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カテゴリ:過去 実家に戻ってから
あれは小学六年の冬だった。
カップラーメンを作ろうと思って、ストーブの上のやかんのお湯を取った。 うっかりテレビに気を取られた私はラーメンの容器ではなく、自分の足の上にお湯をかけてしまった。 「熱っ!」 と思わずやかんを持っていた手を離してしまった。 壁にぶつかったやかんは蓋が取れ、私の足に直撃した。 「熱い~!!」 今度は大声で叫んでしまった。 母が飛んできた。 お店にお客さんがいるのに、大声で叫ぶとは何事だと怒られた。 一人お風呂場に行って足を冷やそうとした。 靴下を脱ぐと足の甲の皮も一緒に剥がれた。 二階の自分の部屋であまりの痛みに唸っていると母が来た。 「そんなになるほど食べたかったんでしょ」 と伸びきったカップラーメンを持ってきた。 食べなければきっとまた怒られる、そう思った私は死にそうな思いで食べた。 店の営業が終わり、やっとお医者さんに連れて行ってもらえた。 火傷は足の裏にまで達し、その日から松葉杖だった。 自分の足では学校に通えなかったので、しばらく欠席した。 卒業写真撮影の日だけは親に無理言って写真撮影にだけ参加した。 ・・どうしても枠外の写真はイヤだった。 今でいう不登校気味だった私。イジメにもあっていた。 だからこそ枠外の写真は負けたみたいでどうしてもイヤだった。 今でも右足にはその時の火傷の跡が残っている。 それを見るたび、あの時の思い出が鮮明に甦る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年03月09日 02時17分15秒
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