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HANNAのファンタジー気分

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気になる絵本

November 22, 2017
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カテゴリ:気になる絵本
 つい先日、復刊ドットコムから届きました。赤羽末吉の奔放な絵が魅力的な『ひょうたんめん』です。種子島の民話を神沢利子が書いたもの。以前、学校で読み聞かせをして以来、娘がすっかりファンになった妖怪。
 長らく絶版でしたが、このほど復刻されると知り、予約注文していました。

 右はインパクトのある表紙絵。商人からうばった塩を食べているところです。つると葉っぱもついていて、なるほどヒョウタンなんですが、ばかでかいし、伸縮自在の手足もついているらしい。塩ばかりか馬も食うなど、すごいパワーです。
 「ジャックとマメの木」みたいに、どんどんつるが伸びてたくさん実るヒョウタンの生命力が、妖怪へと変幻するもとになっているのでしょうね。

 そんなヒョウタンは、アジア各地の神話によく出てくる植物だそうです。食べられないのに有名なのは、昔からいろんな器や仮面など、道具に加工されるから。で、ヒョウタンから世界が生まれたとか、大洪水のときヒョウタンに隠れた兄妹だけが助かったとか、ヒョウタンの中は仙人の異界だとか、興味深い話がいっぱい。
 そういえば、孫悟空(西遊記)の戦う金角・銀角の魔法アイテムにも、相手を吸いこんでしまうヒョウタンがありましたっけ。
 太閤さんの旗印にもなっているヒョウタン。霊的パワーにあふれているようです。






Last updated  November 23, 2017 12:00:29 AM
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May 17, 2016
カテゴリ:気になる絵本
 『コルと白ぶた』は、ロイド・アリグザンダー「プリデイン物語」シリーズの番外編の一つで、近ごろ復刊されました。レトロモダンな感じのエバリン・ネスの絵や神宮輝夫の訳も、なつかしいです。

 プリデイン物語は、魔法の白ぶたヘン・ウェンが「死の王」におびえて農場から逃げ出すところから、1巻『タランと角の王』が始まりますが、このぶたは以前にも死の王につかまったことがあると語られていました。『コルと白ぶた』はその時の話で、『タランと角の王』のいわば前史にあたります。

 といっても、もちろんこの絵本だけで完結したストーリーになっています。主人公コルがつねに家と畑の作物の心配をしながら、白ぶた奪回の冒険を続けていくところが、ふつうの英雄冒険物語とはちがっておもしろく、親近感がわきます。

 これはトールキンの『ホビットの冒険』のビルボ・バギンズが、つねに我が家と食事のことを思いながら冒険を続けるのと似て、一種の型破り--前回のP.S.ビーグル論に沿えばアンチ・ヒーローですね。常人離れしたヒーローなら畑のカブの出来ぐあいや我が家のお茶などに思いをいたしたりせず、危険と冒険に向かってまっしぐらに進むべきところ。
 コルやビルボはふつうの人=我々と同じように、平穏な日常を愛する人間なのです。
 それが、読者と主人公を結びつけ、物語に健全な「常識」をもたらします。

 コルは若いときは戦士だったと説明されていますが、この物語では(カバーの返しに「いさましいおはなし」と書かれているにもかかわらず)、彼は一度も戦いません。旅の途中で難儀しているフクロウ、シカ、モグラを助けますが、驚くようなことをするのではなく、誰もができるちょっとした「人助け」です。
 困っている者を見ぬふりして通り過ぎず、ちょっと一手間かけて助けるという、常識。これは、一般人に近いアンチ・ヒーローだからこそ自然に発揮できることかもしれません。

 もちろん、コルは死の王に挑もうという勇気は常人以上にあります。それは戦士時代につちかわれた精神力なのでしょう。その強さと、戦士を引退してから野菜づくりをして得た、守り育てることの難しさ・大切さとが合わさったとき、彼の人格は完成度がアップしたのでしょう。

