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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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観劇・読書メモ 3

平成21年11月14日~平成22年2月7日の実況です。
平成21年9月15日~11月13日 の実況はこちら)
平成22年2月8日以降 の実況はこちら)

観 劇:
【観劇マナー】
上演中、
コンビニのビニール袋ノド飴の小袋のシャカシャカ音は、劇場じゅうに響きます。
ビニール袋は手元に置かず足元に。ノド飴は開演前に口に含む。これが大事なマナーです。


211114 ヘンリー六世 第1部~第3部 @ 新国立劇場
浦井健治、中嶋朋子、渡辺 徹、村井国夫、ソニン、木場勝己、中嶋しゅう、内田亜希子、上杉祥三、岡本健一
(全3部を1日かけて観劇。第1部 「百年戦争」 11:00~14:10、第2部 「敗北と混乱」 15:00~18:10、第3部 「薔薇戦争」 19:00~22:20。各部とも2幕構成で15分の休憩あり。この劇を見て、今年の秋が終わった。
舞台はみごとな出来だったが、唯一 音楽構成に不満が残った。現代の手垢がついた既製のジャズやポップスを中世ものの演劇で流すのは興を殺ぐと思うが。スタッフの表を見たら、「音響」 担当は置いているが、「音楽」 担当は置いていなかった。音楽の扱いがおざなりだったのは、そのせいか。)


211120  大衆演劇 “リケー” ヴァージョン 赤鬼 (Yaks tua daeng) @ 東京藝術劇場 小ホール2
原作: 野田秀樹、 翻案・演出: プラティット・プラサートーン
(タイの伝統的舞台衣装に伝統楽器で演じられる狂言に、適度なドタバタが混じって、好感のもてる一品に仕上がっていた。)

211120  現代演劇ヴァージョン 農業少女 (Sau chau na) @ 東京藝術劇場 小ホール1
原作: 野田秀樹、 翻案・演出: ニコン・セタン
(舞台上に植えた稲の傍らに横たわる少女のエンディングに安らぎがあった。アフタートークは、演出のニコンさんと役者のナットさん。客席には小柄な野田秀樹さんもいた。観客の女性が質問のなかで 「タイ語版は舞台を東京からバンコクに移しているが、芝居全体は日本語原作上演と同じ印象だった。野田演劇の普遍性を示してもいるのだろうが、もっとタイならではの部分が出てくるかと思って観たのだが」 と。)

Capriccio_model.jpg 舞台の10分の1モデル (日生劇場ロビー展示)
211121  東京二期会オペラ カプリッチョ (Capriccio) @ 日生劇場
作曲: Richard Strauss (リヒャルト・シュトラウス) 、 演出: Joel Lauwers (ジョエル・ローウェルス)
(平成19年2月11日に、同じ リヒャルト・シュトラウスの 「ダフネ」 公演 を観ている。あくまで流麗な音楽が間断なく続く。字幕を見てばかりいられないのでストーリーはほとんど追えなかったが、第2幕でバレエと音楽の融合に酔った。)

211128  大衆演劇 劇団飛翔 顔見世ショウ + 特選狂言 「血染めの小判」 + 特別ショウ 「さんさ時雨」 @ 松山劇場
座長・恋瀬川翔炎、長谷川翔平、長谷川翔馬、恋瀬川キャビア、市川雀之助
(夜6時から10時近くまで。翔炎さんは、いなせな役も妖艶な女装のキモノ姿も、何をやらせてもいたずらっぽく決めるひと。さすが、座長。若手で気合の入った翔馬さんや子役のキャビアさんに人気が集まっていたが、わたしは苦労人の助演者の翔平さんを高く買いたい。ベテランの雀之助さんも、悪役で好演。)

211129  わらび座ミュージカル 鶴姫伝説 ― 瀬戸内のジャンヌ・ダルク @ 坊っちゃん劇場 (愛媛県東温市見奈良) 碓井涼子(うすい・りょうこ)、神 敏将(じん・としゆき)
(碓井涼子さんは、新妻聖子さんを思わせる気合のはいったシャキッとした名演。神 敏将さんも、そのまま大河ドラマに出したい凛々しさ。音楽演奏は録音を使っているが、総じて東京の一流劇場での上演に堪える出来だった。恋物語であるが、安きにつくことなく魂の極限に挑む心意気がよい。鶴姫は実在の女性で、身につけた鎧が伝わり重要文化財となっている。1時間45分、一幕ものの劇の途中、後ろのほうで老人団体が立って騒ぐというハプニングにもかかわらず、満足のいく観劇だった。)

