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中央線のとある駅そばの、 とんかつ店が閉店していた。 ...店のシヤッターに貼られた紙によると、 36年前に開店したようだ。 70歳近い店主は30代の頃に妻を病気でなくし、 娘をひとりでそだて上げたという。 その娘には子どもがいるようだから、 店主には孫がいることになる。 もうそろそろ、よかったんじゃないかな。 あの姿を見ると、限界だったと思う。 力尽きるまで、店を営んだのだから。 ここには、 2010年頃からかぞえきれないほどに行った。 ここ2年ほどは、 店主が前かがみになって料理をしたり、 運んでくる姿に息苦しいものを感じて、 あえて行かないようにしていた。 あそこまで、前かがみになると、直視できない。 その前の、元気だったころを知っているだけに。 あの頃、店主は66歳と話していたから、今、70歳近い。 36年間も経営できることじたいが、 奇跡なのだから。 娘さんも結婚し、孫もいる。 もう、いいんじゃないのかな…。 そんなことを言いたくなるほどに 腰が曲がっていた。 腹部が痛く、背中を伸ばすことができない のだという。 病院にも通院しているが、 病気とは診断されてないようだった。 顔はむくみ、赤茶色くなっているのだから、 どこかに問題があるはず、と思うのだが。 それでも、医師は病気ではない、と 診断していたようだ。 店主は、元気がなく、心が晴れないような 表情だった。 今年2月に、店の前を通ったが、 入れなかった。 あの姿を見ると、 食べることもできなくなる。 客商売は、人前に出るから、あの姿では…。 これで、よかったんじゃないかな。 そんな思いで、張り紙を見ていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018年05月19日 19時33分18秒
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