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カテゴリ:発達障害
素晴らしい感動と喜びを昨日、私の可愛いクライアントから貰いました。
金、土と近所のホテルに泊りがけで、ご家族揃ってLiFTプログラムの始めの4セッションを受けに来て下さっていたのですが、クライアントは7歳の男の子(仮にA君と呼びます)です。 A君には、LDとADDがあると近隣病院の精神科所属の臨床心理士さんから診断されたそうです。その時、大きくなっても他の人と同じ様に普通になるなんて思わない様に、という意味の言葉を言われ、親御さん達は非常にショックを受けられた様です。そして薬(リタリン)を処方はされたけれど、他にどうやったら少しでも改善できるのか、と言う手立ては何も指導してくれなかった、専門家なら、少しは指導してくれるものと思っていたのに、と親御さんは、少しも希望を持たせてくれなかったその病院のやり方から、専門家としての在り方に大きな疑問を持たれていらしたようでした。 そしてご自分で何とかしたいと、色々と調べられ、インターネットで海外のサイトまで調べた末に、私もリンクさせて頂いているAD/HDをお持ちのお子さんの方のサイトでリスニング療法のことを知り、お電話を掛けて来られたのでした。いつも思うのですが、LDやAD/HDをお持ちのお子さんの親御さん達の熱心な勉強振りにはいつも尊敬します。 お母さんが持ってくるのを忘れたということで、リタリンを飲んでいなかったA君は、始めの土曜日は2セッションまで、初めてするヘッドフォーンをするのを嫌がり、フィルター1とゲイトが少し掛かったモーツアルトも「良くない、良くない。早く帰りたい。」とか「うるさい。」とか言って泣いて聴く事を拒否したりしました。始めは耳が敏感なお子さんなのかと思いましたが、お母さんのおっしゃるには、「いつも初めての人とか始めての事をするのを凄く嫌がるんですよ。」ということでした。そこで、この音楽が、A君の頭に力をくれること、それがAくんに困った事をさせたり、おこしたりしている奴をやっつけてくれることを話してお母さんと一緒になだめたりおもちゃや漫画で気を紛らせたりしながら最初の1時間を終えました。 セカンド・セッションの始めはグレゴリアン・チャントですが、その時お母さんが偶々他の場所に遊びに行っていたお兄ちゃんの事でA君を置いて出かけなければならなくなりました。でもチャントは余り嫌がらずに、私に彼の好きな漫画を読んでくれ大きな声を出すと「もっとちっちゃな声で読んで。でないと頭に力をくれる音楽の力が弱くなっちゃうから。」と頼むとちゃんと小さな声にしてくれる様になり、少しづつ私とのコミュニケイションが取れるようになってきたのです。 そして、「これ面白いよ。」と色々と教えてくれるようになり、私の質問にも割に早く反応する様になって来たのです。A君のことでお母さんが困っていらっしゃることの一つは、相手の言葉に対する反応が遅かったり無かったりして、コミュニケイションが取れない事が良くあり、友達が出来難いことです。好きな漫画に関しては割に反応が良いらしいが、それでも慣れない私とのコミュニケイションが良く取れるようになってきた事や私が彼の体に触ったり密着して嫌がらず、手首への動作法もやらしてくれたりする様になった事から、LiFT効果への期待も大きくなってきました。 帰り際には、ちゃんと握手してくれ、目を見ながらのバイバイの手も振ってくれて、土曜日のセッションが終わりました。 そして二日目の昨日、初めはやはり「イヤだ、これしない。」とか2回(30分が1回で、その2回で1セッションになります)で終りにして。」とか駄々をこねましたが、お母さんの「ちゃんと約束守らなきゃ駄目!」の一括でヘッドフォーンを耳にしてくれました。そして昨日反応の良かったチャントから始めました。モーツアルトになると、「2回にして。」と又駄々をこねましたが、それでも「A君の頭に力を挙げ様ね。」と言いつつ、4つのテープから自分の好きなテープを選んで貰い4つのスケジュールの二つ目に「後この3つが済んだら終りだよ。そしたらゲームも出来るからね。A君自分でここに丸印する?」とペンを渡すと、始めは「そっちで勝手に丸して。」