数か月前、ビジネス雑誌が廃刊になった
数か月前、ビジネス雑誌が廃刊になった。 内情を知る社員によると、売れ行きが不振で、 回復する兆しがないのだという。 この出版社は、10年程前にもリストラをしていた。当時の退職者から、どうでもいいことをふくめ、大量に内情を聞かされた。 それにしても、極度に人材難の出版社であることは間違いない。 このビジネス雑誌を多少なりとも知る自分からすると、廃刊にするタイミングが少なくとも5年は遅いように思えた。 内容は、1980年代後半~90年代後半までのバブル期やその後の時代をほうふつさせるものだった。 たとえば、ベンチャー企業を盛んに取り上げていたが、毎度定番の10~30社のみ。 それが、ベンチャー企業全体のコンマいくつ、以下の比率であることも、編集部員は心得ていないようだった。 多種多様な価値になっている時代においてたった10~30社だけを取り上げるのは、感覚がマヒしている。カルト的にすら見える。 読者である会社員の置かれている状況を知らなさすぎる。 まぁ、記者ではなく、編集者なのだから、そのあたりは疎いのは仕方がないのかもしれないが。 編集者は、企業社会の最前線の動きを把握できていない。こういう雑誌が消えるのは、健全なことなのだと思う。雑誌が売れなくなると、かならず、「活字離れ」とか、「ネットの影響で…」と言い始める。 少なくともこのビジネス雑誌の場合は、それ以前のところでゆきづまっているようにしか見えなかった。つまりは、能力不足。 広い視野で見れば、もっと取材するべき会社があるのにわざわざ、あんな会社を繰り返し取材するなんて…・。 残念というか、当然の結果というか、なんとも言えぬ思いになった。これで出版界有数の高額賃金を受け取る。 業界紙などのほうが、広い範囲でいい会社を取材している。このビジネス雑誌を扱う出版社は30年ほど前から、新卒の入社の難易度でいえば、B級に位置する。 A級が、3~4社。B級が、15~20社で、そのうちの1つ。 A級は、新卒の段階では全国紙や通信社、キー局に対抗できる。 B級であるから、今回のような結末になったのだろうか。そのあたりは、もっと調べてみる必要があるのかもしれない。