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こうして、ボクの家にワンコがやってきました。 その日の午前は、貰われてきた犬ならぬ、借りてきた猫のように大人しく、あちこち家の中の臭いなんぞを嗅ぎまわっておりました。 そんなミカンをバーサンも、目を細めて眺めています。 前の家でのテンションの高さをみているボクには、ちょっと意外な気もしましたが、まあ、知らないところに連れてこられたのだから無理もないか、とたかをくっておりました。 巷には、アニマルセラピーなる療法があるそうで、動物がそばに寄りそったり、動物を触ったりすることにより、免疫力が高まったり、精神状態が不安定になる病気の人が安定したり、上手に使えば、なかなかのすぐれものらしいのです。 ![]() もしかして、バーサンの認知症もよくなってくるのでは・・・ボクの期待は膨らむばかりです。 ところが、ヤツは、部屋の臭いを一通り嗅ぎ終わると、徐々にその本領を発揮しはじめたのです。 ボクの足元にまとわりついてはじゃれて、とび跳ねたりでんぐり返りを始めます。 ボクが用があって2階へ上がった時のことです。 ひ~っ ひええぇぇぇ~ 下の階からバーサンの悲鳴が、、、。 あわてて降りてみると、ミカンとバーサンが格闘をしています。 その昔、ボクシングチャンピオンのモハメドアリとプロレスのチャンピオンアントニオ猪木が異種格闘技戦をした時のことです、蝶のように舞い蜂のように刺す絶妙のフットワークとメガトンパンチを持つモハメドアリに対し、猪木はマットを背にし横になって戦いました。 そんな光景が目の前で繰り広げられています。 おそらくミカンはいつものテンションでバーサンの顔にじゃれついていったのでしょう。 でも、仔犬とはいえ、横になっていてすぐには動けない認知症のバーサンにとって、顔めがけて犬が突進してくるという状況は、恐怖以外の何物でもありません。 手で払いのけようとしますが、ミカンは遊んでもらっているのだと思って、更にテンションをあげじゃれついてゆきます。 その結果、異種格闘技戦になってしまったのでしょう。 あの試合から、延髄斬りは生まれたのだったなどと、思い出に浸っている場合ではありません。 あわてて、ち切れんばかりにしっぽを振って喜んでいるミカンを、バーサンの顔から引きはがします。 もはや、バーサンは涙目。 「そんなもーん捨ててこーい」 ![]() アニマルセラピー、、、、バーサンのベストパートナー、、、、認知症がよくなる、、、。 それが、異種格闘技・・・・・・やれやれ。 ボクの目論見は木っ端みじんになってしまうのでしょうか。 まさに、前途多難のワンコ1日目となったのです。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.08.14 14:15:42
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