偏頭痛のための11のダンス療法
『偏頭痛のための11のダンス療法』 アクサク・マブール 「Onze Danses Pour Combattre la Migraine」 Aksak Maboul (77) マーク・オランデル率いるベルギーのチェンバー・ロック・バンド、アクサク・マブールの1977年発表のデビュー作。エリック・サティやZNR等に通じる、アコースティック楽器とエレクトロニクスが不思議に融合する摩訶不思議な空間。今、チェンバー界の古典として歴史に残る名盤。紙ジャケット、SHM-CD、最新リマスター、ボーナス・トラック3曲収録の決定版的内容!CD01. 水曜日の朝 - Mercredi Matin02. キュウリでジャングルからおびき出されるの巻 - (Mit 1) Saure Gurke (Aus 1 Urwald Gelockt)03. 包帯を巻かれた動物たち - Animaux Velpeau04. ミラノでの場合 - Milano per Caso05. ファウスト・コッピ 到着! - Fausto Coppi Arrive!06. 歌は健康に良し - Chanter est Sain07. あほの息子 - Son of l'Idiot08. ダブル・バインド・ベイビー - DBB (Double Bind Baby)09. クイーク・ステップ - Cuic Steppe10. 外にあるものはなんでも - Tout les Trucs qu'il y a là dehors11. 羊飼い - Ciobane12. ザ・ムーチ - The Mooche13. ヴァポナ、接着剤じゃないよ - Vapona, Not Glue14. 一瞥 - Glympz15. 3つの癲癇的フォーク・ダンス - Three Epileptic Folk Dances16. キメて最高! - キメて1年後(ライヴ) - Mastoul Alakefak - Mastoul, One Year Later (Live)17. 我々が言ったように - Comme on a ditBonus Track18. 宇宙の親指ピアノ (カリンバ) - Likembes In Space19. 牧神パンもどき - Quasi Bou Jeloud20. キメて最高!即興 - Mastoul Alakefak Improv 「偏頭痛のための11のダンス療法(Onze Danses Pour Combattre la Migraine)」は1977年にマーク・オランデル(Marc Hollander)とヴィンセント・ケニス(Vincent Kenis)によって結成されたベルギーのアヴァン・ロック・バンド、アクサク・マブール(Aksak Maboul)が同年リリースしたデビューアルバムで、結構インパクトのある邦題はほぼ原題直訳だったりする。 アヴァン・ロック(Avant-rock)はエクスペリメンタル・ロック(Experimental rock)ともいうロックのサブジャンルで、一般的な作曲と演奏のテクニックの限界を押し広げたり、ジャンルの基本的な要素を元に実験を行ったりするものなのだとか。一方で帯にはチェンバー・ロック・バンドと書かれており、チェンバー・ロック(Chamber rock)というのはロック以外のジャンルと結びつきが強いプログレッシブ・ロック(Progressive rock)のなかでも、とりわけ室内楽(チェンバー・ミュージック)的なアプローチを大きく打ち出した音楽ジャンルらしい。ロックのジャンルは細分化しすぎてもう何が何だか…。とりあえずはクラシックっぽいが実験的で、技巧派のバンドということなのだろう、知らんけど 今まで当駄BLOGの懐かし邦題アルバムでは帯文句や曲目はなるべくオリジナル盤を紹介してきたのだが、今回は曲邦題に惹かれて19年に発売されたリイシュー盤を取り上げてみた。 このアルバムは元々77年にベルギーのインディーズレーベルであるカミカゼ・レコード(Kamikaze Records)からリリースされ、81年にはマーク自身のレーベルであるCrammed Discsから再販。その際、“キメて1年後(Mastoul, One Year Later (Live))” が追加トラックとして収録され、ジャケットも右写真のものに変更された。03年にはCDでリリースされ、15年にはジャケットを元に戻してライナーノーツを改訂、トラックリストもちょこっと変更したうえ3曲のボーナストラックを加えた新エディションがビニールLPでリリースされたらしい。日本では19年にリイシュー盤CDがリリースされたとのこと。 ベルギーのチェンバー・ロック・バンドといえば、以前ジュルヴェルヌ(Julverne)の「伝書鳩飼育家(Coulonneux)」を取り上げたことがあったけど、Wikiさんを見てみると他にもユニヴェル・ゼロ(Univers Zero)やプレザン(Present)、アラニス(Aranis)といったバンドがいるようで、調べてみたらこれまた素敵なアルバム邦題を発見!英語圏以外の国のアルバムは邦題が付いてないとさっぱり分からないからね。まぁ邦題が付いていても「偏頭痛のための11のダンス療法」ってやっぱり意味が分からないけど。 アクサク・マブールは今回取り上げるにあたって初めて聴いてみたが、何というか、確かにチェンバーでアヴァンなプログレというか…一言で言い表すのが難しい。とにかく多彩で、マーク・オランデルの多才さに圧倒される。かといって決して難解な音楽という感じでもなく、意外とすんなり聴けてなかなか興味深いアルバムだった。 そういえば “ヴァポナ、接着剤じゃないよ(Vapona, Not Glue)” という邦題の曲があるが(これも原題直訳)、バポナといえば強い殺虫剤で購入するのに印鑑が必要だったような記憶がある。買ったことはないけど。でもってバポナといえば、何故かふとナボナを思い出してしまった。「ナボナはお菓子のホームラン王です」とかいうCMは中国地方では流れてなかったので、馴染みは全くないし、おそらく食べたこともないのだが、何となく響きが似ているのでついでに思い出した次第。どうでもええわな。あ、一応確認したところ今はバポナ購入に印鑑はいらないらしい。平成24年(2012年)に劇薬指定が解除されたことにより、署名・捺印は不要になったとのこと。 何だかアクサク・マブールには全く関係のない話で終わってしまった。 まぁそんなアクサク・マブールに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ キュウリでジャングルからおびき出されるの巻 あほの息子 ヴァポナ、接着剤じゃないよ