山に登る理由

登山をすることで得られるメリットは、自分の心身を見つめられるということだ。 独りで山に入り、緑に囲まれながら自分のペースで歩く。荒い呼吸、流れる汗、溜まっていく疲労や空腹感。これらの生理現象を感じて、生きていることを全身で知覚することができる。 山行中は心を無にして、自然との一体感を求める。雑念・思念は消えていき、高みに立つというひとつの目的に集中する。そして山頂からの雄大な景色を眺めれば、下界の諸事など小さなことに思えてくる。日々のストレスから解放され、明日の仕事への活力が湧いてくる。 山を下りたら、また登りたい、登山を長く続けたいと願い、健康管理に自然と気を遣うようになる。山でも麓でも、常に自分を見つめ、より良くなろうと努力する意識が芽生える。だから登山はやめられない。