■経費の掛からないお店と自分の価値の作り方
長くお店を運営していく中で「新しい事をドンドンする」これテーマになりやすい。でもその手前にある「古くならない」を出来ていますか?「価値」を作るにはこれが大切なんです。芳香剤。クッサイ場所に強い香水を足しますか?それとも匂いを吸い取りますか?匂いを取って、さわやかな香りをエッセンスとして入れるから良いんじゃないの?古くならない努力の上にエッセンスとして新しい事が引き立つと思いませんか?これでお店の本来の価値の上に繁盛店に繋がる価値が乗る。それも止まってしまったら古くなるんです。繁盛店になって注目を浴びれば古くなるスピードも加速する。プレッシャーですよね…でも「価値」って、アイデアがいる訳でもない。お金がいる訳でもない。私は思ってたんです。捨てるほど経費がある訳ではないし、本当はもっともっとお金をかけて充実した備品も欲しい。でもでも、新品の高い物をどんどん変えるより長い間キレイに使い、古ぼけていくより「味」が出るモノの使い方で価値も生まれる。そんな古いモノをピカピカに磨いて行きたい。ある物を最大限に魅力的に使い価値を出したい。以前の18年やっていた店舗は古い蔵を改装した物件だったんです。だから居抜き(備品とかも前の人のモノが残っていた)の物件で年代モノが沢山あった。それを活かす事もテーマだったんです。今回の店舗もそうだったんです。自分の持ってるモノを最大限に活かす。これは、私自身も常に考えている無駄のない価値の作り方なんです。学生時代も大して勉強はしてない…って、言うか記憶がない程してない。高校生の時は、自分の学力に無理ない学校に行き1年生の時から何でか、美術の先生に芸術方面の進路を薦められ勉強してない…そんな私には今まで経験した事を最大限に無駄なく活かさないともったいない。一部分を活かすだけでは、きっと足りないなぁ…と思うんです。■店舗での「古くならない」ポイント「掃除をする」きっとこれ思い浮かぶでしょ。勿論です。でも、自分(スタッフ)が消耗し過ぎると自分が古くなる。スタッフも疲れる…一日スタッフが働いていくらですか?大掃除をして何人で自分の人件費も含めていくらですか?プロの道具も使うでしょ?もし、そんなたまにしか使わない掃除道具を買ったら?その時間に私が生み出せる売上をプラス。何をしよう?新しいデザートメニューを作ろう!ケーキを作ってみて、その売り方を考えて、POPを作って…(正直、こんな事する方がやる気出るし!!)をそれを考えるとやっぱり業者の方が安かった。その時間は、時には自分の古くならない為のリフレッシュ時間だったりもするんです。調子に乗って我が家では、自宅の大掃除も業者に頼んでしまったんですけどね。そして、庭の草むしりも業者に頼んだんです。おぉ…調子乗りすぎ?(シルバー人材センターに頼んだんですが、ウッカリ忘れてて家の玄関でお婆ちゃん二人が弁当食べてて私はビックリした…)一日草むしりするよりも、その1万円を捻出する策をお店の作戦として考えたんです。結果、一ヶ月3万円上げる目標。一日約1000円です。500円払ってくれる人を2人。たった一日2人ですよ!!誰か歩いてる人を連れて来ても出来るでしょ!!って、思ってたんです。そして、そんな動きは掃除と同じ様に「古くならない」活動となるんです。何もしなければ衰退です。古くなる。現状維持は、頑張って出来るもの。「普通にこのままで食べて行ける程度で良いよ」って言う言葉を聞くと私は言うんです。「止まれないよね。始め私は精一杯頑張ってやっと「普通」が守れる程度だった」そのラインが超えられて始めてプラスだから。最初に書いた芳香剤なら「無臭状態」になる事。それは「価値」を守る事。新品の店舗はキレイ。お金をかければ出来る。3年後、5年後。同じ場所の写真を撮った時、同じに見えるか?全く同じだったとしても、時代の流れがある。古くなってるんです。多少のリニューアルをしないと、変えないと「普通」は決して守れない。って事は、少々リニューアルしてやっと「普通」なんです。でもリニューアル。お金だけの問題じゃない。絶対、解決しない。