211205 パイレート・クイーン (The Pirate Queen) @ 帝国劇場 保坂知寿(ほさか・ちず)、山口祐一郎、涼風真世、今井清隆、石川 禅、神 敏将(じん・としゆき)
(アイルランドの各部族がイングランドのくびきを肯(がえ)んずることなく闘っていた16世紀の物語。タイトルロールの “海賊の女王” グレイス・オマリーは、海賊一族の首長の娘。保坂知寿さんが、20代の女性のような元気いっぱいの舞台を見せてくれる。彼女を恋するティアナンを演じる山口祐一郎さんも30代のひとのよう。両の腕をささげ拡げる、あのいつものポーズで、山口節を聞かせてくれた。
ストーリーは、ストライクゾーンど真ん中をゆくシンプルな構成。
折々挿入されるアイリッシュ・ダンスの軽快なステップが、とてもいいアクセントになっていて、1公演で2度おいしい作品に仕上がっていた。)


211212 シェルブールの雨傘 @ 日生劇場 井上芳雄、白羽(しらはね)ゆり、ANZA、岸田敏志(さとし)、香寿たつき  音楽: ミシェル・ルグラン、演出・振付: 謝 珠栄、オーケストラ指揮: 塩田明弘
(ミシェル・ルグランのあの曲が流れ出すと魂はすぐに、映画を観たときの感動の線まで高められ、さざ波のように感動が体を駆け抜けつづけた。白羽ゆり さんは美しかった。宝塚の娘役出身らしく裏声で歌いつづけた。井上芳雄さんの力強い歌唱が舞台を引っ張っていた。ジュヌヴィエーヴを笹本玲奈さんが演じれば、カトリーヌ・ドヌーヴに瓜二つだったのだが。)

211215 コーラスライン @ 劇団四季自由劇場 
(昨年観た新作映画は 「コーラスライン」 の実際のオーディションをドキュメンタリーにした秀作で、歌がすばらしかった。が、今回この有名なミュージカルの日本語版を観て、ストーリーがようやく理解できた。ひとりひとりの語りが進むにつれ親近感が積み重なり、フィナーレのナンバーである 「ワン」 のリハーサルが始まるころ、感動が押し寄せ始めた。)

211220 ANJIN 按針 イングリッシュサムライ @ 銀河劇場 (天王洲) Owen Teale(オーウェン・ティール)、市村正親、藤原竜也  演出: Gregory Doran(グレゴリー・ドーラン)
(NHK大河ドラマを3時間にまとめたようにストライクゾーンど真ん中をゆく。NHK-BSの演劇番組で間違いなく放映されるなぁ。市村正親さん演じる徳川家康は、悩みつつも軸のある納得感ある人間像がかすかなアクを放つ。市村家康だ。劇場ロビーではプログラムとともに台本も 850円で売っていた。もちろん買いました。)

211222 パッチギ! @ 新国立劇場 中劇場 総合演出: 井筒和幸、脚本: 羽原大介、舞台演出: 茅野イサム。出演: 三倉佳奈、浅見れいな、他
(第1幕前半は客席に私語が散発していたが、舞台の吸引力はみごとで第2幕では劇場ホール全体に一体感が感じられた。「日本人は70万人の朝鮮人を日本にひっぱって来て働かせた」 という類の科白には、途中で席を立ってやろうかと憤慨。時々ぼくのテンションが下がったのはそのせい。)

220116 ウーマン・イン・ホワイト 再演 @ 青山劇場  笹本玲奈・主演 田代万里生(たしろ・まりお)、大和田美帆、岡幸二郎、和音美桜(かずね・みおう)、朴東河(ぼく・とうが)、光枝明彦  作曲 Andrew Lloyd Webber、演出・松本祐子、翻訳・竜 真知子、音楽監督・指揮・塩田明弘

