これは、掲示板に「LIFTプログラムは・・・どんなプログラムを提供されるのですか?」という質問を下さったOさんに答え様として思い立ったページです。
Q:LiFTプログラムはこの頃友人達が”トマティス”と呼んで楽しんでるプログラムかしら?
A:”トマティス”は、故アルフレッド・トマティス博士が始められた「トマティス・メソッド」を土台にプログラムを展開していらっしゃる「トマティス ジャパン」の事でしょうか。そうだとして、私も、そこでどの様なプログラムを展開していらっしゃるかは良く存じ上げないので、「トマティス ジャパン」のHPへお邪魔させて頂きました。HPの全てのページは時間が無くて拝見出来ませんでしたが、一応私が感じた「LiFT プログラム」と「トマティス ジャパン」のプログラムとの違いを書いてみますね。
「LiFT プログラム」は、トマティス博士の愛弟子だったカナダ(トロント)のザ・リスニング・センター( http://www.listeningfitness.com/ )のディレクターであるポール・マドール氏と特殊教育教師だったソフィー・ガルソウ氏等、ザ・リスニング・センターのスタッフによって1999年から展開され始めたものです。
ただ、アセスメントの方法や使う機材がカナダのリスニング・センター独自の20年以上に渡る研究と開発によるものなので「トマティス ジャパン」のものとは異なると思います。また、プログラム内容や要する時間も少し異なるかもしれません。
もっとも、井上(船橋の「リッスン +」代表)が1994年にザ・リスニング・センターを訪れた時には未だLiFTTMを使うLiFT プログラムは無く、従来のトマティス・メソッドを受けました。その頃のアセスメントは、左右の耳の聞こえ方そのものを調べる為の機器による聴覚テストで行っていて、聞こえ方のグラフで「貴方の聞こえ方はこうだよ・・・」という説明を受けました。トマティス・メソッドを受けながらそのグラフの曲線が理想に近づく過程で、耳の聞こえ方が良くなって行っているのを教えられました。で、私自身も英語力が伸びているのを感じて、もっと伸びる為にその後2回(計3回)トマティス・メソッドを受けました。
1999年にポータブルなリスニング・フィットネス・トレイナー(LiFTTM)(本文の画像参照)とリスニング・アセスメント・システムの開発が完成し、LiFT プログラムを使うLiFT インストラクター養成の案内がありました。お話を伺って、アセスメント方式が機器によるリスニング・テストを使わない代わりに心理学的な手法を使ったシステムになっていると知りましたので、私のカウンセリングをより効果的にする為にもLiFTプログラムを取り入れたいと思ったのです。当時私は腰を痛めていたので、翌年2000年の春にその養成講座を受け、日本人で初めてのLiFT インストラクターとなりました。
以上の様に、「LiFT プログラム」と「トマティス ジャパン」のプログラムは、両方とも故トマティス博士によるトマティス・メソッドを土台にしてはいますが、夫々のスタッフの専門性や考え方・研究の仕方等が異なってきた為、同じ部分を残しながらも、総体的には異なるものへと発展しつつある様です。
でも、トロントのザ・リスニング・センターのディレクター・ポール・マドール氏とトマティス ジャパン(株)・代表取締役・村瀬邦子氏とは故トマティス博士とそのメソッドを通しての古い知人の様で、ポールさんから「道理を弁えたとても善い人だよ。」と伺っておりますので、機会があれば一度お会いしたいと思っております。
Q:ザ・リスニング・センターのディレクターであるポール・マドール氏ってどんな人ですか?
A:ポール・マドール氏はある発達障害(Dyslexia)を負った方(その経験を“The Listening comes alive” に書いていらっしゃいます) だったのですが、トマティス博士によって救われ、大学の心理学部を卒業されました。その後ずっとトマティス博士と共にあり、北米でそのメソッドを研究・発展させる為の最初の拠点としてザ・リスニング・センターを博士と共にカナダのトロントで立ち上げ、センターのディレクターとなられました。
以来、ザ・リスニング・センターでの20余年の経験と研究、ご自分の障害の経験と特殊教育の教師だったソフィー・ガルソウ氏の経験とを合わせて、他のスタッフと共にザ・リスニング・センター独自の質問表によるアセスメント方式と小型の周波数フィルターを内蔵するリスニング・フィットネス・トレイナー(LiFTTM)とその備品(詳しくは「LiFTとは?」をご覧下さいませ。)を開発されました。そして生前のトマティス博士の許可を得た上で、このアセスメント方式とLiFTTMトレイナーを使って、トマティス博士の耳へのサウンド・スティミュレイション(音の刺激)のメソッドを土台にしたプログラムを作成し、「LiFT プログラム」と名付けました。
Q:「LiFT プログラム 独自のアセスメント」とは、どんなものですか?
A:機器による聴覚テストは行いません。代わりに、クライアントになる方に、その方の生活環境や耳、心理、身体等の状態を理解する為の様々な問いが載った質問表に答えて頂きます。その結果から、その方の傾向を12通りに分けた円グラフに表します。その円グラフの形から、クライアントが受容面と表出面の何処が優れていて、何処が弱いのかを評価(アセスメント)します。
その評価とクライアントの目標等によってLiFT インストラクターが入念にカウンセリング(インタヴュー)を行った後、その人にフィットする様にフィルターの掛け方や音読・発声練習の仕方などをデザインしたプログラムを組みます。
Q:LiFT トレイナーとトマティス ジャパンで使っている機器とどう違うのですか?
