カテゴリ:懐かし邦題アルバム
『白い暴動』 ザ・クラッシュ
![]() ロンドンは燃えている!遂に姿を現わしたバイオレス・パンクの王者、ザ・クラッシュ。ロンドン・スラムの怒れる若者たちがひたすらアナーキーにロックンロール、ロックンロール、ロックンロール……ギ、ギ、ギャオーッ! A面 1. ジェニー・ジョーンズ - Janie Jones 2. リモート・コントロール - Remote Control 3. 反アメリカ - I'm So Bored with the USA 4. 白い暴動 - White Riot 5. 憎悪・戦争 - Hate and War 6. ワッツ・マイ・ネイム - What's My Name? 7. 否定 - Deny 8. ロンドンは燃えている! - London's Burning B面 1. 出世のチャンス - Career Opportunities 2. ペテン - Cheat 3. 反逆ブルー - Protex Blue 4. ポリスとコソ泥 - Police and Thieves 5. 48時間 - 48 Hours 6. ガレージランド - Garageland 1月にセックス・ピストルズ(Sex Pistols)の「勝手にしやがれ!!(Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)」、2月にはダムド(The Damned)の「地獄に堕ちた野郎ども(Damned Damned Damned)」を紹介したので、今月はロンドン・パンクにおける三大パンク・バンドの残り一組となったザ・クラッシュ(The Clash)が77年にリリースしたデビューアルバム「白い暴動(The Clash)」を取り上げたい。 以前ブロンディ(Blondie)が76年にリリースしたデビューアルバム「妖女ブロンディ(Blondie)」を取り上げた際に少し書いたが、クラッシュの「白い暴動」は元々セルフタイトルアルバムなのに、アルバムリリースの3週間前に発売されたデビューシングル “白い暴動(White Riot)” の邦題をそのままアルバム邦題にしている。まぁ1枚目はこういう付け方の邦題が多いよね。 クラッシュの結成は76年。ミック・ジョーンズ(Mick Jones)は元々LONDON SSのギタリストだったが76年初頭にバンドが解散。同年2月にセックス・ピストルズの初公演を見て衝撃を受けたミックは、LONDON SS時代からのマネージャーであるバーニー・ローズ(Bernard Rhodes)と共に新たなバンド結成に動き出す。バーニーの勧めでポール・シムノン(Paul Simonon)に声を掛けたもののポールは楽器が弾けず、当初ミックはギターを教えようとしたものの難しいと判断されてベースを教わることに。ミック、ポール、gのキース・レヴィン(Keith Levene。セックス・ピストルズのvoだったジョニー・ロットン(Johnny Rotten)ことジョン・ライドン(John Lydon)がピストルズ解散後に結成したパブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd。PIL)のメンバーとして知られる)、dsのテリー・チャイムズ(Terry Chimes。テリーの前のdsは省略)、voにはThe 101ersのジョー・ストラマー(Joe Strummer)を迎え入れてザ・クラッシュが誕生した。 77年1月にCBSレコードと契約するもキースは76年9月に脱退しており、4月にリリースされたデビューアルバム「白い暴動」のA-6 “ワッツ・マイ・ネイム(What's My Name?)” に共同作曲者としてクレジットに名を残しているのみである。また、dsのテリーも既に脱退していたがレコーディングのために呼び戻されている。79年にリリースされた米国盤では収録曲が何曲か差替えられており、追加トラックでドラムを叩いているのはテリーの後任として加入したトッパー・ヒードン(Topper Headon)。ジャケットに3人しか写っていないのは、テリーが撮影時には既に脱退を決意していたからなのだとか。 このアルバムは曲名にも直訳とはいえそこそこ邦題が付いていて好ましく思うものの、B-3の “反逆ブルー(Protex Blue)” に関してはWikiさん曰く「"Protex Blue" は、1970年代のコンドームのブランドである」とのこと。何だかちょっぴり微笑ましい邦題だ。 クラッシュといえば歌詞に溢れるラジカルなメッセージについて語られることも多いが、音楽の評価基準がノリとルックスという私はそちら方面に疎いため、純粋にノリだけで評価させてもらうとしても良いアルバムである。とはいえやっぱりパンクは…、いやパンクに限らず音楽というものはその時代の空気と密接に関わっているため、当時小学生だった私にはクラッシュの真の魅力を理解することは不可能なのだ、残念ながら。パンク音楽のノリは大好きなんだけどね。 それにしても77年は音楽界革新年間といってもいいくらい凄い年である。2月にダムドが英国パンク・ロック・シーンにおける初のアルバムをリリース。次いで4月にはクラッシュ、10月にはセックス・ピストルズが満を持して1stアルバムをリリース。米国ではトーキング・ヘッズ(Talking Heads)の1stアルバム「サイコ・キラー'77(Talking Heads: 77)」がリリースされている。ちなみにこの「サイコ・キラー'77」という不思議な邦題も「白い暴動」と同じくシングル曲 “サイコ・キラー(Psycho Killer)” から付けられている。 79年にリリースされた3rdアルバム「ロンドン・コーリング(London Calling)」で大成功を収めたクラッシュだったが、何やかんやで85年に解散。02年11月にはめでたくロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame, RRHOF)入りが発表され、授賞式での再結成が検討されていた矢先の12月にジョーが未診断の先天性心疾患による心臓発作で亡くなってしまう。まだ50歳という若さで、亡くなる前の晩にはクラッシュの殿堂入りに合わせて発売されたベスト・アルバム「エッセンシャル・クラッシュ(The Essential Clash)」の収録用選曲作業をしていたという。ジョー自身もまさかこのタイミングで世を去るとは微塵も思っていなかったに違いない。翌03年3月に行われた授賞式にはミック、ポール、テリーが出席したとのこと。 そんなクラッシュに興味を持たれた方は、こちらをどうぞ♪ ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.03.09 16:01:33
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