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天の王朝

海外でのダイビングあれこれ2

▼与那国海底遺跡(上)

今日は与那国の海底遺跡を紹介しましょう。

沖縄県与那国島南の新川鼻沖に眠る、あの有名な巨石遺構ですね。
大まかな場所と遺跡の地図は琉球大学の木村教授のサイトに詳しいです。

私が潜ったのは2000年3月。風が冷たくて、海も結構荒れていました。
しかし海の上が荒れていても、海に潜ってしまえば、快適な世界が広がっています。

まず最初は、遺跡の西側に位置する「城門」です。

海底遺跡

写真中央にトンネルが見えますね。大きな石が組み合わさってできている、門のようなトンネルです。自然の造形かもしれませんが、石と石が合わさった部分が平らになっている部分もあり、人工物である可能性もあります。このトンネルはちょうどダイバー一人が通れるぐらいの大きさです。海底は石がゴロゴロしています。

では、このトンネルをくぐって向こう側に行ってみましょう。
すると、開けた場所に出ます。

海底遺跡

足元に注目してください。トンネルの手前は石がゴロゴロしていましたが、ここはまったく、ほうきではかれたように綺麗になっています。舗装された道路のようですね。実は「ループ道路」といって、遺跡全体の南側の海底を輪(ループ)のようにめぐっています。「道路」の両脇に側溝があるのがわかりますね。奥の方に「二枚岩」が見えます。

二枚岩に向かって進んでみましょう。

海底遺跡

これが二枚岩です。巨大な立方体の岩が二枚合わさったようになっています。

二枚岩

これは明らかな人工物ですね。形状からもそうですが、ガイドが何か説明しています。ちょうどガイドが浮いている辺りにクサビの跡があると言っているのですね。クサビの跡とは、巨石を割ったり運んだりするためにつける穴が掘られているということです。

おそらくこの岩は、長方形の立方体のように加工された後、切り出されれる途中で作業が中断してしまったのではないでしょうか。この海底遺跡が石切り場であったのではないかとする説の有力な証拠の一つになっていますね。

上方で波が砕けています。かなり浅い場所にあることがわかりますね。

二枚岩を離れて「メインテラス」の方に進んでみましょう。

海底遺跡

メインテラスは二枚岩からみて東側にあります。ループ道路の上を進みます。

あっ、サザナミヤッコが泳いでいますね。思わず写真に撮ってしました。広角レンズで撮っているので遠くに見えますが、かなり近くにいたんですよ。

サザナミヤッコ

メインテラスが見えてきました。

メインテラス

長くなりそうなので、今日はここまで。明日はメインテラスから話を再開します。
(続く)

▼与那国海底遺跡(中)

これがメインテラスです。

メインテラス

広くて平らなテラスのようになっていますね。ちょっとわかりにくかもしれませんが、右側の壁は階段のようになっています。ほとんんど直角に削られたようになっていますね。木村教授らによると、たたいて加工したような人工的な跡があるそうです。石切り場なのかもしれませんが、神殿として使われていた可能性もあります。

次もメインテラスの写真。

メインテラス

右端のガイドが説明しています。右側の壁がうっすらとですが、等間隔に3段の階段になっているのがわかりますね。この階段の上が「アッパーテラス」があるのですが、この日は波が岩に激しくぶつかっているので行けませんでした。

ところでガイドの説明を聞いているダイバーは皆、テラスの部分にしがみついています。どうしてだと思いますか?

流れがきついんですね。この遺跡ポイントは通常、西から東に向けて(写真で言うと、奥から手前の向かって)強い潮の流れがあります。しがみついていないと、ドンドン流されてしまうんですね。

この強い流れのおかげで、コケや藻など余分なものがへばりつかずにすみ、綺麗な形をとどめているんですね。

さて、先を進みましょう。流れに乗って東の方へ向かいます。

これはアジ。おそらくクロヒラアジのツガイでしょう。7条の横じまが特徴です。

クロヒラアジ

広場のように開けた場所に出ました。

海底遺跡

中央の台座のような部分に何かがありますね。

なんでしょう? 近寄ってみます。

亀のレリーフ

「亀のレリーフ」とか「亀のモニュメント」と呼ばれているものですね。尖った三角形の部分が頭に当たるそうです。確かに、断面が自然の造形とは思えないぐらい幾何学的で綺麗ですね。

そういえば、南米ペルー・マチュピチュの「コンドルの神殿」にも、規模は小さいですが、同じような石でできたモニュメント(レリーフ)があります。

亀の頭の部分に近づいてみました。

亀のレリーフ

この亀の頭の先には、次の写真のような「回廊」と呼ばれる深い裂け目があります。

回廊

この回廊の先に「三角プール」や柱を立てた穴のような跡がありますが、アパーテラスと同様、この日は波が激しく岩に砕けているので行けませんでした。

ところで先ほども述べたように、遺跡の南側に当たる部分は潮の流れが速くなっています。再び木村教授の地図を見てください。「メインテラス」と対面にある「南神殿」の間が通路のようになっていますね。つまり潮の通り道になっているわけです。地図では左から右に潮が流れることが多いようです。