220119 ウーマン・イン・ホワイト 再演 @ 青山劇場 笹本玲奈さん他
(田代万里生さんの気合が高まっていて、16日に観たときより5歳ふけて役に近づいた。田代さんの歌に、じんじん来てしまった。)

220121 キャバレー @ 日生劇場 藤原紀香、諸星和己、高嶺ふぶき、木場勝己  訳詞・演出: 小池修一郎
(諸星和己さんのMC (司会者) が絶品だった。展開がゆっくりとしていて、じっくり楽しませてくれるミュージカルだった。)

220124 ウーマン・イン・ホワイト 再演 @ 青山劇場 笹本玲奈さん他
(千穐楽公演。第2幕、フォスコ伯爵がマリアンに妹の死を伝えるシーンの演出がついに完璧に完成。総立ち拍手のうちに、舞台挨拶もさわやかだった。)


観 映:

211208 Waltz With Bashir (戦場でワルツを) @ 銀座シネスイッチ 脚本・監督・制作 Ari Folman (アリ・フォルマン)、美術監督・イラストレーター David Polonsky (デイヴィッド・ポロンスキー)
(ヘブライ語のアニメ映画。ぼくが聞き取れるヘブライ語は、ken (= yes) , lo (= no) , boker tov (= good morning) , mishpaha (= family) くらいだった。昭和57年のサブラ・シャティーラのパレスチナ難民キャンプでの虐殺事件に至る3ヶ月余りの日々の記憶が煎じ出されるように画像化する。)

211228 牛の鈴音 @ シネマライズ (渋谷) 監督・脚本・編集: 李忠烈 (り・ちゅうれつ)
(「老人と海」 を思わせる一途な爺(じじ)と、とめどなく愚痴を言い続ける婆(ばば)。どことなく すさんだ農村風景に美しさが感じられず、いまひとつ乗れなかった。韓国では累計 300万人が劇場に足を運んだというが。)

220106 CAPITALISM: A Love Story (キャピタリズム ― マネーは踊る) @ TOHOシネマズ シャンテ (日比谷) 監督・脚本・制作: Michael Moore (マイケル・ムーア)
(資料映像を巧みに挿入編集し、エンターテインメントとしても上出来のドキュメンタリー・コラージュ。仕事への愛に悪乗りされて年収2万ドル以下で働く商用航空機のパイロット; 生活が成り立たずアルバイトで喫茶店のウェイトレスをし、ついに本業で墜落事故を起こした事例の紹介がショックだった。)

220201 The Young Victoria (ヴィクトリア女王 世紀の愛) @ Bunkamura ル・シネマ Emily Blunt, Rupert Friend, Paul Bettany
(英語原題通り、ヴィクトリア女王の即位前後の20代の日々にスポットを当てた、すがすがしい映画。「プラダを着た悪魔」 とは別のエミリー・ブラントさんを見せてくれた。芯の強さは共通している。)


読 書:
<平成210522 以前に購入の積ん読(つんどく)本、ようやく読了>

211118 平和の地政学 (The Geography of the Peace) (芙蓉書房出版) Nicholas John Spykman 著、奥山真司 訳
(昭和19年に米国で出版された古典。65年後の現代にそのまま使えるわけではないが、米国の戦略を読む補助線がたくさん見つかる。読んでよかった!)

<平成210915 以降に購入/読了>

211116/1213 我等、同じ船に乗り 心に残る物語 ― 日本文学秀作選 (文春文庫) 桐野夏生 編
(「芋虫」 「忠直卿行状記」 「鍵」 など、前から読みたいと思っていた作品に加え、澁澤龍彦 「ねむり姫」 が気になる。あの桐野さんが、好きな作品を集めて編んだ。)

211116/1121 図解 新世代鉄道の技術 ― 超電導リニアからLRVまで (講談社ブルーバックス) 川辺謙一 著
(日常生活を支える技術が地道に改良進歩しているのを知り、心強かった。磁気浮上でなく、推進力としてのリニアモーターが実用化された背景もよく理解できた。)

