まほろばの奈良
茶道流儀の全国大会で奈良に行った。春日大社の献茶を含む、前夜祭と東大寺での濃茶・薄茶席及び点心席に献茶後の拝服席、春日大社宝物殿と萬葉植物園のチケット付き。せっかくだからと、一緒に行った友人と連泊、遷都1,300年の都をすこ~し観光。今回は、西への旅行をしたことのない友人の希望で、一般的な観光ルートを回ることに。一日目、早朝から新幹線で奈良へ。夕方からの懇親会を兼ねた前夜祭までは時間があったので、平城宮跡へテクテク。そこで天平衣裳を借りて着付けてもらい、汗をかきつつ広い跡地を散策。何を勘違いしたのか、見知らぬおじさま達から幾度かモデルを頼まれ苦笑の連続。 茶会前夜祭は、フルコースを頂きながらの南都楽所の舞楽演奏やフルート、ヴァイオリン、ピアノの楽曲演奏、又お楽しみ抽選会など盛り沢山だったけれど、残念なことに私達のテーブルからは誰一人抽選に当たらず、気分撃沈。終了後そのままホテルに入ったが、日頃歩かない足が酷く疲れてしまい、ベッドに入ってもだるくて夜中に何度も起きてしまった。翌朝、寝不足からか普段より早めに目覚めたので、そのまま着物に着替えて早朝東大寺へ向かった。雨の予報もあり予定より早く受付が始まったので、ほどなく濃茶の一席目に入ることが出来た。 軸は、『近衛信尋時鳥懐紙』、花入は利休好写の大鶴首。紅の釣鐘鉄線と、添えの原種薄紫の都忘れがみごと。茶入は一翁手造の肩付『長暦』、裏に在判くっきり。香合も直斎好の大型の源氏車、四代宗哲造の貴重な一品。ゆっくり拝見させて頂き、続いて隣接の点心席へ。 朝食を召し上がられたばかりで避けて行かれる方達も多い中、朝食を抜いた我々はペロリと美味しく頂戴し、少し早いとは思ったが先に春日大社へGo!! 結構前の方に座ったつもりが、人垣で所々しか見えず残念。とはいえ、板間に座って足は痛くなったけど、厳かな雰囲気を湛えた良い献茶だったように思う。 例年に比べ気温が低めなせいか砂摺りと云われる藤の房も短い。拝服席で薄茶を頂いた後小雨も降り出し徒歩での移動が面倒だけど一応チケットを貰っているので萬葉植物園にも。 宝物殿を見た後、シャトルバスで再び東大寺へ移動、残る薄茶席に並ぶ。さぁこれから入室という時になって、なんとお家元御一行が!!ラッキーなことに、ご同席させて頂けた。厚かましくも我がA師匠の隣へそそくさと席を取り、お家元とも相対峙する場所でお茶を頂いて至福のひと時だった。 幸せな気分で、残りの時間で東大寺見物を。着物を着ていたせいか、観光に来ていた韓国のお嬢さん方から、一緒に写真をと頼まれたりして、なんとなく華やいだ気分でホテルに戻る。次の日は法隆寺、唐招提寺と薬師寺を観光、オトナの修学旅行だ。 あっという間の2泊3日、楽しい楽しい奈良旅行だった。