亀のレリーフをみているとき、その通路を東から西に向かって、すなわち潮の流れに逆らって何かがやってきました。

通路

何かの魚の群れですね。

ドンドン近づいてきますよ。

台湾カマス

台湾カマスの群れでした。この潮の通路には時々、思わぬ大物が現われることがあるそうです。ジンベイザメが出現したこともあったそうですよ。

私からも近づいて、台湾カマスの群れを撮ってみました。

台湾カマス

おっと、これは失敗。ライトの充電が完了していなかったようです。フラッシュがたけませんでした。これではよくわかりません。でも、水中で見ると、このような感じになってしまうんですよ。赤い色がなくなって、青っぽくなります。

今日はここまで。明日は与那国海底遺跡の最終回です。

▼与那国海底遺跡(下)

今日は海底遺跡の最終回ですね。
私たちは台湾カマスが水路を通り過ぎていくのを見送った後、ループ道路まで沈降しました。水深は15メートルほどです。

下の写真です。

ループ道路

前にも述べましたが、舗装されたようになっていますね。道路の上をサザナミヤッコが泳いでいますよ。二枚岩のそばにいたサザナミヤッコが、私たちの後を付いて来たのかもしれません。

そのままループ道路上を東に進みます。

ガイドが立ち止まって、何か説明を始めました。

文字

どうやら文字のようなものが彫られていると説明しているようです。
ボードには「本の絵」と書かれています。ガイドの足元を見てください。

海底文字

確かに長方形が二つ接した、本を開いたときのような図形になっています。ただのひび割れには見えませんね。だれかが意図的に図形のような線を刻んだように見えます。

実はこの「本の絵」のような図形は、与那国島に古くから伝わる「カイダ文字」と呼ばれる象形文字にもあるんですね。このカイダ文字は、いつごろから伝わっているのかわからないほど古くからある与那国独特の文字です。今では使われていませんが、明治時代中期まで実際に使われていました。

このカイダ文字らしき「文字」は、ほかの海底でも見つかっています。これは大事なポイントですね。どこで見つかったかというと、海底遺跡の西方にある「光の宮殿」というポイントなんです。

そのポイントの海底の岩礁には、明らかに人工的な四足の動物に見える象形文字が彫られています。

これはすごいことです。「本の絵」も「四足の動物の絵」も水深15~20メートルの海底にあるんですね。この海底部分が陸地にあったころは、1万年以上も前であることがわかっています。

これらの文字がカイダ文字なら、ひょっとして今から一万年前の与那国には、巨石の加工技術をもち、なおかつカイダ文字を使用した「世界最古の巨石文明」があったことになるんですね(現在知られている、文字を使用した最古の文明らしい文明は、5千数百年前にイラク南部でシュメール人が築いたメソポタミア文明であるといわれています)。

少なくとも、海底で発見された文字の存在は、海底の巨石遺構の数々が古代人が造った人工物であることの有力な証拠になりますね。ちなみに私が約一年前に琉球大学の木村教授に電話取材したところ、与那国の海底遺跡は人工物であることは間違いない、科学調査でほぼ確定したと述べていました。

さあ、先に進みましょう。潜っていられる時間も残り少なくなってきました。再び木村教授の地図を見てください。ループ道路を離れて、東に少し離れた御神体と書かれた場所へ向かいますよ。

御神体が見えてきました。

御神体

巨大な台座の上に丸っぽい巨石が載っているようです。周りには大きな石がゴロゴロしていますね。

これが御神体、あるいは太陽石と呼ばれる巨石です。

太陽石

五角形の台座の上にちょこんと乗っているのが太陽石です。

太陽石

写真には写っていませんが、太陽石そばの台座の部分には、幾筋もの線が刻まれています。何の線だと思いますか? 

太陽の日の入りや日の出の方角を刻んだのではないかと、みられています。それでおそらく夏至や冬至、春分や秋分の日を知ったのでしょう。つまり巨石カレンダーですね。沖縄地方では地上でもこれと似たような巨石が見つかっています。久米島にある「太陽石(ウティダイシ)」です。

この海底の太陽石も人工物であるとみなすことができそうですね。水深約15メートルの海底にあります。ただし、2年ぐらい前の台風で、太陽石は台座から転がり落ちてしまったそうです。木村教授がそのように話していました。おそらく1万年間も台座の上にあった太陽石が落ちてしまうなんて、何かが起こる前兆でしょうか。どう思われますか?

