告別
「今回はぜ~んぜん弾いてないの・・・」月二回、趣味でピアノを楽しんでいるドイツ人のHさん。学校や家で英語も教えていてなかなか忙しい人なので、いつもそれほど練習は出来ていない。それでも楽しいのだろう、うちの子供達が英語を教えてもらった縁で、お付き合いが今でも続いている。ショパンのワルツの代わりに彼女が時間を費やしていたのは、甘夏のお菓子作りだった。庭の木に生った沢山の甘夏の処分に困り、思い付いた苦肉の策。甘夏の皮を五時間も煮詰めた後一時間レンジで乾燥させ砂糖やチョコレートをまぶす。それを山ほど作ったらしい。「スゴク高級なチョコレートよ。レシピはイタリアのそのまま。」手間と時間とお金もかかって、まさに高級菓子。可愛い小袋にでも入れて販売しても良さそう。「売り物にするなら大きさを揃えないと、って言うのよ。中身はどうするつもり!?」彼女の旦那様、甘夏自体は召し上がらない。あんな酸っぱいもの食べられない、とノタマウそうな。じゃあ、おびただしい量の実は一体どうするつもり?サラダに入れても、ましてやそのままでも全く食べないのに・・・。そうだ、ソースに入れたらどうだろう?鴨の夏みかんソースとか。これはショパンどころではないわなぁ。