テーマ:旅のあれこれ(9938)
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2008年10月25日、大阪近郊区間大回り乗車をしてきました。
おそらく、現在最長になるであろうルートで。 さて、ここで、 都市近郊区間大回り乗車とは? ということを、ご説明しようかと思います。 まず、この大回り乗車ができるのは、 時刻表のピンクのページにも書いてあるのですが、 東京・新潟・大阪・福岡 の、指定された区間内に限ります。 この区間を1駅でも出たら、適用されません。 さて、ここで、都市近郊区間の運賃のルールは、簡単に言うと、 区間内では、どのようなルートで乗ろうと、途中下車しない限り、 出発駅と到着駅間の最短ルートを乗車したものとして運賃を計算する。 というものです。 つまり…… これの図1を見てください。 A駅からI駅まで行こうとすると、 普通は、単純に、赤線で示したように、 A→D→F→H→Iというルートで行きますよね? しかし、図2のように、A→C→E→H→Iと行くこともできるし、 図3のように、A→D→G→H→Iと行くこともできるし、 もっと遠回りして、図4のように、A→D→C→B→Iと行くこともできます。 さて、ここで、A駅からI駅までの切符を買って、A駅の改札を通りました。 図1から図4までのいずれかのルートを通って、I駅まで行き、 改札を通って出ました。 I駅の駅員さん、その乗客がどのルートを通ってきたのかは分かりませんよね? もちろん、車内で「切符を拝見します」って検札をすればいいんですが、 都会の満員の通勤電車の中で、そんなことやってられません。 というわけで…… しょうがないから、青線で示した最短距離を通った、 と見なして、運賃の計算をしましょう、ということなのです。 今回の例で言うと、図1から図4のどのルートで行っても、 図1で行ったとみなして、最短距離(図1)の運賃でいいわけです。 また、こういう場合もあります。 上記の例では、図1に較べて明らかに遠回りになる、 図2から図4のルートを通る乗客はあまりいないでしょう。 しかし…… 図5のように、B駅からI駅まで行く場合…… 図6のように、B→C→E→H→Iというルートや、 図7のように、B→C→D→F→H→Iというルートもあり、 どれが一番最短距離になるのか、一見して分かりません。 もし、乗ったルートの距離に応じた運賃で計算することになったら、 乗客が困ってしまいますよね? というわけで、最短ルートを乗車したことにして、運賃の計算をするわけです。 では、ここで、図8のように、D駅からF駅まで行きたい人がいるとします。 普通は、D駅からF駅まで、そのまま行くでしょう。 でも、図2から図4のような乗り方が許されるなら、 図9のように、D→C→E→Fのように乗っても、 図8のルートで乗ったと見なされるわけです。 それなら…… ということで、鉄道ファンは考えました。 図10のように、D→G→H→Fというルートでもかまわないわけです。 さらに…… 図11のように、D→G→H→I→B→C→E→Fと乗ってもいい。 だって、図9がよくて、図11がダメな理由はないでしょう? 遠回りの長さが違うだけで。 というわけで、図8から図11まで、どんなルートで行っても、 図8のD-F間の運賃(最短距離)で運賃を計算するわけです。 これが、都市近郊区間大回り乗車です。 ただし、もちろんルールがありまして、 図12のように、 D→G→H→I→B→C→E→H→F というルートだと、H駅を二度通ることになり、これはアウトです。 もし見つかったら、不正乗車ということになり、 捕まります。 なぜなら、一周してH駅まで戻ってきた時点で、 その切符はそれ以上使えなくなるからです。 乗車券は、フリーきっぷなどの特別な切符でない限り、 出発駅から終着駅までの片道切符であり、 出発地点に戻ってきた時点で、片道ではなくなりますよね? 連続切符という切符で、戻ってきた駅からさらにその先の分の切符を買う、 ということはできますが、それはあくまで、 戻ってきた駅までの一周の切符で、そこまでの精算をいったん終え、 さらにそこから先の切符を新たに買い直していることになるので、 これは合法なわけです。 だから、同じ駅を二度通ってはいけないのです。 列車を降りなくても、通過しただけでもいけません。 ということで、図13のように、 D→G→F→E→C→B→I→H→E→F というルートも、E-F間を重複乗車しているので、アウトです。 同じ駅を二度通ってはいけないんだから、もちろん、 同じルートは二度通ってはいけません。 