さて、残念ながらエアーが残り少なくなってきましたから、浮上しないといけませんね。太陽石が次第に遠くなってゆきます。

太陽石

これで与那国海底遺跡ツアーは終わりです。楽しんでいただけましたでしょうか? またのご来訪をお待ち申し上げております。

▼イソギンチャク

クマノミが棲み処としているイソギンチャクは普通、このようなイソギンチャクを思い浮かべますね。

イソギンチャク

横から見ると、このような感じです。隠れているのはハナビラクマノミですね。

イソギンチャク

下の写真は、クマノミの大きさに比べて、イソギンチャクはこじんまりしていますね。1DK、ワンルームマンションといったところでしょうか。

イソギンチャク

次の写真も二匹のクマノミが暮すには、ちょっと手狭になっていますね。でも2DKはありそうです。

イソギンチャク

次は3LDKかな。まずまずのお家ですね。

イソギンチャク

では、このようなイソギンチャクを見たことがありますか?
ピンクのイソギンチャクです。

ピンクのイソギンチャク

私もこのとき、初めて見ました。ほかのダイバーも目を白黒させて驚いていますね。棲んでいるのは、ハナビラクマノミ。ニューデザインのマンションみたいです。

ピンクのイソギンチャク

ピンクの部分は体壁です。触ると滑らかなのがわかります。触手の部分は触らないで下さいね。毒をもっています。

ピンクのイソギンチャク

イソギンチャクは種類が多く、分類もまだよくできていないそうです。だからピンクのイソギンチャクとしか言いようがありません。

パラオのニュードロップオフというポイントでした。

▼にらめっこ

海の中では時々、面白いショットが撮れます。
ウミガメさんと「にらめっこ」ですね。

ウミガメ

なぜ、このようなことになったのでしょうか?
といっても、正解があるわけではありませんが。
明日、私なりの解釈を紹介します。

▼ランギロアの海

フレンチポリネシア・ランギロアのティプタパスやパラオのブルーコーナーは、大物と遭遇することができるポイントとして知られています。どちらも運がよければ、カジキと出会うこともあるそうです(タイガーシャークも出ますけどね)。

2002年12月26日にティプタパスのそばのミエオリエンヌ(風車のある場所の意。昔このポイントのそばに風車があったから名づけられたそうです)を潜ったときも、よかったですよ。

潜行するとすぐに、イルカが三頭現われました。

そのうちの一頭が次の写真です。

イルカ

すぐそばを泳いでいますね。でも速いのでうまくフレーミングができません。

もう一頭が私の右手から、高速で近づいてきました。

イルカ

これは、もうすぐそばを通り過ぎました。ちょっとピンボケなのが残念です。

すると今度は、もう一頭が目の前で水面に向かって急上昇。垂直に回転しながら上っていきました。私たちの目の前で、わざと遊んでいますね。私たちダイバーはもうあっけにとられています。

イルカ

そのまま3頭は沖の方へと去っていきました。

イルカ

中央やや右下に2頭写っているのが見えるでしょうか、全部で3頭写っていますね。

まるで嵐のようでした。その間、わずか1~2分ぐらいでしょうか。パッと現われて、パッといなくなったという感じ。ちょっとしたデモンストレーションでした。

ただ、ダイビングはこれで終わりではありません。始まったばかりですね。そこで珊瑚の棚の上に移動します。棚に向かう途中、同行していたカメラマンがパンを魚にあげたので、小魚がたくさん集まってきました。

カメラマン

さて棚の上には、どんな魚がいるでしょう。

これはフグですね。

フグ

上からの写真なので、種類がよくわかりませんが、ミゾレフグのように見えます。

これはハナゴイの群れでしょうか。きれいですね。

ハナゴイ

おっと、岩に下にウミガメが休んでいました。

ウミガメ

休みを邪魔されて、ちょっとご機嫌斜めですね。「ちぇっ、せっかく休んでいたのに」と、こちらをにらみつけているように見えます。

ウミガメ

遠くへ泳ぎ去っていきます。

ウミガメ

ところが、また会ってしまったんですね。別に追いかけていったわけではありませんよ。たまたま同じ方向に進んでいただけです。だけど、向こうにとっては、迷惑だったようです。

「なんでいつまでも追いかけて来るんだよ!」と怒って、ダイバーをにらみつけています。それが昨日の写真だったんですね。あくまでも私の解釈ですが。

にらめっこ

この後、このウミガメさん、ダイバーに頭突きをします。よっぽど怒っていたんですね。その写真も撮ったのですが、CDーROMに落としていないのでアップできませんので、あしからず。

この後、さらにマンタと見間違うほど大きなトビエイが2枚現われるのですが、私は24枚撮りフィルムを取りきっており、撮影できませんでした。えてして、フィルムがなくなると、いい被写体が現われるものなのです。

