お客さんだめですよ。個室に入ってきたガタイの良い韓国人あにき分。 京都に住んでたとかでちょっと日本語ができる。 お客さん、しめて14万円ですよと言う。 ほらね、やっぱりこういうシカケだったわけですよ。 と、黙っているわけにはいかない。こちらも激しく抵抗。 居酒屋^^;で14万円!なわけないでしょう。 しかも運ばれてきたものほとんど手もつけてない状態。 (Mさんは乳に手をつけてしまったが…) あにき分は言う。 「カネガナイナラ カエセマセン ホテルマデ イッショニ ウケトリニイキマスヨ」 おまけに聞いてもいないのにテコンドーをやってるとかでゴツゴツの手まで見せびらかす始末。 かわいい大学生はシュンとしたそぶりで下を向いたまま。 説教ジジイの私は、あなたたちこんなこと、いつまでも続けていてはだめだよ。お互いの国のためにもよくないから、もうやめなよと言う。 このときばかりは彼らもしょぼんとしている。 おおかたヒョン(兄貴)からニッポンジンをカモってきたら、ひとり10万ウォンでもあげると言われていたのだろう。 ホテルで大騒ぎすることもできたかもしれないが、所詮よっぱらいオヤジが異国の飲み屋で調子こいた結果なので、あり金はたいて残金を払い放免してもらう。 明洞のB級ホテルの窓辺にたたずみ、私はひそかに深夜のソウルに誓った。 韓国語を勉強して、あのふたりに今度はおごらせよう。そだ!リベンジ開始だ。 その夜が思いのほか長くなる、韓国との本当のつきあいの始まりだった。 |