211121/1121  写真集 いまさら北京 (大和プレス (広島の出版社)) 会田 誠 著・撮
(平成19年の初秋の北京郊外、草場地村。これほど殺風景で、美から遠い光景を、日本で探すことは難しい。無気力な文明が浸蝕し荒廃した地球のシルエット。およそ写真集には馴染まぬように見える素材を1冊に企画した面々を賞賛したい。)

211125/1125  新潮 「旅」 ムック 日本鉄道旅行地図帳 <歴史編成> 満洲 樺太 (新潮社)
(ブログの掲示板への書き込みで推薦いただいたので丸善丸の内本店に行ったら、鉄道コーナーに平積み。膨大な史料を集大成した力作。樺太で日本企業が盛んに炭鉱開発をしていたこと等、読む人それぞれの切り口で興味深い事実が読み取れる。資料なので 「読了」 は ありえないが、買ったその日に全60頁めくったので、1125/1125 と記録。

211125/1125  新潮 「旅」 ムック 日本鉄道旅行地図帳 <歴史編成> 朝鮮 台湾 (新潮社)
(当然だが、「慶州」にキョンジュなどとルビを振ったりせず、「けいしゅう」と書いてある。これがよい。台湾篇では、片倉佳史さんも写真提供等で活躍している。)

211128  句集 長子 (笛発行所、昭和21年10月刊) 中村草田男 著
(松山市西一万町の古本屋・東雲書店で購入。草田男は、わたしの心酔する俳人なのであります。1,500円で購入。昭和21年の定価は21円。)

211128  句集 来し方行方 (自文堂、昭和22年12月刊) 中村草田男 著
(同じく東雲書店で 1,000円で購入。昭和22年の定価は100円。デューラーの銅版画が一葉収められ、その次の頁に 「蜥蜴ゆく騎士行進の四蹄の間を」 の一句。まことに原書ならではの味。)

211128  自選句集 喜雨亭句抄 (目黒書店、昭和21年5月刊) 水原秋櫻子 著
(同じく東雲書店で 800円で購入。昭和21年の定価は9円50銭。)

211128 御題歌集 (求龍堂、昭和42年6月刊) 入江相政 解説
(同じく東雲書店で1,500円で購入。昭和42年の定価は 500円。昭和21年から42年までの歌会始の御製、御歌、詠進歌を収録。)

211128  自註現代俳句シリーズ 吉野義子集 (俳人協会、昭和58年6月刊) 中村草田男 著
吉野義子先生は、松山で俳誌 『星』 を主宰なさり、わたしも一時期この俳句会に入って投句していた。俳誌にこの本の紹介がなかったのは、絶版になっていたからだろう。この本に東雲書店で出会えたのも奇しきご縁である。先生の代表作 「甕にあれば甕のかたちに春の水」 「洗髪(あらひがみ)梳くや天より蝶くだる」)

211128  日本の食生活全集 (38)  聞き書 愛媛の食事 (農山漁村文化協会、昭和63年12月刊) 森 正史 編
(松山市ロープウェイ街の古本屋・愛媛堂は、隣家の火事による外壁面の焦げ跡も生々しい。水に濡れて泣く泣く廃棄した3万冊の本には、郷土史誌も多数含まれていたという。応援のつもりで1冊買い求めた。帰宅して開いてみたら、編者の 「食は命 いのちこそ花  森正史」 という毛筆署名と落款のある貴重な本で、挟み込まれた月報には早坂 暁さんが随筆を書いていた。)

211204 第39回 日展アートガイド
(日展会場で購入。おととしのものだが、去年と今年のも買ってあるから、これから毎年買えば、日展が国立新美術館に移ってからのものは全巻揃えたことになる。)

211204  日経BPムック すぐ分かる、詳しく分かるIFRS 国際会計基準 ― あなたの仕事はこう変わる
(なかなか面白く読めました。会計知識の本を面白いと思うなんて、人間、変われば変わるものです。)

211210 新編・草田男俳句365日 (本阿弥書店、平成17年刊) 宮脇白夜(はくや)
(藤田湘子先生が、「草田男を学ぶひとにとって必読の書」と絶賛。買わいでか。)

211210/220505 俳句の方法 ― 現代俳人の青春 (角川選書、平成6年刊) 藤田湘子 著
(湘子先生の青春時代の回顧録にして俳句論集。『俳句』 誌上、平成4~6年に連載されたもの。)