 そんな彼の冒険ですから、読者は安心して読み進められます。絵本なので、読者年齢が低いことも考慮されているのかもしれませんが、「プリデイン物語」の主人公タランの、未完成で若々しい不安定さがかもしだす焦燥感・危機感・危険に満ちた世界とは、かなり違うおもむきの物語。プリデイン物語のハラハラドキドキを期待すると、ちょっとあてが外れるかもしれません。

 ともあれ、コルが無事白ぶたヘン・ウェンを連れ帰ると、心配していた畑の作物はよく手入れされ、家もきちんと維持されていました。大預言者ダルベンが来て、彼の留守を守ってくれたばかりか、今後いっしょに暮らして彼を助けてくれることになったのです。

 ここに、冒険以上の「収穫」があります。『ホビットの冒険』ではビルボは結局危険でつらい目にさんざん遭ったせいか、あるいは魔法の指輪を得て使ったせいか、帰ってきた故郷では死んだ者とされ、家は売り立てに出されているという、危機的状況が待っていました。もちろん、すぐに元通りになるのですが。
 冒険で何を得るかは主人公の精神的成長にかかっていますし、逆に、冒険での精神的ダメージによって、結末の主人公と故郷(ホーム)もダメージを受けることがあります。してみると、コルの冒険は大成功といえるでしょう。野菜の心配ばかりしていましたが、そんなコルだからこそ、今までにないすばらしいカブの収穫と、ダルベンという良き家族を得たのですから。






Last updated  May 18, 2016 12:31:07 AM
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May 8, 2015
カテゴリ:気になる絵本
 伊丹で開催されている「誕生50周年記念・ぐりとぐら展」を観てきました。

 中川李枝子さんの作品では、私は『いやいやえん』が幼い頃から持っていて好きですが、もちろん有名な『ぐりとぐら』も、小学校で読み聞かせをしたりしてお馴染みです。この展覧会では、私の生まれるより前の、貴重な初版本を見ることができました。

 『バムとケロ』シリーズの原画展でも思ったのですが、原画は決して大きくないです。絵本の原寸大に近い。そこに、タンポポの葉っぱのぎざぎざや、家の中のあれこれが細かく書きこんであります。絵本ですから子供の目線。子供の目って、すみっこに落ちているゴミとか、そういう細かい物がよく見えるのでしょうね。
 でも、余白もいっぱいあるのです。バムケロのような鮮やかな背景ではなくて、かなりの部分が白い。そのバランスが、なつかしい感じ。そして、卵とか毛糸玉、かぼちゃ、うみぼうずさんなどの巨大さが映えます。
 展示場には卵や毛糸玉の大きな模型もつくってありましたが、見に来た子供はもちろん、大人もいつもと違うサイズの視点を体験するのに、良いですね。

 私は『ぐりとぐらのおおそうじ』など最近の作品は知らなくて、展覧会で初めて見て読んだ(絵本を読めるコーナーもある)のですが、およそどの作品にも、仲間とごちそう、これがおきまりですね。子供にとって、とくに昭和の時代の子供にとって、みんなで輪になって(テーブルやちゃぶ台を囲んで)ごちそうを食べることは、定番のたいせつな大団円なのでしょう。
 一緒にいた私の母は、『おおそうじ』に出てくる、小さな弟(か、妹)の手を引いたうさぎの姿が気に入ったと言ってポストカードを探しましたが、残念ながらその場面は葉書になっていませんでした。遊ぶときもちいさい兄弟の面倒を見ている子供、これも昭和の古い世代の子供の姿ですね。母は4人兄弟の末っ子ですから、手を引かれた小さな子うさぎの姿を気に留めたのかもしれません。
ぐりとぐらのかいすいよく
 そうした小さい子も参加してのおやつタイム。みんなおいしいものを食べて、仲良し、仲良し、まんぞく、まんぞく。この充足感が子供にはとっても大事ですね。

 ところで、私はやっぱりファンタジー&海洋冒険ロマンが好きなものですから、『ぐりとぐらのかいすいよく』で、手紙の入っていたあきびん(古いイタリアの葡萄酒の入っていた藁に包まれたびんです)のコルク栓を、ぐらが巻き貝でツンツンしている絵柄のポストカードを買いました。






