2014/02/14(金)23:48
詩/雪が降る
雪が降る 雪が降る小さな雪の結晶が右に左に斜めに横切り視界を遮る世界をモノクロに変えてしまう この雪は仮設住宅の屋根にも降るホームレスが座っていたアスファルトの上にも降る 雪は遮る解雇された労働者たちの家族を抱え職を失った父親たちの就活でまだ内定のない青年たちの行く手を遮る ふと耳を澄ますと聞こえてくる冷たい雪の中を餌を求め飛び交う鳥のさえずり土の中で頭をもたげる草の芽や雪の枝の固い蕾の息遣い やがて暖かい陽ざしの訪れが冷たい雪を溶かし生き物に手を差し伸べてくれるだろうか 生きとし生けるものたちに (この詩は2012年2月29日の大雪の日に作った詩に少し手を加えたものです)