今日の写真はすべて、一ダイブ中に撮った写真です。イルカに始まり、トビエイで終わる、盛りだくさんのダイビングでした。

▼中性浮力

manta

「きゃ~、助けて。マンタが出た!」
と、叫んでいるわけではありません。ここで問題となっているのは中性浮力ですね。マンタが頭上にあらわれたときに、このダイバーさんは浮かび上がってしまったんですね。だからマンタにぶつからないようにと、必死に沈降しようとしている図です。何か、助けを求めているように見えますね。

初心者のダイバーさんがよく陥る、中性浮力がよく取れなかった典型例です。中性浮力とは、水の中に入って生じる浮力をうまく調整して、浮かんだり沈んだりしないように中性に保つことをいいます。浮いてしまう場合は、BCD(浮力調整装置)というダイバーが着ているベスト状の装置の中の空気を抜けば問題は解決します。あるいは深く長く息を吐いて肺の中の空気を減らせば、楽に沈むことができたかもしれません。

BCDの中の空気の量は、潜っている深度によって調整しなければいけませんね。深く潜れば、空気を大目に。浅い場合は空気は少な目にするのが基本です。もちろん自分の肺の中の空気の量を調整するのでも構いません。

初心者の方がグループで潜っていて、時々いなくなってしまうことがありますが、大体上の方でジタバタ沈降しようと焦っている場合が多いようです。どうしてそうなるかというと、一つは深場から浅場に上がったときにBCDの空気を抜き忘れた場合。もう一つは、ダイビング中、水平に泳ぐときに顔を上げることが多いですが、速く泳げば泳ぐほど飛行機の羽と同じ原理で上に浮き上がってしまう場合が考えられます。後者の場合、グループに追いつこうと必死に泳げば泳ぐほど浮上して、グループとはぐれてしまうケースも時々あるようです。

写真のダイバーさんは前者の場合であると思われます。

中性浮力が自由自在に取れるようになると、水中で足や手をバタつかせることなく静止することができるようになります。ジタバタしなくて済む分、それだけ空気の消費も少なくなるわけです。

ボラボラのマンタポイントでの1シーンでした。

▼マンタの編隊飛行

マンタやトビエイは”編隊飛行”することで知られています。エサとなるプランクトンが多いポイントでは、何匹ものマンタが乱舞します。モルジブでは、トビエイが16匹ほど、きれいな三角形の編隊で泳いでいるのを見たことがあります。

次の写真には4枚のマンタが写っていますね。

マンタ

次は二枚のマンタが仲良く泳いでいます。

マンタ

マンタ

恋の季節には、メスのマンタを複数のオスのマンタが列をなして追いかける場面に出くわすこともあります。

ところで、マンタのオスには、「クラスパー」と呼ばれるペニスが2つもあるんですよ。
うらやましい?
それは個々人の価値観の問題ですね。
でもなぜ2つもあるのでしょうか? 多分、スペアなんでしょうね。

サメも、同様にペニスが2つあることで知られています。

マンタも魚類ですから、卵から生まれます。
ただし卵胎生といって、母親の胎内で孵化して、哺乳類のように、ある程度発達した幼体で生まれます。受精から誕生まで1年かかるとみられています。

マンタにはまだまだわかっていないことが多くあります。寿命についても25年は生きるのではないかとの説もありますが、確証はありません。マンタは今でも、神秘のベールに包まれた生き物です。


●特集「カリブ海のダイビング」(ケイマン、タークス・アンド・ケイコーズ、カンクン・コスメル、サン・サルバドール)
◎琥珀色の海が広がるカリブ
  ケイマンではアカエイ乱舞
  魚種豊富なT&C諸島
  遺跡が海に映えるユカタン

 コバルトブルー、ターコイズ、エメラルド。どの形容を使っても言い過ぎることのない程、透き通った色の海が水平線まで広がるのが、カリブ海だ。日本からは遠いが、米国からなら手頃なリゾートとして人気も高い。もっとも一口にカリブといっても、古くから欧米のリゾートとして栄えてきたこともあり、開けっぴろげなアメリカ的文化と伝統豊かなヨーロッパ的な側面、それにラテン文化の軽快さが混ざり合い、それぞれ個性豊なリゾート地を形成している。そんな多種多様なカリブはまた、ダイバーのパラダイスでもある。今回、ダイビングの基礎知識や体験談を交えながら、カリブ海でも特に人気のあるダイビング・スポットを紹介する。

