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テーマ:お勧めの本(7669)
カテゴリ:ちょっとなつかしのファンタジー
![]() 長野まゆみは、季節感だけでなく、食べ物・飲み物のステキなこと、読んでいてお腹がすいてくること請け合いです。なじみがありそうでない、ちょっと凝ったスナックやドリンク。この『夜のプロキオン』では、ドーナツがほんとにおいしそうです。 こんな名前のドーナツがあったら、ぜひ食べたい、 〈スタアクラスタア〉…蜂蜜フレエクをまぶした房型のドーナツで、スヰトピイのかおりがする。 〈サタァンリング〉…レモンクリイムでくるんだ穴あきのドーナツ。 ――『夜のプロキオン』 Star Clusterの「クラスタア」はぶどうなどの房という意味と、星団の意味があります。このドーナツは「星の房」または「星団」なのです。 そしてSaturn Ringとはもちろん「土星の輪」。 クリスマス・イヴの夕方、これから冬休みの旅行に出かけるアビ少年が食べたドーナツからは、小さな天使の人形が出てきます。「当たり」のしるしで、景品は好きなドーナツを半ダース。 ところが、彼は本当の天使も引き当ててしまったという物語で、迷子の男の子(実は天使)にまといつかれたアビと、相棒の宵里(しょうり)は、特急プロキオンに乗り損ねてしまいます。 雪の降る聖夜の真夜中、迷子の天使は時計塔の天辺から、迎えにきたパパの橇の待つ夜空へと帰っていくのですが、そのクリスマスならではの清らかさ(本文のところどころにキャロルが挿入されています)と魔法の雰囲気が、「土星の輪」ドーナツなんかと、妙にマッチして、独特のレトロでハイカラな物語ができあがっています。 アビと宵里の物語の舞台となる町は、時計塔のある港町で、鳩山郁子という人の外国絵本風な挿絵を眺めていたら、急に、宮崎アニメの「魔女の宅急便」を思い出しました。あの舞台となる港町が、何となく、似ているんですね。 洋風だけど日本人好みの風景、なのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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