211210/220314 国民的俳句百選 (講談社、平成20年刊) 長谷川 櫂 著
(江戸時代の俳句と明治以降の俳句が半々というところが気に入って購入。)

211210 Grosswoerterbuch Japanisch-Deutsch (Langenscheidt 社、平成9年刊)
(八重洲ブックセンターのドイツ語書籍売り場でビニールにくるまった1,792 ページの大冊を見て、「ついにあの Langenscheidt が本格的な和独辞典を出したか!」 と早合点し、定価 119ユーロ、売価 21,241円も高いと思わず購入。帰宅してビニールを開いたら、6,000字の漢字を見出しにし、47,000の漢字熟語にドイツ語訳をつけた漢和辞典のドイツ語版だった。一瞬がっかりしたが、すぐに 「買ってよかった!」 と気を取り直した。独特の部首検索システムを採用していて、それだけでも研究に値する。見出し漢字が2字目、3字目に来る漢字熟語も並べていて、結果的にドイツ語シソーラスとしても使えそうだ。字が大きく読みやすく、印刷もきれいで惚れぼれする。また宝物が増えた。)

211210 Latin for the Illiterati ― A Modern Guide to an Ancient Language Second Edition (Routledge 社、平成21年刊) Jon R. Stone 著
(ラテン語の単語、句、格言などのうち英語の文章に使われることのあるものを集めましたという本。ときどき眺めてラテン語に慣れようと思って購入。ペーパーバック、338ページ。それにしても八重洲ブックセンターの英書売り場が3分の1ほどに縮小されていて愕然とした。洋書はネットで買うもの、ということか。)

211215 「聖地チベット ― ポタラ宮と天空の至宝」 展 図録

211215 イメージ活用 英和辞典 (小学館) 政村秀實 編著
(見出し語 5,760語、例文 約2万のフルセンテンス、全701ページのペーパーバックの辞書。編著者は通読を勧める。その気にさせる、ムダのない本だ。「イメージ活用」 とは各語の説明冒頭、語源・基本義からの意味展開の簡潔記述が売り物だから。)

211216/24 雪のひとひら (Snowflake) (新潮文庫) Paul Gallico(ポール・ギャリコ) 著、矢川澄子 訳
(横山大観の絵巻 「生々流転(せいせいるてん)」 を見るよう。うつくしいイメージと言葉で紡がれた名品。読後、ぼくのだいじなアシスタントに差し上げました。)

211224/220107 内向の世界帝国日本の時代がやってくる (NTT出版) 増田悦佐(ますだ・えつすけ)
(わがブログの掲示板に読者から本書の推薦あり、購入。切り口がおもしろい文明論。)

211224/220301 「太平洋戦争」 は無謀な戦争だったのか (ワック) James B. Wood 著、茂木弘道(もてき・ひろみち)
(出版社からのメールと、産経紙上の渡部昇一さん書評を見て、購入。実質主義を貫き陸海軍が連動して戦っていたら、大東亜戦争も別の戦になりえた。説得力あり。参考文献一覧は、和訳せず英語のままにしておくべき。)

211225 「清方ノスタルジア ― 名品でたどる鏑木清方の美の世界」 展 図録

211225 鎌倉市鏑木清方記念美術館開館十周年記念図録 鏑木清方名作集
(肉筆浮世絵の世界。美しい画集である。絵に添えられた清方自身の随筆からの引用掲載もうれしい。)

211225 鏑木清方記念美術館収蔵品目録 ― 作品編 ―
(写実画を中心に収録。下絵も多数掲載されるなど、資料としても興味深い。)

211225 鏑木清方記念美術館収蔵品目録 ― 卓上藝術編 (二) 昭和期 ―
(軽妙なタッチの挿画を中心に収録。)

211225 鏑木清方記念美術館収蔵品目録 ― 文藝倶樂部編 (二) ―
(夢幻的で けばけばしい劇画と ペン画挿絵。長女は、本書に収録の 「時代美人風俗双六」 に心惹かれた様子だ。これら4冊ともサントリー美術館の売店で購入。)

