お~いお茶 濃い味
伊藤園の「お~いお茶 濃い味」が売れたので今シーズンはキリンビバレッジが「キリン 濃い生茶」をサントリーが「伊右衛門 濃いめ」を発売した。伊藤園はが2003年の冬、濃いめの味わいと天然カテキン400mg含有を訴求した「お~いお茶 冬緑茶」という限定商品を発売したところ、「渋みのある濃い味がおいしい」という意見が多数あり、年間製品として発売したとのこと。それまでは伊藤園でも「渋みをやわらげた方が一般的な好みに合うのでは」と考えていたようだ。1985年に発売されたパイオニアである伊藤園の「お~いお茶」に対してキリンビバレッジは渋くない、苦くないをコンセプトに2000年に「生茶」を開発してヒットさせたのだった。それ以来、お茶は渋みをやわらげる方向性に向かう。ところが2003年にヘルシア緑茶が発売されカテキンが注目され、市場は濃い味に回帰したのである。苦くないお茶をコンセプトに登場した「生茶」、2004年にサントリーの得意とするPRと容器で大ヒットした「伊右衛門」は濃くないお茶である。濃いお茶なら伊藤園の「お~いお茶 濃い味」となり独占状態になってしまった。濃いお茶は、既存の緑茶飲料よりも急須でいれるお茶に近く、40代~50代の人が好む傾向があり濃いお茶を飲む人は『お茶を飲むなら濃いお茶』と決め濃いお茶ばかりを飲むようだ。この年代は健康志向も高く、緑茶を好んで飲み浮気をしない。したがってロングセラーになりやすい。「キリン 濃い生茶」「伊右衛門 濃いめ」は「お~いお茶 濃い味」の牙城を切り崩せるだろうか。おそらくむずかしいのではないかと私は思う。