<ケイマン諸島>
 マイアミから飛行機で、ほぼ真南に飛んで1時間強。カリブ海の中央部に位置するケイマン諸島は、グランドケイマン、ケイマンブラック、リトルケイマンの3島からなる。正式には英国領西インド諸島に属する。中心となるグランドケイマンでも、人口3万人弱、面積200平方キロメートルという小さな島だ。タックス・ヘイブン(税金回避地)として世界中の民間金融機関が集まってきていることでも知られている。もちろん金融機関だけでなくダイバーも世界中から集まる。グランドケイマンだけでも、100近いポイントがあり、洞窟、沈没船、ドロップオフ(海中にある急勾配の崖)、砂地などバラエティーに富んでいるからだ。

 ▽ポイント
 水深3-7メートルの白い砂地にダイビングボートが停泊するや否や、四方八方から大きな座布団のような黒い影が船に向かって集まってくる。この影の主はスティングレイ(アカエイ、写真)。その数は常時、20匹を悠に超える。ここがグランドケイマン1の有名ポイント、スティングレイ・シティーだ。 珊瑚礁と島に囲まれた大きな入り江のようになったノース・サウンドの北に位置する。首都ジョージタウン北方のウエストベイからなら5キロほどの距離。もともとはこの場所で漁師が余った餌を捨てていたため、スティングレイが集まるようになった、という。今はダイバーが餌付けするため、集まってくるスティングレイの数は増える一方だ。
 餌付けの方法は至って簡単。ガイドが最初に教えてくれるが、イカや魚の切り身を、広げた手のひらに乗せ、スティングレイが食べやすいようになるべく低い位置に差し出すだけ。後は向こうの方からやって来て、それこそ吸引力の強い掃除機のように餌を吸い取っていく。スティングレイは、上側(背中側)はざらざらしているが、下側(腹側)ば絹のように滑らかだ。また、このポイントの近くにはイエロー・モレイ(黄色いウツボ、写真)が住み着いており、こちらも餌を求めて近づいて来ることがある。
 島の西側にあるオルベルデという沈没船(写真)のポイントも人気。ハッチやドアが取り外されているため、気軽に船の中に入っていける。船の周囲にはバラクーダやグルーパー(マハタ族の魚)が回遊している。また、目を凝らすと、海底にはガーデンイールが穴から首をもたげているのが見えるはずだ。
 グランドケイマンだけでなく、リトルケイマンやブラックケイマンもお薦めだ。特にリトルケイマンは透明度も高く、夏場はイルカの群やマンタ(イトマキエイ)などの大物にも出会えるという。
 さて、グランドケイマンには陸地にも見逃せないポイントがある。ケイマンのシンボルマークにもなっているグリーン・タートル(緑ウミガメ)の世界唯一の飼育場、タートル・ファーム(写真)だ。島の北西端にある。乱獲がたたって一時はめっきり減った緑ウミガメも政府自ら保護に乗り出したため、順調に生息。この養殖場にも1万匹以上の子ガメが飼育されている。そのほか、トム・クルーズが主演した映画「ザ・ファーム」の中に出てくる「ABANKS'」というダイブ・ショップのロケ地も首都ジョージタウンから車で30分ほど東に行ったところに残っている。

<タークス&ケイコーズ諸島>
 ケイマン諸島と同様、英国領西インド諸島に属するタークス&ケイコーズは、バハマの南東に位置する。マイアミからだと距離にして約1000キロ。6つの無人の小島と2つの有人島からなるタークス諸島と、グランド・ケイコーズ島(面積24.3平方キロメートル)という一番大きな島など6つの大きな島を持つケイコーズ諸島からなる。全体で1万人を少し超えるぐらいの人口しかない。年間を通しての平均的な気温は何と29.4度。雨も年に700ミリ程度しか降らないという。1980年ごろまでは塩の製造を主産業にしていたが、今は観光と漁業に特化している。ダイビングでは魚種の多さに目を見張る。

▽ポイント
 リーフ・シャーク、ナース・シャークというったサメ類から、イルカ、ウミガメ、ロブスター、イカ、バラクーダまでバラエティーに富んだ魚種に出会えるのが、タークス&ケイコーズのダイビングの特色だ。特にお薦めは、プロビデンシャル島西側のピナクル(とがった峰)というポイント。色とりどりのサンゴでできた壁の周りにグルーパーや、サザナミヤッコなどのカラフルな魚がたわむれる。海底での約40分のダイビングを満喫し、船から水深5メートルの地点に下ろされた安全停止用のバーのところで船に上がる順番を待っていると、丸々太った体長1メートル近くあるバラクーダがやって来て、我々のすぐ目の前を悠々と泳ぎ回っていた。60-70センチ程度のバラクーダはよく見かけるが、こんな大きなバラクーダは初めてだった。これも餌となる魚が豊富なせいかもしれない。
 水深3-5メートルぐらいの浅い魚礁も多く、格好のスノーケリング・ポイントがあちこちにあるのも特徴。無数の稚魚の群やイカの子供の群、それにまだ生まれて間もないナース・シャークにもよく遭遇する。つまり浅場は格好の魚たちの養育場になっているのだ。午前中、2本ダイビングをして、午後はスノーケリングでプカプカ海面に浮かびながら、のんびり魚とたわむれるダイバーも多い。
 地元で「ジョジョ」と呼ばれる、人なつっこいイルカに会うこともできる。スノーケリングから帰る途中のボートの後をピタリと追跡、船着き場の海岸までついて来たこともあった。イルカはそのまま、3時間ほど浜辺から10-20メートルぐらいのところを気ままに泳いでいた。やがて日が沈むと、沖の方に戻ったのか、姿が見えなくなった。

