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HANNAのファンタジー気分

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October 26, 2006
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テーマ:お勧めの本(7171)
「第5編」つづき

 自分との闘いで重傷のウィリアムの身代わりになって、イングランドのマスグレイヴを倒したクランスタウン卿。
 奥方は還ってきた息子を抱きしめますが、初め、控えているクランスタウンを無視します。しかし周囲に集まっていた氏族の者たちや、敵方の武将までがそろって奥方に、これまでの反目を捨てるようにと進言します。

婚約.jpg  奥方は川を見やり、丘を見やって
  精霊たちの予言を思った。
  それから、いかめしい沈黙をやぶった――
 「そなたではなく、運命が、わらわに打ち勝ちました。
  心優しくも星々がその感応力をば
  テヴィオットの流れとブランクサムの塔に注いだのであろう
  誇りは鎮められ、愛は自由になりました」
  奥方はうるわしのマーガレットの手を取った。
  マーガレットは息もできぬほどふるえて、立っていられないほどだった。
  その彼女の手を、奥方はクランスタウンの若殿に与えた。
  …
 「この愛の結びつきは我らが盟約となろう。
  なぜなら、今日がそなたたちの婚約の日です。
  そして、ここなる尊い殿方はみなみなおとどまりになって
  お供の方々とともに、この日に花をそえてください」
   ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第5編より第407~416、419~422行(訳はHanna)

 一方、デロレインのウィリアムも事の成り行きを知ると、古い争いをむしかえさず、敵を恨まず、からりとした態度でクランスタウンに挨拶し、さらに、死んで横たわるマスグレイヴにも言葉をかけました:

 「リチャード・マスグレイヴよ、今おまえはここに横たわる
  思えばわが宿怨の敵よ。
  …
  おまえが今、拙者のごとく生きていたなら
  片方か、両者ともどもが死ぬるまで
  何ぴとも我らの闘いを分かつことはなかったろうに。
  しかし今は神がおまえに安らぎを与えんことを! なぜなら
  おまえのように気高い敵は、二度と見つけられぬだろうから」
   ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第5編より第475~476、484~488行(訳はHanna)

第6編

 こうして、国境地帯にはつかの間の平和が戻ります。例の危険な魔法書は墓所へ返却され、ブランクサム城の姫君マーガレットと、ヘンリー・クランスタウンとの結婚式が盛大に行われます。


(つづく)後日談があと少しあります・・・





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Last updated  October 26, 2006 11:15:17 PM
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