Last updated  May 12, 2015 12:11:10 AM
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May 23, 2014
カテゴリ:気になる絵本
 幼稚園に入ると、毎月、絵本雑誌をもらいました。最近では物語だけでなく、工作だとか歌だとかいろいろ短い記事がもりだくさん載っている雑誌が多いですが、昭和40年代当時は、薄っぺらで物語がひとつだけでした。
 私のときは初年が「キンダーブック」、次の年は「銀のすず」でしたが、初めてもらった「キンダーブック4月号もこもこくんのおともだち」がとてもお気に入りでした。
(書名リンク先の画像は古書店のりへい書房さんです)

 初めてもらったということもありますが、ほかに、この短いお話が私ごのみの動物ものだったこと、そして、典型的なファンタジーだったことも大好きな理由です。

  もこもこくんは/げんきな こひつじ。/ぴょぴょんと とんだ・・・(中略)ほかの ひつじは/しらんかおで/くさを たべています。           --稗田宰少子・文「もこもこくんのおともだち」

 群から離れて雲を見ていたもこもこくんは、不思議な白い子羊に出会って友達になります。ファンタジーは、日常そばにいる大人や身内から離れて一人になったとき、始まるのです。
 この子羊は名を名乗らず、あまり口をききませんが、そんなことは気にせず友達になってしまうのが、幼年時代のよいところ。もこもこくんは相手に「もくもくちゃん」と名付け、いっしょに遊びます。ところが、もくもくちゃんは非常に身が軽いうえ、水にうつった姿には目鼻がなく、まるで雲のようです。真実を映し出す水鏡。
 夕方になり、羊番のコリー犬がもこもこくんを捜しに来て、群に帰れとほえます。まだ遊びたいので、もこもこくんは「にげろ、もくもくちゃん」と声をかけて走ります。いいですねえ、この展開。捜しに来るのがお母さんではなく、番犬というのが良いです。番犬とは、子羊がファンタジー界に深入りしすぎないように見張っているもののことです。
 ところが、もくもくちゃんは崖っぷちから空にのぼっていってしまいました。ついていけず、めえめえ鳴くもこもこくん。空にうかぶ雲に、もくもくちゃんは混じっていきます。夕焼けに染まる雲がとてもキレイ。もくもくちゃんが雲に還るのを見て、もこもこくんも納得したように自分の群に帰ります。

 これは、日常の地続きにファンタジー的要素(この場合は異世界の住人)が入りこんでくるエブリデイ・マジックと言われるファンタジーのパターンです。異世界人との交流ですてきな時間を過ごした主人公は、やがてさよならを言ってそれぞれ元の世界に帰る。「E.T.」などでもお馴染みのストーリーですね。
 ファンタジー体験は主人公に現実のルーティンをいっとき忘れさせ、リフレッシュさせ、視野を広げます。より良い心の状態になった主人公は必ず無事に現実に帰る。もこもこくんもきっとお母さん羊の隣で満ち足りた眠りにつくはず。この安心感が、ファンタジー体験と同じくらい大事ですね。

 いまでも夕暮れ時にひつじ雲を見かけるような時には、必ず思い出すお話です。
 






Last updated  May 23, 2014 11:47:46 PM
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January 26, 2013
カテゴリ:気になる絵本

 昨年ご紹介した『ねこガム』にも通じるような、現実とファンタジー世界が交錯するちょっとこわい絵本、『ヘリオさんとふしぎななべ』

 不思議なお鍋(または、釜)の昔話って、よくありますね。命じるとおかゆがわき出つづけて大洪水になる鍋(グリム童話)が有名ですが、他にもしゃべる鍋とか、少しの物を入れるとたくさんに増える鍋、死人を入れると生き返る鍋など。
 鍋は豊かさのシンボルなので、死んだものを受け入れ生を生み出す「大地」とか「実り」とかにも関係があるのでしょう(ケルト神話、ダグデの大鍋)。