■変わらない「価値」の保持多分、私はプライド高いんです。勿論、反映される店のプライドも高いんです。プライドとはコダワリがあるんです。お客様のお金を払うモノに対して在る物を最大限で提供する。熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに。これ当然。これはウチでは「熱いものは最大熱いうちに。冷たいものは最大冷たいうちに」その為に直火の器も採用したんです。そして、氷。絶対、形の悪い氷は商品に使わない。ドリンクによっても氷の数も決まっているんです。最初にお出しするお水の氷は3つ。グラスの大きさ、メニューで決まってるんです。どんなに忙しくてもこれは絶対なんです。グラスの口には一滴も水分は付いてない。お水の量もグラス全て同じラインに揃える。こんな事、当然の事。でも、オーナーに厳しく言われたのはココなんです。ココだけなんです。他は、やりたい様に最大限に私を活かす努力をしてくれたと思うんです。忙しいから…とちょっとアイスコーヒーの量(ライン)が違えば「店、潰す気か?忙しいってコレが出来なくなるくらいなら席数減らせば良い。そんな事して店の品格なくなって安っぽい繁盛店になるくらいなら辞めてやる!!」と言うオーナー…確かに簡単な事だけど居酒屋さんのドリンクって価値がないと感じる所も多い…氷も量もバラバラ…私は気になるんです。出来てないのに良い素材を使っているからと高いのも何だか損した気分になるんです。これがウチのコダワリなんです。オーナーは、そんな価値の元繁盛店になるより、お客様のお金の価値を守れと言う。「お客様がお金を払う価値を守れ。詐欺みたいな仕事したらイカン!!」これだけなんです。新しい事をするのには、あんまり興味はないけれど「古くならない様にしなければならない」と言う。だからこそ、始めから3年後の一部改装。メニュー一部リニューアル。客層の入れ替わり。は、オープン前から予定していた事なんです。だからデザインにはあまり口を挟まなかったけど言ってたのは、今後の変化に対応出来るか?そのベースになるか?だけだったんです。こんな事は、お金が余分に掛かる事じゃないんです。氷だって、店舗の計画だって。リニューアルに掛かる資金は、動いて行く中で生み出せば良い。事前の投資じゃないんです。まずは「無臭状態」にしないと良い香りだって最大限に分からない。まずは「無臭」のラインをプライド高く持つ事。これがお店の品格だと思うんです。決してこれは、客単価の問題じゃない。ウチだって、メチャメチャ高いコーヒー出してる訳じゃない。でも、これがなければ店をやる意味すらないんです。■コンサルタントのお仕事もそうでしょう?「最新の道具を買って下さい!!店舗が古いから立て替えましょう」ばっかり言ってたら「あんたが店やれば?」って思うもんっ!!誰かを最大限に活かす事。価値を最大限に表現して伝える事。「あなたじゃなければ!!」「ココじゃなければ!!」って、言う価値。じゃないと、いくら繁盛して(お客様に)認めてもらった実感ってない。楽しくない。充実感も最大じゃないと思うんです。だから今の私は自分を最大限に使って誰かを最大限に活かす事。お店の最大限の価値を活かす事。それを誰かに伝える事をしたいんです。これがコンサルタントのお仕事であると思っているんです。だって、勉強したりデザインの事に詳しくなったり、例えば地方の店舗をやってる時間で得た事を何もない人が、得ようと思ったら時間いるでしょ?掃除の業者さんと一緒で他の事するのにアイテムとして使ってもらえば良いと思ってるんです。だから「先生」って言うのに抵抗あるのかも知れない?私は、決して偉い人になりたい訳じゃないんです。自分の価値を最大にしたい!!お店の価値を最大に表現したい!!って思う人でそこで私が活用出来るなら、どこでも行っちゃう訳なんです。あなたのお店の価値ってどこにありますか?最大限にお客様に伝わってますか?もったいない事してませんか?思い浮かばないのなら、埋もれちゃっていませんか?掘り出してピカピカに磨いてお客様に見せてあげないともったいないですよ!!言わば私はそんな「掃除屋さん」なんです。