて持って、顔の前の雪を掻き分けることになる。ストラップに通していたら、そんな動作に咄嗟に対応できないな。やまやろうの狙いはここだな。ストックを使って登高しつつ、ラッセルの場面では素早く水平持ちができる方法としたら、ストラップを使わないで持つやり方しかないだろう。山の中でいかにスマートに道具を使いこなせるか。既存の常識に捉われず、自分の経験から最良な方式を見出すのは面白いよ。やまやろうは世間の登山常識を信用しない。信じるものは自身の豊富な経験。それが一番確か。