173666 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

悠久のムンバイ

悠久のムンバイ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
Jun 5, 2005
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 インドに来た日本人は、インドの煩雑さが「気に入る人」と「どうしても受け入れられない人」とに別れます。インドが駄目な人は、だいだい日本の生活が好きなことが多いようです。逆に、この日本の適度に平和で適度に安定した生活が物足らない人は、現代のものとはかけ離れたインドの世界に魅かれるようです。

 私も日本の田舎の村で育ったからか、無機質な生活にはどちらかというと馴染めません。日本の新興住宅地に住む生活とインドの田舎で住む生活のどちらかを選べといわれれば、インドに住むでしょう。インドには生活の息吹が感じられます。その生活の息吹は、例えて言うなら、日本の江戸時代の庶民の生活の息吹に似ていて「生活して生きている」という響きが聞こえてきます。

 自分の一回きりの人生、一体どう生きるのが幸せなのか、だれでも模索することと思います。
 インドのボリウッド映画を見ていて感じたことは、前にも書いたと思いますが、必ず映画の中に男女の愛が描かれていることです。戦争映画だろうが何だろうが、男と女の恋が映画の中心にあって、必ず踊り始めます。この世の中、男と女がいて、結婚して夫婦として人生を送るのだから、愛が一番大切だ、と叫んでいるようで、私は非常に共感します。

 その意味では、死者に敬意を払いながらも敢えて言いますと、私は貴乃花の人生を決して歩みたくはないのです。いくら、仕事(相撲)で成功して事業(部屋)を大きくしようとも、家族の仲が崩壊してしまった人生を自分の一回きりの人生とはしたくはありません。

 同じ意味で、たくさんのお金を持って、いい家に住んで、各人が個室をもち、車を持ち、鍵を掛けて、別々の行動をして、・・・暮らしたいとも思いません。妻とは同じ床で眠り、子供とはいつも顔を付き合わせて、気障に言えば、妻とともに歩む人生が自分の人生であって、妻が「本当にあなたと巡り合って幸せ」だったと最期に感じてくれない人生は、私には「一回きりなのに大失敗の人生」に成り果てるのです。

 ついこの前に、インドから帰ってきて家を建てたのですが、山と田んぼに囲まれた田舎に家を建てました。中学生と小学校高学年の娘二人の大反対に合いながらも、子供部屋は子供3人で一つ、広い部屋のままにして一人一人別々に区切ってません。
 1階は昔の六畳一間のように、たった一つの空間です。居間、台所、トイレ、洗面所と風呂場、どこにいても居間から見えます。2階は、その子供部屋と私たち夫婦の寝室だけ。しかも、吹き抜けで居間と子供部屋は通じているので、居間にいても子供部屋にいる子供に声を掛けることができます。要するに、寝室以外は一つの空間、六畳一間と同じなのです。江戸時代の庶民やインドの人たちの生活の息吹を家の中に持ち込みたかったのです。

 インドにもお金持ちはたくさんいましたが、これは私の勝手な思い込みですが、ありすぎるお金は人生を不幸にするような気もしました。適度な生活するのに少し足りない程度のお金があり、人生の糧を探しながら日々生活をして、あまり広くない家の中でおしくら饅頭のように触れ合いながら夫婦仲良く生活をするのが、インドから学んだ私の生活のような気がしました、個人的な鑑賞ですが。

 最後に、余談ですが、江戸時代の庶民の生活を感じてもらうように、江戸時代の庶民の生活を的確に表した「川柳」をいくつか、作家田辺聖子さんの古川柳おちぼひろいという本から拾ってみました。この本、最高に面白いです。

  女湯へおきたおきたと抱いてくる

 江戸時代の生活の中の1シーンですが、家事に忙しい女房が、赤ん坊の一眠りの間にやっと風呂屋へと行きます。と、目を覚ましておなかをすかせて泣きわめく赤ん坊、男親はまったく「処置なし」で、困り果てて風呂屋へ駆け込んでいきます。
どうですか、川柳って、何か生活の息吹が感じられませんか。もうひとつ、取り上げてみます。

  くどかれてあたりを見るは承知なり

 江戸時代、現代のインドと同じように奉公の制度がありました。街の商家などは、一軒の家の中に、旦那家族、居候、奉公人、下女などいろいろな人たちが暮らしていました。まあ、場面は現代のオフィスや学校での学生風景にも通じるのでしょうが、この川柳は、女性の一瞬のしぐさを見事に捕らえています。若い女性が、好意を秘めた男性に言い寄られて、「どきっ」として誰もいないか辺りを見回しているのです。
 江戸時代の川柳や絵画の浮世絵は、本当にこのあたりの庶民の生活のワンシーンを捉える感覚が見事です。

  月限りの女房も叱るほどの酒

 何か、江戸時代には、ひと月いくらで契約をする妾がいたそうです。「月限りの女房」というのはその妾さんのことですが、どうせこの男とは何のかかわりもない月ぎめの妾でさえ、「金のためさ」と思いながら付き合いつつもつい見かねて案じるあまりにたしなめてしまう、それほど酒を飲んでいる男。いいですよね、生活の風景があって。

 まあ、まだいっぱい川柳は載っていますが、とりあえず。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jun 7, 2005 11:10:20 AM
コメント(0) | コメントを書く


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

yasyas4300

yasyas4300

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

 通りすがり@ シンディー たまたま、インドを調べていてこちらのブ…
 それは言えないです@ Re:文化 (イスラム教徒とヒンドゥー教徒:今日の日記)(05/17) 私も同じ経験があります、正直な気持ちイ…

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.