 そんな不思議な鍋の一種と思われる、穴の空いた鍋が描かれた絵を、貧乏で空腹な絵描き(名前が何だか西欧風にハラ・ヘリオというのが良い)が買います。禁を破って絵に手を加え、穴をふさいだら・・・。
 魔法が作動してしまい、絵の鍋の中においしそうな料理がわき出して、ヘリオさんを誘います。またしても禁を破って絵の中にドアを描き加えることで、異世界への通路を自らつくりだしてしまうヘリオさん。インスパイアされた芸術家の宿命というか、普通でない精神状態です。

 いちばんゾッとする瞬間は、ヘリオさんが絵の中に閉じこめられ、もといた世界を覗くと、自分が腰掛けているべき椅子の上に、絵の中にあったはずの鍋が居る(ある)というところ。現実とファンタジー、人間(生きたもの)と道具(死んだもの)、自分(絵描き)と対象物(絵)との、逆転。

 ヘリオさんはどうやって再び元の世界へ戻ることができるのか。
 禁を破ったつぐないをしたり、反省したり、後戻りするのではありません。反対に、ヘリオさんは絵描き(創造者)としての自分をとことん追求して、さらに描き続けることで脱出を図ります。
 もちろん、最後には何とか成功するのですが、鍋は消えてしまいます(あとのページをよく探すと、素知らぬ顔?でよその人のもとへ行っていることがわかります)。絵の中には、彼が必死で描いた脱出用のはしごが。

 結局、おいしそうにぐつぐつと煮立つ豊穣の鍋のある世界(=芸術)を創りだしていたのは、いつも空腹な、ヘリオさん自身なんですよね。無から芸術を生み出すときの、苦労やパワー、現実との遊離性などが、ストーリーにだぶって感じられます。






Last updated  January 26, 2013 10:12:57 PM
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October 16, 2012
カテゴリ:気になる絵本
 久しぶりに読み聞かせ絵本の紹介です。といっても1分で読めてしまう小さな本。
 アハハと笑っておしまいなんですが、しかし、「えっ」と立ち止まって考えてみると、ちょっとシュールで怖い・・・ 以下ネタバレ注意。

 男の子が風船ガムをかんでいます。プーとふくらますと、彼の顔と同じぐらい大きく丸くなって、ネコの顔になります。
 次のページでは、向かい合った男の子とネコの顔の風船ガムが、どちらも「プー」。よく見ると、最初っから、男の子の首から下は描かれていなくて、ふくらんだガムとおんなじ。
 次のページでは、おそろしいことに、ネコが「スー」と男の子を吸いこんで、ぱくっと口に入れてしまいます。今や、男の子の方がガムで、ネコがそれをかんでいます。

 荘子に、「知らず周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるか」という有名なくだりがありますが、ネコが男の子のガムか、男の子がネコのガムか、この物語ではごく自然に現実が夢(ファンタジー)と入れかわっているのです。

 さて、ネコが再び(?)ガムをプーとふくらますと、男の子の顔が(ガムとして)再び現れます。今度は二人が互いに「プーブー」「プーブー」と相手(ガム)をふくらまそうとせめぎあいます。そりゃ、負けたらガムになってしぼんで相手に食べられてしまうのですから、必死です。起承転結の「転」部分ですね。
 現実とファンタジーが時に同等のパワーでせめぎあう・・・そんな心理状態を表していると思うと、ハラハラします。もしファンタジーが勝つと、男の子の存在はそちらに吸収されて現実ではなくなってしまいます!

 で、緊張が極に達したところで、パァーン! 風船ガムが破裂します。そのページには絵がありません。いったいどちらが破裂したのでしょうか!

 結末は最後のページにあります。割れたガムの残骸が顔中にはりついてしまって、ひどいご面相になっている男の子。ああよかった、本来のガムの方が割れた、つまりファンタジーは消えて現実に戻ったのですね。

 非日常的な冒険のあとはしっかりと現実に戻ってきてああよかった、と終わるのが小さな子ども向けの絵本や物語の鉄則だそうですが、これはファンタジーの鉄則でもあります。トールキン的にいうなら「There and Back Again(行きて帰りし物語)」の基本を、この短い絵本がちゃんと押さえているので、安心して読み終えることができます。

