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カテゴリ:夜叉神天の心中
大田道灌蓑を借るの図に題す 作者不詳 孤鞍雨を衝いて」茅茨を叩く 少女」為に遣る」花一枝」 (和歌) 七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに 無きぞかなしき (和歌終) 少女言わず」花語らず 英雄の」心緒乱れて」糸の如し 前回の日記の続編です。 読みは十一日の日記、「詩吟の初稽古」 に書いてあります。 ・・・さて、この詩文の「夜叉神天的」意訳を書いてみます。 >孤鞍雨を衝いて」茅茨を叩く 一人、雨の降りしきる中、馬に乗っていると、にわか雨が被り物を打つ。 >少女」為に遣る」花一枝」 蓑を借りようと、一軒の家を訪ねると、一人の少女が一輪の花を差し出した >「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに 無きぞかなしき」 山吹の花は、よく花は咲かせるが実をつけることは無い、かなしいことよ・・・ >少女言わず」花語らず 少女は何も言わず、花の意味するところもわからない >英雄の」心緒乱れて」糸の如し 英雄は、花を求めているのではないと怒り、心は乱れて糸のようである。 (・・・間違った解釈などあると思いますが、目を瞑ってください。 だいたいはあっているはずです。) さて、少女の差し出した山吹の花にはどんな意味があるのか。 少女は、花は咲いても実はならない山吹の花をうたった「七重八重・・・」の古歌を知っていて、「実のひとつだに・・・」の「実の」と「蓑」をかけて、「かなしいことに、蓑は一つもありません」という意味にしたのです。 それを知らず、「花を求めているのではない」と怒って帰った太田道灌は、家来の人間に少女のことを話すと、「七重八重・・・」の歌の事を教えられ、自分の勉強のたらなさを恥じ、歌道にはげんだとのこと。 このはなしは、「山吹の里伝説」として知られていることが多いようです。 いいですねぇ・・・なんともシャレていますね。 粋ですね。 どこか、かなしげな所も好きなんです。 だらだらと日記を書いている夜叉神天でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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