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先日とても珍しく、昼食に贅沢をした。
いわゆる料亭というところで・・。 接待を受けたのではなく、自分で。 ま、そんな気分になってということだが。 普段の私ではとても昼間っからそんな贅沢なことなどしておれるか!という考え (今も変わらない!)ではあるが、ふと、そこの女将さんのメッセージに気持ちが動いた。 『本来、料亭というのは、広大な何万坪かという敷地を持ち名工の手になる大きな古いお屋敷と、名園をそなえているといった感じの語感をもった言葉です。私どものような小さな店で名乗るのは、大変おこがましいことだと思います。 それでも、よりよい料理屋をめざす私共の矜持として使わせていただいています。』 最後の行にある、「矜持」という単語。 私はこういう単語に反応してしまう・・。 「矜持」 やや細身のすらっとした美人女将が使うにはなかなかの単語。 今まで、あまり見かけたことがない。 捉えようによっては、ヤクザっぽい響きがあるものだから、いくら和風を売り込むといってもこの単語はあまり使わないのではと思う。しかも女性が・・・。 いや、別に“やや細身のすらっとした美人”だからというので反応したのではない。 断じてない! 私を誰だと思っている?絶対積極だぞ! と、ムキになるとますます五回じゃなかった、誤解されてしまう・・・。 (気を取り戻して) つられてもう少し見てみると・・・、 『食材について その地で採れたものを、その地で頂き、その大地や、自然に想いを馳せることが、今必要なことのように思います。』 『洗剤について お客さまのおしぼりは、純せっけん分99%の石鹸をつかってお店でお洗濯しています。 合成洗剤は、つかっていません。環境への負荷を少しでも少なくし、お客さまが手やお顔を拭かれるものに安全を期したいと考えているからです。 食器をふくタオルも同じくです。 食べるものを扱う店として安全を考えていたいと思っています。』 『ゴミについて これも同じく環境への負荷を少しでも軽くするために、生ごみ処理機を導入しています。 おかげさまでお食事を残されるお客さまは殆どおられませんが、どうしてもお魚のあらや、野菜屑は出てしまいます。 産業廃棄物として埋め立てされるよりも、微生物で分解して液肥にしようという選択です。』 うん、なかなかいいねえ。。。そして・・・、 『スタッフの教育について 主に大学生の女の子が、スタッフとして働いています。開店した時に、お手伝いを大学の後輩にお願いしたのが最初でした。着物の着付け、お座敷でのお作法、お料理のこと、お酒のこと、お茶のこと、ワインのこと、器の扱い、打ち水の仕方、お辞儀の仕方、お返事の仕方、敬語の使い方、電話の応対、たくさんのことを教えています。 現代の日本では、お行儀を身につける場所も、機会も少なくなっていて、そんなことを覚え乍ら、人に気を配ることができるようになっていったら、と思っています。 既存の組織に入るにも、ベンチャーに乗り出すにも、自分のお店をもつにも、玉の輿を狙うのにも、英語の能力や、コンピューターの知識などと同じく、社会の中で女の子が戦っていく為のひとつのスキルとして、日本のお行儀と躾を獲得することは、意味があるのではないかと思っています。 これを読んで、やってみたい!と思った女の子はどうぞお電話くださいね。でも、とっても厳しいですよ。 お客さまには、御覧になっていただいて、本物を知っている世代として、次世代のためにびしびしとお叱りいただけると幸甚でございます。』 くれぐれも女子大学生がスタッフだから行く気になったのでもない。 重ねて、断じて、ない! もう一度、気を取り直して、続けると・・・、 『寄付のこと 頂戴したお勘定のうちからユニセフに寄付させていただいております。 世界に戦争が絶えなくて、親をなくした飢えた子供がいることを思うと人の子の親として、なにかしないではいられません。 皆様もきっと同じ思いを抱いておられることと思います。』 で、最後に・・・、 『暖簾をあげて、お店を開けさせていただいて有り難いことは、たくさんの方とお会いできる歓びが得られることが勿論一番ですが、ささやかでも、自分のスタンスを表現できる場を持てることでもあります。そしてこのスタンスは、お店を続けてきたなかで身に付けたり考えたりできたことです。お店がなければ、今の私はなかったと思います。』 「ささやかでも、自分のスタンスを表現できる場」・・・ まあ、この表現の仕方でいわゆる“料亭の女将さん”としてはかなり若いということを想像なさるのではないだろうか。 なるほど、若い(と思う)が・・・。 食事も大変よかった。今回の贅沢が勿体ないとか無駄だなどとは微塵も感じることはなく、むしろ豊かな気分になって午後からの仕事にも勢いが増したほどだ。 今日は引用が多くなったのであまり話せなくなってしまったが、今回の話題で思い出したものがある。 ある企業の社訓であるが、ご存知の方も多いかもしれない。 事故があってから、社会的には評価がさがってしまった(そもそも、日本におけるこの社会評価のあり方は気にいらない!!ま、いつもながらにマスコミの罪は大きいぞ!!)が、その業界においてはひとつの時代をつくったくらいの企業であり、その創業者の仕事にかける姿勢に共感するところが大きい。 以下、その一部をご紹介します。 【男が矜持を失くした時 男の命は燃え尽きたと判断すべし】 【男の礼儀と礼節は 命の次に大事にすべし】 【男は仕事を道楽とすべし】 しびれるねえ~~! ここでも「矜持」が目に飛び込んでくる・・。 あなたの「矜持」は? 掘り下げる機会を別に持たなければならないか・・。 ではまた。 ありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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