 それにしても、非現実世界で、当人にとってすごすぎる心理的冒険をして帰ってくると、その重みが現実界にもひずみをもたらすことがあります。たとえば、宮沢賢治の『注文の多い料理店』の二人の紳士は、山奥で山猫に食われそうになった冒険のあと、東京に帰ってもお湯に入っても、くしゃくゃになった顔が元に戻りませんでした。
 この絵本でも、最後のページで、男の子の顔にべったりとガムがくっついてしまい、はがすのに苦労しそうな有様になっているのは、ねこガムとの死闘の余波だと思われます。たぶんきっとガムははがれるでしょうし、その後の彼の顔は元に戻るでしょうが・・・

 この場面では男の子は頭だけでなくちゃんと手足も描かれています。ズボンのポケットにはまだ何枚かガムが入っています。そのうちまた、食べるのでしょうか?






Last updated  October 16, 2012 10:37:27 PM
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February 1, 2012
カテゴリ:気になる絵本

  不思議な響きの名前?が出てくるタイトル、『ツチオーネのおんがえし』。表紙には、これまた不思議に長~い顔のお侍。いったいどんな話かな? と思いきや・・・

 作物のほとんど育たない貧乏な寒村に、旅のお坊さんが一夜の宿とそばがゆのお礼に置いていった「ツチオーネ」の種。まいてみると、どんどん育って大収穫。
 って、絵をみるとこれ、ダイコンじゃないですか。カタカナで書いてあるからまるで西洋野菜のように聞こえますが、「土大根」とはダイコンの古名なのですって。

 にしても、登場人物の顔、どれもなかなかインパクトがあります。背景の色合いは土っぽくていかにも田舎風なのに、うったえるようなまなざしや、影のふかい顔立ちの立体感はある意味洗練されています。

 物語は、ツチオーネのおかげで豊かになった村をねたんだ隣の長者が、悪だくみをして村を襲撃! 畑や倉のツチオーネをめちゃくちゃにして主人公を殺そうとしたとき、表紙絵にあるあやしくも魅力的な白くて長~い顔のお侍たちが助けに現れるというもの。
 切れ上がった目といい、ピンととがったひげといい、束ねた緑の髪の毛といい、なんて異国風な、それでも確かにお侍。これぞ、ツチオーネの化身なのです。

 ダイコンは古代エジプト由来の野菜だそうで、日本には弥生時代に伝わったとか。お侍が和洋折衷なわけは、そのルーツにあるんですね。
 そしてこのお話、実は兼好法師の「徒然草」にある土大根のエピソードがもとになっている、と絵本の解説に書いてありました。
 さっそく調べてみると、第六七段に筑紫(福岡県)の話として紹介されています。でも、それはほんの短いエピソード。ここからこの絵本のようなすごい迫力のお話に仕立てた作者の力量に、感動します。

 5年生の読み聞かせに使いました♪ 一見の価値ありです!






Last updated  February 1, 2012 10:58:05 PM
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January 7, 2011
カテゴリ:気になる絵本
さっき、絵本ナビというサイトで紹介しているのを見つけました!
 なんと12年ぶりの新作ですって。

 このシリーズと出会ったのは、読書家の友人Jさんからの誕生日プレゼント『バムとケロのにちようび』でした。ちょうど子どもも小さかったので、一緒に読んでいろいろ細かな面白さを見つけて楽しむのにぴったり。
 シリーズ全部を買ったうえ、「ガラゴ」や『ぶーちゃんとおにいちゃん』も揃えました。でもやっぱりバムケロがいちばん大好き。
 さっそくネット書店で注文しました。届くのが待ち遠しいです。






Last updated  January 7, 2011 10:50:11 PM
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December 10, 2010
カテゴリ:気になる絵本
 先日の『リスとお月さま』の続編です。
 今度も期待して表紙をめくると、「お月さま」が最初にころがり落ちていった崖と同じ風景、ただし木ははだかになり枯葉が風に飛ばされています。
 リス氏はあの時と同じ木の枝にいます。いつも冬眠するので雪を見たことがない彼は、ヤギに、

  ふゆっていうのはね、…(中略)…とってもきれいなんだ。雪がふってきて、なにもかも まっ白になるんだ!
   ――ゼバスティアン・メッシェンモーザー『リスとはじめての雪』松永美穂訳