A:トマティス ジャパンのHPを拝見しますと、最近小型の機器も開発された様ですが、その中のシステムは知りませんので、比較は出来ません。LiFT トレイナーは、LiFT プログラムとは?(2)」のページの「☆リスニング・フィットネス・トレイナー(LiFTTM)」の項で述べました様に、トマティス博士が開発したサウンド・スティミュレイションの為の機器をザ・リスニングセンターのスタッフが発展させ、マイクロ・コンピューターを使って作ったものです。トロントのセンターには、アメリカやカナダの遠くの州から泊り込みでセンターのプログラムを受けに来る人が多かった為、出来るだけ多くの人々がLiFTプログラムを実行出来る様に考えられたものです。
Q:ケイさんはオフィスではどんなプログラムを提供されるのですか?
A:心理カウンセリングと上記のLiFT プログラムとを提供致します。
Q:LiFT プログラムを受けるとき、「リッスン +」のオフィスではどんな事をするのですか?
A:LiFT プログラムをどの様に行うかの手順については、ページ一覧のLiFT プログラムとは?(2)」の「☆LiFTプログラムの進行」をご覧下さい。尚、オフィスでLiFT トレイナーのフィルターを使って、低周波数から高周波数まで様々な周波数に変化する音楽(主にモーツアルトやビバルディ等の高低の幅広い周波数を持つ曲が使われます)の刺激で内耳(蝸牛官や前庭器官)がマッサージされている間、クライアントは寝ころんだりコーヒーを飲んだりおしゃべりをしたり、又読書や勉強、絵を描くこと、ゲーム、等々好きな事をしてリラックスして頂きます(但し、激しい運動やお食事、及びコンピューター・ゲーム等は出来ません)。
Q:LiFT プログラムは、どの様な人にどの様な効果をもたらすのですか?
A:具体的には、LiFT プログラムとは?(1)」の初めに表を作っておきましたが、聴覚への音の刺激が脳から全身にも広がる為でしょう、様々な能力の向上や障害の克服に効果がある事が、色々な分野の専門家から報告されております。特に、低周波数に慣れている日本人には難しいと言われる高周波数を持つ外国語(例えば英語)の習得能力や、集中力、コミュニケイション能力等の向上に効果が有る様です。その為、長時間の注意集中力に乏しいと言われるLDやADDの方々に他では得られない効果を発揮しているものと思われます。
Q: LiFT インストラクターには誰でも成れるのですか?
A:いいえ。LiFT プログラムは、ザ・リスニング・センターが厳しいスクリーニングで選定した上で訓練し認定した様々な分野の専門家が、その専門分野での仕事の効果をあげる為の補助として使うことになっております。その為、LiFT インストラクターが自分の専門分野以外の為にLiFT プログラムを使う事は許されておりません。井上(船橋の「リッスン +」代表)が、中学及び高校の英語教師免許を持っている事とカウンセリング分野でのM.A.を持っている事から、「リッスン +」は、英語指導及びカウンセリングの分野でLiFT プログラムを取り入れる事が出来るのです。
Q:「リッスン +」の心理カウンセリングはどの様な事をしますか?
A:心理カウンセリングには様々な理論や技法があり、その全てに熟知するのは無理なので、井上はシカゴのNEIUの大学院(教育学部・カウンセリング学科)で学んだ現代カウンセリングの基礎の理論や技法の中から自分に合うものを選び、それに日本や米国アリゾナ州で学んだ催眠技法(小柴メソッドとエリクソニアン)やカナダで学んだファミリー・セラピーをブレンドしてカウンセリングを行います。
Q:精神科や心療内科の医師とカウンセラーとは何処が違いますか?
A:精神科や心療内科の医師の中にはセラピー(北米では、カウンセリングと同じ理論や技法を使っても、医師が使う場合はセラピーと言います)を行う方(催眠の父・ミルトン・エリクソンも医師でした)もいらっしゃいますが、セラピーよりも医学的な見地からのお薬を中心に処方される方が多い様です。忙しいので、長い時間を使ってセラピーをする暇が無く、つい薬に頼ってしまうのが実情だ、と或る精神科の医師が話してくれた事があります。反面、カウンセラーは薬事法により薬は出せません。
Q:「リッスン+」では、心理テストや知能テストを行いますか?
A:申し訳ありません。アセスメントは致しますが、テストは行いません。テストを望まれる方には、他の適切なカウンセラーか医師をご紹介致します。また、カウンセラーとクライアントには、相性も有ると思いますので、あるクライアントには井上より合うカウンセラーがいると思うケースの場合には、その適切なカウンセラーにリファー致します。
以上、実際に質問された事や、質問されるであろうと思われる事を取り上げて、Q & A の形で書いて参りました。更にご質問がある方は、掲示板等でお聞き下されば、順次取り上げてお答え致します。