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魔法学園モノ『7番目の少年』 (2005.10)
この本が出たのは、ハリポタ・ブーム初期の頃でしたが、あとがきによるとハリポタ未読の作だそうです。って、もちろん主人公のアーサー・ロビンくんはすでに78年(たぶん)には、星香作品に登場しているので、星香ファンにはすっかりおなじみさんなのでした。
のちに光の塔の7代目の長となる天才少年魔法使いアーサーは、そういえば少しだけハリー・ポッターに似ています。生まれながらに魔法の才にずばぬけて恵まれてるんだけど、性格がとてもナチュラルで、謙虚というよりホントに自分に自信があまりないところ。
とにかく二人ともとってもピュアなので、いわゆる「よい子」だけど読者に対して嫌味がない。“愛される主人公”ですね。
6代目の長の孫であるアーサーは、素質を見いだされて田舎から光の塔に入ったが、「基礎を学び直すように」と“学び舎”へ転入します。基本のき、の呪文の書きとりの宿題を山のように出され、夜遅くまで一生懸命がんばるかと思えば、鮮やかな手並みで魔法を駆使して学友を驚かせます。
魔物が学友に取りつく事件などは、ハリー・ポッターにもありましたが、私を安心させてくれるのは、星香ワールドでは、光の塔の白魔法使いは絶対にアーサーをいじめたり裏切ったりしないところです。学び舎の先生も、個性豊かではありますが、最終的には善玉、なのです。
善玉はどこまでも善玉なんてキレイゴト、かもしれません。でも、ファンタジーにはそういうピュアな面がどこかにあるはずだと思います。
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