<カンクン、コスメル>
 メキシコ・ユカタン半島の先端、カリブ海に面した大規模リゾートがカンクンだ。海に突き出たような砂州が延々、20キロ以上続き、そこに大型ホテルが林立する。昔は閑散とした漁村だったのが、1970年から国を挙げてのリゾート開発が始まると、みるみるうちに高級ホテルが立ち並ぶ巨大リゾートに変身。今ではアカプルコを凌ぐ世界的リゾート・ビーチとしてメキシコに君臨している。リゾート内にもマヤの遺跡が点在し、ダイビングのポイントも多い
 マヤ語で「ツバメの住むところ」という意味のコスメルは、カンクンの南東、約60キロ離れたところに位置する、ユカタン半島から20キロ沖合の島だ。カンクンからバスで40-50分かけプラヤ・デル・カルメンに行き、そこからフェリーでさらに約1時間。人口約3万人、東西15キロ、南北40キロ程の小さい島だが、毎年、世界中からダイバーが訪れるため50以上のダイビング・ショップがひしめいている。海中の透明度が抜群な上、きめ細かい砂地があるかと思うと、サンゴ礁でできたトンネルが広がるなど地形が迷路のように複雑でダイバーを決して飽きさせない。

▽ポイント
 カンクンのダイビングは、水深が浅く、流れもそう強くないところが多いため、初心者でも安心して潜れるのが特徴だ。スティングレイやバラクーダによく遭遇する。ムへーレス島とカンクンの間にあるラ・バンデーラというリーフが有名なポイントで、砂地にソフト・コーラルが密集している。
 しかし、せっかくメキシコまで来たのなら、何といってもコスメルでのダイビングをお薦めする。その魅力は、透明度が普段でも30メートルは楽にあることだ。コンディション次第では50メートル以上も見渡せる。ダイビング・スタイルは、流れが強いのと環境保護の観点から、ドリフト・ダイブがほとんど。流れに乗って、海底を探索すれば、その美しさの虜になるのも時間の問題だ。
 最も人気があるのは、パランカ・リーフという5キロに渡る長いリーフで、トンネルや洞窟がいたるところにある。赤や黄色のスポンジやサンゴの密生した巨岩を通り過ぎると、底が見えないドロップ・オフ(急な崖)が出現。浅瀬の方に戻ると、白い砂地が広がるなど、次から次へと地形が変わる。グルーパーやギンガメアジの群にもお目に掛かれる。カンクンから日帰りもできるが、目的をダイビングに絞るなら、コスメルに長期間滞在して、思う存分ダイビングを楽しみたい。
 また、カンクンから日帰りの距離に、ピラミッドで有名なチェチェンイツァーや、海のそばにあるトゥルムというマヤ文明の遺跡があり、ダイビングを一日休んで、悠久の時の流れに思いを馳せるのもいいのではないか。

<サン・サルバドール>
 1492年10月12日の夜明け前、クリストファー・コロンブスを乗せたサンタ・マリア号の乗組員が陸地を見つけた。既にスペインを出港して2ヶ月以上経ち、船内にはコロンブスに対する不満がくすぶっていたときだ。この陸地の発見が、乗組員の志気を一気に高めただけでなく、歴史上の大きな転換点になったのは、言うまでもない。そして、その島こそが、サン・サルバドールだ。
 フロリダから南東に600キロほど離れたこの島の人口はわずか500人足らず(1990年現在)。面積も155平方キロメートルしかない。それでも、地中海クラブがこの島にリゾートをつくってからは、欧米から観光客が集まるようになった。同クラブは空港のすぐ目の前にあり、ダイビングの基地にもなっている。