乗り過ごして終点まで行っちゃったから、 折り返しの列車に乗って、降りる予定だった駅まで戻ったり、 山手線を何周もしたりというのは、 みんな普通に言っていますが、 本当は不正行為です! 鉄道会社のご好意で、許してもらっているだけなんですよ。 あと、大回り乗車で気をつけないといけないのは、 当然、切符に示された駅間の距離は100km以下なので、 途中で改札を出る、いわゆる途中下車はできません(101km以上なら途中下車できる)。 実際に乗る距離ではなく、運賃を計算する距離が100km以下だからです。 (切符には「途中下車前途無効」などと書かれています) そして、100km以下ということは、 切符の有効期限も、その日1日限りです。 (切符には「発売当日限り有効」などと書かれています) 100km以上の切符には、 「途中下車前途無効」とも、「発売当日限り有効」とも書かれていないはずです。 JRの場合の話ですけどね。 以上、都市近郊区間大回り乗車について、まとめますと、 ・定められたエリア内でのみ有効 ・同じ駅を二度通ってはいけない ・同じルートを二度通ってはいけない ・途中下車できない ・切符はその日1日限り有効 このルールさえ守れば、自分で好きなルートで行くことができます。 というわけで、今回、俺が乗車したルートが、これ! 大阪周辺詳細↓ 赤い太線が、今回行ったルート、 青い太線が、大阪近郊区間のうち、今回行かなかった路線、 太い黒線が、東海道・山陽新幹線、 細い黒線が、その他のJR路線(つまり大阪近郊区間外)、 細い茶色の線が、県境の線、 それ以外は、私鉄、第三セクターなどの路線です。 大阪近郊区間は、 北は近江塩津、園部、谷川まで、 東は米原、柘植まで、 南は和歌山まで、 西は播州赤穂まで、 なのです。 新幹線に関しては、新大阪-西明石間の山陽新幹線は、 大阪近郊区間に含まれません。 逆に言うと、 米原-新大阪間や、西明石-相生間は、 新幹線に乗ってもかまいません。 この地図で言うと、例えば、 木津から加茂までの1駅の乗車券(180円)と、 新大阪-京都間の新幹線特急券(自由席840円)があれば、 新幹線に乗れます。 木津駅から片町線で京橋駅へ。 京橋駅から大阪環状線で大阪駅へ。 大阪駅から東海道本線で新大阪駅へ。 新大阪駅から東海道新幹線で京都駅へ。 京都駅から東海道本線で草津駅へ。 草津駅から草津線で柘植駅へ。 柘植駅から関西本線で加茂駅へ。 まあ、新幹線の自動改札は通れないでしょうが、 木津から加茂までの乗車券と、 新幹線の特急券を見せて、大回り乗車であることを説明すれば、通してくれます。 俺はやったことありませんが、やった人はいるそうです。 もちろん、新幹線がいいんですから、在来線特急でもOKです。 ただし、特急券は必要ですけどね。 さて、大阪近郊区間大回り乗車のポイントは4つ。 ・尼崎駅を挟んで東西で隣り合う駅同士を、スタート地点、ゴール地点にする。 ↑尼崎駅を挟んで東側と西側は、尼崎駅でしかつながっていないので、 他の駅をスタート地点にすると、尼崎駅より先に行けなくなる。 つまり、尼崎駅を超えて先に行くと、戻って来ようとしても、 必ず尼崎駅を通過しないといけないので、尼崎駅を二度通ることになってしまう。 だから、尼崎駅より東の区間、西の区間、両方を回りたい場合は、 尼崎駅より東(西)の駅をスタート、 尼崎駅より西(東)の駅をゴールにするしかない。 ・東海道本線(塚本-尼崎間)とJR東西線(御幣島-加島間)は、 立体交差(JR東西線は地下)しているが、駅でつながっているわけではないので、 同じ駅を二度通ったことにはならない。 ・大阪環状線(福島-野田間)とJR東西線(新福島-海老江間)も、上記同様。 ・大阪駅と北新地駅は、途中下車扱いにならず、乗り換え可能になる場合もあるが、 あくまでも違う駅なので、両方通っても、同じ駅を二度通ったことにはならない。 ↑例えば、遠距離で大阪市内発着の切符の場合、JR東海道本線で大阪駅に来て、 1枚の切符で、いったん大阪駅の改札を出て、徒歩で移動し、 新開地駅の改札から入って、JR東西線に乗り換えることは、その日のうちなら可能。 また、定期券、回数券などでも乗り換えは可能。 途中下車扱いにならない。しかしあくまでも別の駅である。 これらを踏まえて考えた、たぶん最長のルートです。 では、次から、実際の乗車体験記を、書いていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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