2022/01/29(土)05:00
プラスティック・ドリームス
『プラスティック・ドリームス』 ネーナ
「Nena」 Nena (83)
BERLIN JUST NOW! ――物語はストリートからはじまった。
アメリカを衝撃させた時代感覚あふれるシャープで奔放なロック、美しき誘惑の旋律。NENAはヨーロッパのファースト・ネーム。
A面
1. ロックバルーンは99 - 99 Luftballons
2. 魅惑のシネマハウス - Kino
3. インディアーナ - Indianer
4. 満月と魔法 - Vollmond
5. 夢を見ただけ - Nur geträumt
6. 天使達のダンス - Tanz auf dem Vulkan
B面
1. プラスティック・ファンタスティック - Zaubertrick
2. 未知の国へ - Einmal ist keinmal
3. 水平線が知っている - Leuchtturm
4. ベッドが好き - Ich bleib’ im Bett
5. 最後の電話 - Noch einmal
6. 流星都市 - Satellitenstadt 西ドイツのバンド・ネーナ(Nena)のデビューアルバムは、元々セルフタイトルであるにもかかわらず、何故か日本では「プラスティック・ドリームス」などというよく分からない邦題を付けられて発売された。
このアルバムからの2ndシングルとなる “ロックバルーンは99(99 Luftballons)” は、ドイツ語曲でおまけに反戦ソングながら本国である西ドイツを始め、欧州、豪州、北米などで大ヒットを記録。おかげで全曲ドイツ語ながらこのアルバムも大いに売れた。
ちなみに、“ロックバルーンは99” は本来A面のラストに収まっている曲なのだが、日本盤ではいきなり初っ端を飾っている。んー、個人的にはやはり元来通りの曲順の方が収まりがいいような気がする。
前回取り上げたアインシュテュルツェンデ・ノイバウテン(Einstürzende Neubauten)の『新人類(Halber Mensch)』でドイツ語は邦題必須と書いた。ネーナの1stアルバムはどの曲にも親しみやすいよう邦題が付けられていて嬉しいが、それはそれでタイトルと曲が一致しづらく覚えにくいという…。単に私の記憶力の問題のような気もするが、結構このアルバムは聴き込んだにもかかわらず、“ロックバルーンは99” 以外の曲とタイトルが未だに結びつかない。ちなみにネーナの公式YouTubeがあげているPVには、ドイツ語歌詞に英語字幕が付けられている。
さて、ネーナのメンバーはというと、バンド名にもなっている女性ヴォーカル、ネーナ・ケルナー(Gabriele “Nena” Kerner)&彼女の恋人だったドラムスのロルフ・ブレンデル(Rolf Brendel)。影の薄いベーシスト・ユルゲン・デーメル(Jürgen Dehmel)と、ギターのカルロ・カーゲス(Carlo Karges)。そして舌を噛みそうな名前の二枚目キーボード・ウヴェ・ファーレンクローグ・ピーターセン(Uwe Fahrenkrog-Petersen)の5人。
彼等は82年に “夢を見ただけ(Nur geträumt)” でデビューし、翌83年にリリースした2ndシングル “ロックバルーンは99” がいきなり世界中で大ヒット!あっという間に世界を席巻してしまったのであったが、バンドの活動期間は短く、87年には解散してしまった。
ネーナはロルフと別れた後、スイス人俳優と間に3人、年下ドラマーとの間に2人の子供をもうけた。今や肝っ玉母ちゃん…いや、どうやらお孫さんが既にいるらしいので肝っ玉婆ちゃんとなった彼女は、80'sブームに乗って見事に復活を果たしている。ウヴェは昔も今も活躍中。
また、ユルゲンはネーナの姉だか妹だかと85年に結婚するも、たった2年で破局。そしてカルロは02年に肝不全で他界してしまった。
何を歌っているのかさっぱり分からないもののそれが逆に耳に心地良く、彼女の声や曲の雰囲気(特にウヴェのキーボードだかシンセサイザーだか)が大好きで、ネーナは今でも聴いている。ちょっと今風にアレンジされている近年のネーナ(個人)のライヴ映像も相変わらずCOOL!
ただ、確かにどれもいい曲ばかりではあるが、あの時代だったからこそ世界中でヒットしたんだろうなぁ。ほんにええ時代じゃった…(遠い目)。
そんなネーナに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪
ロックバルーンは99
夢を見ただけ
魅惑のシネマハウス