という態度でしたのに、2回目からは自分で丸を付ける様になりました。3回目のテープでは、もう駄々もこねなくなり、声を小さくして(時には黙って)漫画を読んだり、寝転んでくれるようになりました。そして4回目(この日の2時間目ですが全体では4セッションの最後)には、もう何も言わずに静かに聴いてくれ、寝転んだ時に呼吸法も出来ました。これはお母さんが上手にタイミングを取って下さり、寝転んでお腹を出した隙に「あ、今なら出来るじゃない。」と呼吸法の為の本を載せるのを手伝って下さったのです。そして出来る度にお母さんと私で(この時お父さんとお兄ちゃんは買い物に出ていらっしゃいました)「あー、上手、じょうずー!凄い凄い!」と誉めるととても嬉しそうにやってくれたのです。足首への動作法も2回やらしてくれました。そしてとうとう4セッションを終了したとき「やったじゃーん!凄い凄い!A君力が出てきたねー。」と誉めると、とてもとても嬉しそうな笑顔を見せてくれ、少し照れて座椅子の後ろに顔を隠す仕草までしました。そして最後の握手(実はこれがとても大事な事なのです)も私の頼む通りにやってくれ、それだけでもお母さんと私は大満足でした。 ところが、その後、思ってもいなかった様なプレゼントの言葉をA君が私にくれたのです! それは彼の「先生!」という私への呼び掛けで始りました。「何かな?」と思いつつ「ん?」と応えますと「今までありがとう!」という私への感謝の言葉が続きました。大人でも「今まで」なんて、「ありがとう」に付ける言葉はなかなか出ない事が多いのに、あんなに最初は嫌がったA君が、私の一生懸命な気持ちを分かってくれて、言ってくれたのです。 夫もそれを聞いて「オー!」という声を思わず発していましたが、私はそれ以上に驚いて「えー、Aくんからそんな言葉を聞けるなんて思ってなかったよー。ありがとう!A君大好き!」と思わず彼の首根っこに抱き着いてしまいました。A君もとても嬉しそうに笑っていました。エレベーターに乗る前にも「A君に有難うって言って貰って、涙が出るほど嬉しい。(事実涙ぐんでいました)。」と言うと又嬉しそうな良い笑顔。そしてお母さんもとても嬉しそうでした。エレベーターに乗ってからも、ずっと私の目を見詰めて最後まで手を振ってくれたA君でした。 こんな風に、昨日は「カウンセラーになって良かった。このオフィスを開いて良かった。」というカウンセラー冥利に尽きる感動と喜びを小さなクライアントから貰った最高の日でした。 今日からA君は、自宅でのホーム・プログラムに入ります。 今朝私が入れ忘れたバッテリーの件でお電話下さったお母さんから、「今日は嫌がらずに始めました。」というお言葉を聞きました。彼の潜在能力が現れ始めたのでしょう。手首と足首の動作法もお母さんとお父さんにお教えしました。自宅でやって下さる事でしょう。30セッションが終わったら、又♪リッスン+♪へカウンセリングの為に来て下さることになっています。その時又A君に会えるのがとても楽しみです。 A君の事を私のホーム・ページで書いても良いというお母さんからの許可も頂きました。素晴らしいクライアントとご家族に出会えました。 A君へ。 「一昨日と昨日は来てくれて、そして凄い言葉をプレゼントしてくれて本当にありがとう!君は本当は素晴らしい潜在能力を持っているって事を、みんなに証明してくれたんだよ。そしてお母さんにも私にも大きな希望をくれた。これからも一緒に協力して君の頭の中で悪さをして潜在能力が出るのを邪魔している奴をやっつける様に頑張ろうね。」 A君のお母さんへ 「色々とご協力有難うございます。お母さんのA君の為になさる努力には本当に頭が下がります。A君が私に『ありがとう』を言えたのも、日ごろお母さんがきちんと『有難う』の大切さを教えていらしたからだと思います。それでも『今まで』という言葉を添えられたのは、A君が自分で考えたことで大切なコミュニケイションの能力を示すものです。これからの彼の成長に期待を持ってA君の為のLiFTプログラムとカウンセリングにご協力下さいね。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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