と教えられ、雪を見るまで起きていようとがんばります。

 冬枯れの美しい森で、眠気と戦いながら待ち続けるリス氏。そのぼさぼさの顔の、何とも味のある眠そうな表情。前作で月、いえチーズを背中に刺していたハリネズミと、新顔のクマがリスの仲間に加わります。このあたりまでは、楽しいけれどごく普通の展開です。
 3匹は、雪を見たことがないので、「白くて、しめっぽくて、つめたくて、やわらかい」というヤギの言葉を頼りに雪を捜し始めます。やがて3匹とも、とんでもないものを雪と勘違いして、・・・出ました。とつぜん挿入される、空想のページ。
 リスやハリネズミが雪と勘違いした変なモノが、空からいちめんに降ってくるところ(2匹の想像図)が超リアルに描かれています。かなりシュールですが、それなりに美しい絵なのが笑えます。
 クマが雪だと思ったモノは、ちょっと臭い。空からおちてくるモノはみんな臭いな、というハリネズミのせりふには、前作の月=チーズのことをふまえています。

 さて、最後にほんとの初雪が降ってくるのですが、その荘厳な美しさは、変なモノが降ってくる絵のあとだけに、いっそう感動的です。もうせりふはありません。3匹はだまって雪に見入り、それから、雪と、勘違いした変なモノとで、すてきなものを作ります。
 満足して眠る3匹の、なんと幸せそうな顔。さらにラスト・ページにも小さなオチがあります。

 変なモノとは何なのか、今回はばらさないでおきます。実際にページをめくった時の新鮮な驚きと笑いが大切に思えるからです。






Last updated  December 10, 2010 10:02:13 PM
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November 24, 2010
カテゴリ:気になる絵本
 パラパラめくると写実的な美しい絵がつづき、モノクロのページもあったりして、落ち着いて上品な絵本? と思ったら! 全体のストーリーにも、細部の描写にも、ユーモアたっぷり。すました顔で笑わせてくれます。ドイツの若手絵本作家の作品だそうです。

 表紙は、『リスとお月さま』(原題Herr Eichhorn und der Mond 「リス氏と月」)というタイトルどおり、リスが大きな黄色い満月?に頭を押しつけているような絵ですね。本文も、

  ある朝、リスはびっくりして目を覚ましました。お月さまがリスの家におっこちてきたからです。  ――メッシェンモーザー,ゼバスティアン『リスとお月さま』松永美穂訳

などと始まるものだから、うっかりほんとに月だと思って読み進んでしまいます。

 ぼくが月を盗んだと思われたら大変だ、とリスはあわてます。で、ページをめくると突然モノクロの牢屋の絵。鉄格子がはまり、囚人(人間の男)がうなだれてつくろいものかなんかしていて、室内には寝台とトイレ(便器)しかなくて・・・、何ともリアルすぎる暗い絵。よく見ると、リスもその牢屋の中にいます。これはパニックになったリスの頭の中の想像風景なのですね。

 リスが月を押してころがすと、「月」はハリネズミの上に落ちたり、ヤギの角に刺さったりします。そのたびに心配性なリス氏が、ほら君も月を盗んだ泥棒ってことでつかまったらどうするの?と騒ぎます。そのたびに、どどーんと暗い牢屋の絵が挿入される。まるで動画を見ているようです。

 結局、「月」は臭い始め、ネズミがやってきて食い散らかします。ここに至って読者は、あ、なーんだ、そうだよね、月なわけないよね、これは(ネタバレ→)チーズだよ! と気づいたりします。

 実は、いちばん最初のページに、のどかな田舎道の荷車から転げ落ちる「月」ならぬチーズの絵がちゃんと描かれているんですけどね。

 読み聞かせにどうかと検討されましたが、日本にはなじみのない形のチーズが果たして子供に分かるだろうかということで、見送られました。手にとってじっくり楽しみたい絵本です。

 同じ作者の『リスとはじめての雪』『空の飛びかた』も面白そうです!






Last updated  November 24, 2010 11:40:26 PM
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