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カテゴリ:マネージメント・ベンチャー
先端的・革新的技術のブレークスルー技術は、
当然、企業よりは大学が先導する。 これが企業ニーズとうまく合致し、 製品のイメージが ハイテクノロジーのイメージとして上がれば、 産学連携 の効果も上がる。 しかし、よくある間違いは 先端技術度(ハイテク度)が高ければ高いほどよい という大学側の勘違いである。 産学連携推進を妨げる勘違い -大学と企業が連携するには ということで日経BP社の記事に 出川 通氏が書いている。 前回の続きである。 一般的にいうと先端技術度が高いほど、 現実の世界から離れて、 産業界というビジネス社会の基盤から遠くなる。 これは分野によっても異なるが、 ハードウエア系のエレクトロニクス、 精密機械、材料系関連などの分野では 特に起こりやすいジレンマである。 ビジネス上、先端技術は「飛び離れた技術」なのか 「時間的に先行する技術」なのかを 明確に分けてとらえることが重要になる。 “産”である企業が“学”である大学に期待するのは、 「時間的に先行する技術」の方である。 大学の研究成果である技術シーズが いかに革新的であろうとも、 飛び離れた技術シーズほど企業には 直接役だたないものになりやすい。 「先端技術」は従来の技術基盤から離れており 商品になりにくい面があるという認識は重要である。 また汎用的な技術の場合も応用の可能性が広すぎると 商品の的が絞り切れずに展開が難しいことが多い。 具体的なビジネス上の対応策は、 既存の技術をできるだけ うまく使った商品開発を行うことが 重要な切り口になる。 先端技術は一般にコストがかかる。 コストをかければ特徴のある研究も生まれるだろう。 しかしコストがかかると事業化までには リスクが高くなる。 そうなると大学に将来を託す産学連携には頼らない。 必要なら企業独自で、 または同じ問題を抱える企業が集まって この問題の解決にあたろうとする。 産学連携に適した技術とは コストがかからないことである。 技術的に画期的でも、特別なものが必要ない コロンブスの卵のような技術が最もよい。 しかし コロンブスの卵のような技術こそ 開発するのが最もたいへんな技術だと思う。 狙ってできるものではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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