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テーマ:今日の出来事(305051)
カテゴリ:絵画 パステル画 美術
大昔、挑戦したのですがあえなく挫折。ン十年ぶりに再挑戦しました。 不思議と今回はするする読めました。新訳のおかげかもしれないし、文字組やフォントなどの改正のおかげかもしれませんが、大変読みやすかったです。 新装版の表紙もいいですね。「冷血」の世界を余すことなく表現しています。 物語としては事件の舞台となったカンザス州のホルカム村の説明から、犠牲となった農場主一家の人物像、事件発生から犯人逮捕、犯人の心理、裁判、絞首刑に至るまでを丁寧に描写しています。 膨大な情報量なのですが、説明の章と、小説的な章をリズミカルに組み合わせて、事件の一番の核心「なぜ犯人はこんなことをしたのか」に向かって進んでいく構成力には圧倒的されました。カポーティのリリカルな文体が余計に悲壮感を感じさせます。 多分意図的だと思うのですが、犯人のうちの一人、ペリー・スミスに重点を置いているので、ペリーの登場する章は小説的です。この部分は非常にカポーティらしさが出ていて、思い入れを感じます。 私が特に印象的だったのは、犯行後、もう一人の犯人のディックと一緒に各地を転々としていた時、砂漠の真ん中のハイウェイを二人で歩きながら歌っているシーンです。「グローリー、グローリー、ハレルヤ!」と。 言葉の裏の焦燥感がすごくて、胸が痛みました。 長編だし(約600ページ)、情報量もすごいのですが、決して難解な小説ではありません。 当時のアメリカ社会について知らない読者でもわかるように書かれています。 この小説のテーマでもある「なぜ犯人はこんなことをしたのか」に対する答えのようなものも書かれているし(その理由を理解できるかはともかく)、物語のピリオドとして刑の執行まで書かれているので、読後の達成感はあると思います。 もしご興味があれば読まれることをお勧めします。 楽天ブックス: 冷血 - トルーマン・カポーティ - 9784102095065 : 本 ところでこの小説にはインタビュアー(カポーティ自身)は登場しません。 出てこないなあ・・・・と思っていたら、一番最後のインタビューでちらっと「ジャーナリスト」の存在をほのめかす場面が出てきました。こういうカポーティらしい茶目っ気が、本筋とは関係ない所々で出てきます。 こういうのを見ると、ああ、やっぱり「ティファニーで朝食を」の作者なんだなあと思ってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026.07.11 19:52:02
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