220108 「DOMANI・明日展 2009 ― 未来を担う美術家たち」 図録
(12名の藝術家の個展を画廊巡りで楽しむような錯覚をおぼえる図録。同時に 『月刊美術』 を初めて手にして即、買い。展覧会・画廊巡りに向いている。定期購読しようかと思案中。)

220110 「杉浦非水の眼と手 ― 写生のイマジネーション 」 図録
(非水の全体像が見渡せて、資料としてもよくできた編集ぶり。ただ、今回の美術展の見所といわれる 「非水百花譜」 の作品をの掲載数が少なすぎ、後半の杉浦非水の著作からの抜粋転載もいまどきの辞書より小さな文字で印刷したのは失敗。)

220115 珍世界紀行 ヨーロッパ編 (ちくま文庫) 都築響一 撮・著
(ヨーロッパの “おどろ” な博物館・展示館の “おろろろ” ものをカタログ的に見せてくれる。総天然色の 447 ページで 1,800 円の文庫本でした。姉妹篇の 『珍日本紀行』 も図書館で借りて視る読むつもり。)

220116/18 写真集 RUSSELL JAMES (teNeues Publishing、平成20年) 
(昭和37年 オーストラリア生まれの写真家ラッセル・ジェームズ氏の写真集。青山ブックセンターで、表紙のうつくしいヌードに ほれてしまった。定価 16,640 円 + 税 だったが、その価値あり。)

220116 写真集 HELMUT NEWTON (Taschen、平成21年)
(大正9年 ドイツ生まれの写真家ヘルムート・ニュートン氏の巨編写真集 “SUMO” が平成11年に1万部限定で出版されたが、このほどその普及版が出された。定価 20,000 円 + 税 だったが、大満足だ。)

220117 Lingua Latina per se illustrata Pars I: Familia Romana (Domus Latina 刊、平成17年) Hans H. Orberg 著
(全文ラテン語のじつにみごとな初級学習読本。)

220117 The New College Latin and English Dictionary, Third Edition (Bantam Books、平成19年) John C. Traupman 編
(ラテン語の近現代語彙まで収めようとした意欲的な小事典。「コンピューター」のラテン語訳は ordinatrum という具合。この倍の判型のハードカバー本も出ればいいな。)

220120/0202 週末はギャラリーめぐり (ちくま新書、平成21年刊) 山本冬彦 著
(佐藤美術館の「山本冬彦コレクション展」に感銘をうけてショップで購入。)

220123 スタート独和辞典 (三修社、平成15年刊) 信岡資生(よりお)
(文字の大きさが10ポ大の、見やすい辞書。見出し語 14,000。そこそこ用例も入っている。基本語彙の総ざらえをしようと購入。)

220124/24 写真集 Little People In The City: The street art of Slinkachu (英 Boxtree 社、平成20年刊) Slinkachu 撮影
(リリパットの世界。遊び精神に共鳴し、青山ブックセンターで購入。定価 2,160 円 + 税。読後、画家の高橋カナ子さんに差し上げました。)

220124 写真集 The Helsinki School: Young Photography by TaiK, Vol. 3 (独 Hatje Cantz 社、平成21年刊)
(ヘルシンキ美術工藝大学の院生たち18名の個性に満ちた冒険集。青山ブックセンターで購入。定価 6,930 円 + 税。)

220207/231009 報道されない近現代史 ― 戦後歴史は核を廻る鬩ぎ合い (産経新聞出版、平成20年刊) 元谷外志雄 著
(金沢駅前のAPAホテルで購入。冒頭いきなり6ページ分、著者個人の写真が18葉収めてあるという、変な本である。ほとんどオピニオン雑誌の焼き直しだが、最後の章は筆者の肉声もあって、よし!)


