父けんじ
母みえこが、まだ70歳で逝ったのは、悲しい。
そして。
父けんじが残ったことが、すっごく困る。
逆なら良かったのに、と何度となく妹と話したこの数日でした。
本当に本当にムカつくことばかりけんじがするから、
それがあまりにひどいので、泣きながら二人で電話で話したり、
その話を聞いて、みえこの姉が怒りで震えてたり、した。
私は電話でけんじに怒鳴り、妹は直接怒ったけど、全く聞かないよね。
告別式で、悲しくて悲しくて妹と二人でわんわん泣いてたら、
けんじが見てるから、大丈夫だよ、あなたの時には泣かないから、と私が言った。
私が集めた御朱印が、御朱印帳4冊で、妹が2冊あり、
棺に納めてるのも見てるから、あなたの時には入れないから見なくていいよ、と妹に言われていた。
妹はここ数日、けんじに対してムカついてムカついて、良く眠れないと言っている。
あまりにムカついたため、みえこの銀行口座を、わざわざ連絡して、凍結しました。
あれって、身内から連絡しないと、他からは連絡いかないみたい。
口座の凍結は、私は考えなかったけど、妹が言い出した。
一度凍結した口座は、きちんと書類などを揃えないとどうにもできなくなる。
私の書類はけんじでも揃えられるけど、妹は嫁にいってるので、
けんじでは揃えられない。
別にみえこの残したお金が欲しいワケではなく、
それをけんじに使われるのが嫌なの。
もうね、月曜日は納棺師が来て、納棺の儀式をし、
次の日はお通夜、その次の日、つまり昨日は告別式と、
忙しい合間に、けんじにムカつき、凍結の連絡をし、
泣きながらみえこを見送り、またけんじにムカつくという、
本当に疲れた数日でした。
みえこの姉も、何度となく怒りで震え、泣いていた。
なのに。けんじは、平気な顔してる。
もうね、しばらく顔も見たくないね。
老後の面倒は私も妹も見れないから、自分でなんとかしてよね、とは言ったが。
きっとあてにしてるんだろう。
みえことは大違いだ。
本当に逆なら良かったのに。
みえこが残ったなら良かったのに。
とりあえず。
みえこの四十九日法要までは、会いたくない。
みえこがいなくなったから、実家に頻繁に行く人はいないだろう。
その間に、倒れて死んでいて欲しい、と思う私たち姉妹です。
ひどいと思われて結構だ。
それだけのことをけんじはしてきたのだ。
自分は、息子にそんなふうに思われないように、周りに思われないように、
年を取ったら行動により慎重になろうと思う。