▽ポイント
 テレフォン・ポール(電信柱)、アンフィシアター(円形競技場)、ペドロの神殿などのポイントがお薦め。いずれもボートのすぐ側にドロップオフ(海の中の深くて急な崖)があるため、よくハマーヘッド(シュモクザメ)やウミガメ(写真)に遭遇する。テレフォン・ポールでは、よくなついた1メートル級のグルーパー(写真)がダイバーにしつこく付きまとい、絶好のシャッターチャンスを提供してくれる。ペドロの神殿では、ハマーヘッドなど大物が見られるほか、海綿の中や岩の間をよく見ると、ロブスター(写真)やカニが隠れていたりする。そのペドロの神殿から船で帰る途中、船長が遠くにイルカ4匹を見つけ、すぐにエンジンを止めたことがあった。すると、イルカ(写真)も我々のボートに興味を示し、船に向かって泳いで来た。4匹は我々を調べるかのように、船から2メートルのところをゆっくりと泳いでいたが、やがて反転して去っていった。
 島にはコロンブスの上陸を記念するモニュメントが島の東と西にそれぞれあるが、どちらが本当に最初に上陸した地点なのかはだれも知らない。また、最初に上陸したのは、この島ではなく、サマナという別の小島ではないかとの説もある。いずれも決め手はなく、かつてはワトリング島と名付けられていたこの島は、コロンブスの新大陸発見を記念して1926年にサン・サルバドールと名付けられた。なお、地中海クラブはコロンブス島と呼んでいる。

<ダイビング基礎知識>
▽サメはどんなとき人を襲うか
 サメが怖くてダイビングをやらないという人もよく聞くが、むしろサメの人に対する襲撃に関しては、ダイビングの最中より、海面でサーフボードに腹這いになり手や足を使って漕いでいるときの方が危険度は高い、といわれている。これは海中から海面を見ると、サーファーが漕いでいる姿がちょうど、サメの好物のアシカやアザラシに見えてしまうからだ。別にサメに悪気があるわけではない。それにサメといっても、人を襲わないナース・シャークといったおとなしいのから、映画「ジョーズ」で一躍悪名をとどろかせたグレート・ホワイト・シャーク(ホオジロザメ)といった人食いザメまで千差万別だ。仮に人食いザメに分類される、頭の部分がハンマーのような形をしたハマーヘッド・シャーク(シュモクザメ)などに遭遇したとしても、人間の方から威嚇したり、挑発したりさえしなければまず、襲ってくることはない。
 タークス・アンド・カイコウズで潜っているとき、30メートルぐらい先に、リーフ・シャーク4匹が泳いでいるのが見えた。サメは普通、人間にさして興味をしめさないからそのまま泳ぎ過ぎていくのだが、この4匹の鮫は何を思ったか、我々を目ざとく見つけると、わざわざこちらの方に近づいて来た。サメは3メートルぐらいまで近づくと、おそらく我々が餌でないことに気付いた(?)のか、興味を失い、また深い方へと泳ぎ去っていった。4匹ものサメに興味を持たれるのはあまり気持ちのいいものではなかった、のは確かだ。
 コロンブス島では、ハンマーヘッドに遭遇した。このサメはよく数十匹で群をなすことで知られている。私が見たときは、2匹で行動していた。驚いたのは、獲物を見つけたときに泳ぐその速さだ。頭を左右に振りながら全速力で泳ぐその光景は、ちょっとヒューモラスだが、自分の方に向かってきたらどうしようなどと一瞬、考えてしまった。カナダ出身の女性インストラクターが話してくれた体験談では、いつものようにハマーヘッドが全速力で獲物を追っていった後、たまたまダイバーの存在に気付くと、今度は全速力でダイバーの方に泳いできた。そのインストラクターは、すぐに、近くにあった岩の壁にぴたりと身を寄せ、相手が食べづらいような姿勢を取った。その鮫はもう目の前まで来ている。ちょうどそのとき、彼女のダイバーウオッチの時間を知らせる音がすると、サメの方が驚いて逃げていったのだ、という。
 グレート・ホワイト・シャークに遭遇したという米国人のコンピュータ技師にも話を聞いた。3,4人のグループでカリフォルニア沖で潜っているとき、“ジョーズ”が現れた。“ジョーズ”はダイバーに気付いたが「食ってもまずそうだと分かると、そのまま泳ぎ去った」と話す。この遭遇に対する私とその米国人の妻の解釈は、本人のとは異なる。まずそうだから去ったのではなく「たまたまお腹が一杯で食欲がなかっただけではないか」というのが我々の解釈だ。もちろん一般ダイバーのグレート・ホワイトとの遭遇率はコンマ以下とみていい。だからこそ遭遇した人の話は貴重なのだ。グレート・ホワイトだけでなく、正面から見た頭の形が三角形のタイガー・シャークにも、あまり海中で会いたくない、というのが、一般のダイバーの本音ではないか。
 自分の鼻先にサメが現れるのは、たとえそれが、人を襲わないナース・シャークであっても、一瞬だがどきっとするものだ。タークス・アンド・カイコウズの水深3メートルほどの浅いポイントでスノーケリングをしているとき、いきなり足下に全長2メートルを超すナース・シャークが現れたときも驚いた。幸い、見た瞬間、頭のなだらかな丸さからすぐにナース・シャークと分かったので、パニックには至らなかった。海の中での自分よりも大きな生物との遭遇は、常にエキサイティングであることには違いない。

