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カテゴリ:かるいノリで古典を
「第5編」つづき
自分との闘いで重傷のウィリアムの身代わりになって、イングランドのマスグレイヴを倒したクランスタウン卿。 奥方は還ってきた息子を抱きしめますが、初め、控えているクランスタウンを無視します。しかし周囲に集まっていた氏族の者たちや、敵方の武将までがそろって奥方に、これまでの反目を捨てるようにと進言します。 奥方は川を見やり、丘を見やって 精霊たちの予言を思った。 それから、いかめしい沈黙をやぶった―― 「そなたではなく、運命が、わらわに打ち勝ちました。 心優しくも星々がその感応力をば テヴィオットの流れとブランクサムの塔に注いだのであろう 誇りは鎮められ、愛は自由になりました」 奥方はうるわしのマーガレットの手を取った。 マーガレットは息もできぬほどふるえて、立っていられないほどだった。 その彼女の手を、奥方はクランスタウンの若殿に与えた。 … 「この愛の結びつきは我らが盟約となろう。 なぜなら、今日がそなたたちの婚約の日です。 そして、ここなる尊い殿方はみなみなおとどまりになって お供の方々とともに、この日に花をそえてください」 ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第5編より第407~416、419~422行(訳はHanna) 一方、デロレインのウィリアムも事の成り行きを知ると、古い争いをむしかえさず、敵を恨まず、からりとした態度でクランスタウンに挨拶し、さらに、死んで横たわるマスグレイヴにも言葉をかけました: 「リチャード・マスグレイヴよ、今おまえはここに横たわる 思えばわが宿怨の敵よ。 … おまえが今、拙者のごとく生きていたなら 片方か、両者ともどもが死ぬるまで 何ぴとも我らの闘いを分かつことはなかったろうに。 しかし今は神がおまえに安らぎを与えんことを! なぜなら おまえのように気高い敵は、二度と見つけられぬだろうから」 ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第5編より第475~476、484~488行(訳はHanna) 第6編 こうして、国境地帯にはつかの間の平和が戻ります。例の危険な魔法書は墓所へ返却され、ブランクサム城の姫君マーガレットと、ヘンリー・クランスタウンとの結婚式が盛大に行われます。 (つづく)後日談があと少しあります・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 26, 2006 11:15:17 PM
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