|
カテゴリ:カテゴリ未分類
他所から来た人間を旅の者、旅の人という。
かく書く私もそんな旅の人であるが、そんな私が独逸からの客人に会ってみないかと数週間前に近所に住む奥様に誘われる。 何でも独逸日本研究所なる所から来た人で、一ヶ月ほど件の奥様の家に居留されているとの事。隠岐に移住してきた人間の話を聞きたいというのである。 その御仁に会ってきた。 数週間前に誘われた際には遠慮させて頂いた。 正直な所、隠岐が好きだからこそ隠岐にいるのだが、何に魅了されているのか自分でもよく解っていない。だから、聞かれても困るのである。 しかしながら、直接お電話を頂き、断るのも失礼かつ横柄であると考え会った次第である。 大学時代は政治学を専攻、そして現在は社会学の一環で重要無形文化財に指定されている隠岐の牛突きの調査をしに来たのだそうだ。それが私と何の関係があるのかと尋ねると、隠岐の牛突きを取り巻く隠岐のライフスタイルを知る上で、他所から来た人間で私が何に憧れ、あるいは何に引かれ、そしてどんなライフスタイルを送っているのかを聞きたいとのことであった。 そして、掻い摘んだ話ではあったものの高校時代に読んだ本からインスパイアされ、それから何度も路頭に迷いながらも、その度に島根県各地、隠岐各地でいろんな人に助けられてきた話、教えられてきた話をした。その間、どんなライフスタイルを送ってきたのかを話をし、現状には決して満足はしていないけれど、それでも自分が人間として向上する、いやそもそも人間として生きていく上では良い環境とライフスタイルじゃないかと思って、生きているという話をさせて頂いた。 私の話が彼女の役に立ったかどうかは定かではないが、私としては改めて自分の十年を整理できた有意義な出会いだった。 それにしても、世の中凄い人がいるもんだ。 私の知識は浅く、広い。しかも時代もバラバラ、分野もバラバラ。そのせいでなかなか世の中で御役に立てないばかりか、どういう発想で、どういうことに影響されて人生の決断をしているのか説明し難い事が多いのだが、私が影響された本や事象を彼女は全部知っていた。しかも私よりもずっとずっと正確に。私の勉強不足を棚に上げる訳ではないが、それを差し引いても素晴らしい知識量。しかも、電話で話した時には気付かなかったが、なかなか難解な日本語を使う。凄いもんだ。 いやはや凄い。ただ感心するばかり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年08月28日 21時13分48秒
コメント(0) | コメントを書く |