▽必要な水中航行術
 ダイビング中に時々起こるのが、自分が今どの辺にいるのか、方向が分からなくなることだ。アドバンスのダイバー資格を持っていれば、コンパスを使ったナビゲーション(海中航行術)は必須科目なので、コンパスさえ持っていれば、迷わずにすむはずだ。でも、普通のオープン・ウォーター・ダイバーの資格の人は、おそらくガイド頼みなのではないだろうか。もちろんガイド付きのダイビングも楽でいい。しかし、必ずしもガイドがいるとは限らないのが、海外でのダイビングだ。船上で、地形やポイントの簡単な説明があるだけで、後は、にわかバディーと二人で潜ることもしばしばだ。だけど心配ご無用。コンパスを使わなくても迷わない方法はたくさんある。
 ナチュラル・ナビゲーションと呼ばれる方法で、海底の特徴のある地形、砂地の模様、太陽の角度、潮流の方向など自然を利用して位置を確認する。簡単な例を挙げると、まずボートダイブの場合、ダイビングする前に、陸地がどちらの方向か確認することだ。陸地を背にして沖の方に向かえば海底は深くなるという単純な法則を利用しない手はない。潜行したら船の真下の水深を覚えておく。仮に10メートルとしよう。そこから沖の方へ向かうと大抵のポイントの場合、海底の崖に出る。そこからは急激に深くなる。深さをたとえば30メートルに保ったまま、右なり左なり(通常は潮の流れに抗する方向に)、崖の壁に沿ってしばらく進む。タンクの残圧や潜行時間に注意しながら、頃合いをみて、陸の方向、すなわち浅い方向に戻る。水深10メートルぐらいのところまで戻ったら、今度は反対の方向、すなわち船がある方向に戻っていけばいいだけだ。つまり大きな長方形を描くことになる。このほか、自分の向かう方向が太陽に対してどういう角度にあるかチェックしたり、潮の流れに対する角度を一定にしたりする方法も有効だ。
 それでも、どうしても船の位置が分からなくなることはある。その場合はゆっくりと海面に浮上するしかない。時間やエアーにゆとりがあれば、一度浮上し船の方向を確認してから、再び潜行、船を目指すこともできる。もちろん海面を泳いで戻ってもいい。こうしたナビゲーションが面倒くさくて、どうしてもガイド付きでないと嫌だという人は、ダイビングに申し込む前にガイドがつくかどうか、必ず確認するべきだろう。
 ところが、そのガイドでも迷うことがあるのだ。あるインストラクターの告白によると、夜間ダイビングをしたとき、ついダイビングに夢中になって、位置が分からなくなってしまった。4,5人を連れていたが、もちろんガイドを頼りにしているので、だれもボートの位置など分かろうはずもない。「どうしよう」と途方にくれているちょうどそのとき、たまたま遠くの水面の方で他のグループの懐中電灯の光が目に入った。「ああ、あそこだ」と、その方向に向かって一目散。ようやくボートにたどりついたときには、緊張から解放されたため、へなへなになってしまった、という。教訓は、ガイドに頼り切らないことか。
 対照的に、ナビゲーションがほとんど役に立たないのが、ドリフト・ダイビングだ。潮流が強くて流れに逆らって泳げないポイントで、流れに乗ってしまうやり方。体力を消耗せず、普段より広い水域を移動できるという利点もある。海流が一年中あるメキシコのコズメルやパラオではごく一般に使われている。水面フロート(浮き)を使う場合と使わない場合があるが、いずれにしてもボートに残った人がフロートなり、ダイバーの出す泡なりを追跡する必要がある。以前、パラオでボートのモーターが故障したためダイバーを追跡できなくなり、遭難した日本人ダイバーの事故を覚えている方も多いことと思う。確かにそうした危険は伴うが、しっかりしたダイブショップならまず、そうした事故は起こらないはずだ。
 
▽ダイビングを始めるには
たいていのリゾート地にはダイブショップがあり、Cカード(証明書)取得のための講座を開いている。学科二日、実技二日が一般的で、4日もあればCカードが取得できる。値段は国やダイブショップによってまちまちで、三万~七万円ぐらいと開きがあるようだ。認定団体にはPADIとNAUIがあり、NAUIのほうが厳しいとの評判。簡単だといわれるPADIでも、200メートル泳げないとCカードが取得できないショップもある。事前に詳細をショップにたずねたほうが無難だ。

夕日


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