<図書館から借りて読了>

211213 はじめての言語学 (講談社現代新書) 黒田龍之助 著
(同じ著者の 『外国語の水曜日 ― 学習法としての言語学入門』 をむかし読んだ。スラブ諸語が専門の人だから親近感がある。冗長文体を新書判に持ち込んだため内容がやや薄くなった。)

211218 はじめて学ぶ言語学 ― ことばの世界をさぐる17章 (ミネルヴァ書房) 大津由紀雄 編著
(自分には、第1章 「発音の仕組みをさぐる」、第2章 「語の仕組みをさぐる」 が特に面白かった。今後学び進めるにしても、やはり語形成を深掘りしよう。生成文法には興味がわかない。推薦図書のうち、読んでみようと思う本: 『言語学 (第2版)』 風間喜代三ほか著、東大出版会 ; 『岩波講座 言語の科学(全11巻)』。こういう基礎書を読んでから、次に進もう。)

211220 当節おもしろ言語学 (講談社) 城生佰太郎(じょうお・はくたろう)
(たしかに おもしろく読めました。)

211221 教養としての言語学 (白水社) 島岡 茂 著
(オーソドックスな概説。やはりぼくには、単語を論じた章が面白い。)

211223 チャイナ・アズ・ナンバーワン (東洋経済新報社) 関 志雄 (C. H. Kwan) 著
(中国経済の厚化粧の床の上の規定演技。中国政府の発表資料に沿った記述は手堅いが、それを超えた洞察がないから感銘を受けることがない。中国に積もり積もった悲惨なファクターはテキトーに素通りし、じつに単純な右肩上がり信仰に身を任せている。)

211227 河殤(かしょう) ― 中華文明の悲壮な衰退と困難な再建 (弘文堂、平成元年刊) 蘇暁康・王魯湘 著、辻 康吾・橋本南都子 訳
(テレビ番組 「河殤」 は当時、大きな話題になったが、わたしは見たことがなかった。「学問のすすめ」 が明治維新期の日本へ近代化へのパラダイムを提供したごとく、「河殤」 はキャッチアップ途上にあった中国の脱皮のためのパラダイムだったのだ。この文明論が中国共産党によって否定されて、中国は今日の没哲学の畸形成金となるに至った。)

220112 なぜ日本人は日本語が話せるのか ― 「ことば学」 20話 (大修館書店、平成16年刊) 今井邦彦 著
(一般向けの言語学エッセー集。英語の専門家なので英語についての記述は さすがだが、中国語が受け入れた日本語熟語として「取扱」「申立」を挙げたのは間違いというしかない(138ページ)。著者が挙げそこねた “取締” や “取消” は確かに中国語に定着しているが。)

220113 日本の名随筆 別巻93 言語 (作品社、平成10年刊) 千野栄一 編
(「日本の名随筆」 シリーズは気になっていながら なぜか縁遠かったのだけど、図書館で次々借りて読んでみようと思う。次は 「書斎」 「奇術」 「芝居」 あたりから。)

220116 幸福な食卓 (講談社文庫、原作単行本は平成16年刊) 瀬尾まいこ 著
(次女が借りてきたティーンズ読み物だが、冒頭の1行 ≪「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」≫ にグイと惹きつけられた。人物がよく描けている佳作。)

220118 媒介言語論を学ぶ人のために (世界思想社、平成21年刊) 木村護郎クリストフ/渡部克義 編
(エスペラントを問題意識の一端に置きつつ、学問的論考の網を編んだ。編者のうち木村護郎さんは、エスペラントと日本語、ドイツ語の同時通訳ができる人。第12~15章は、大百科事典の 「エスペラント」 の項に転用しても最高。)

220126 英語の歴史 ― 過去から未来への物語 (中公新書、平成20年刊) 寺澤 盾(じゅん)
(古英語のさわりや、15世紀以降の母音発音の変化についての諸学説のさわりがおもしろかった。)

220126  詩集 アメリカ (思潮社、平成16年刊) 飯島耕一 著
(いささか大御所の甘えが臭う。強いていえば 「東銀座のフォト・サロンで」 が一押し。しかし 「コウロギ」 という仮名遣いミスは稚拙。)

220127  詩集 箱入豹 (思潮社、平成15年刊) 井坂洋子 著
(「白日」や「逆サンタ」のようなストーリー性のある作品がよい。)

220127  詩集 モノクロ・クロノス (思潮社、平成14年刊) 財部鳥子(たからべ・とりこ)
(この詩集をわたしは絶讃する。絵画的イメージをしっとりと紡ぎ、音楽を想起させる語彙が花びらとなって舞う。北京の路地に取材しつつ現在と過去を往復する 「弾琴」。龍、山、僧、月…のイメージが織りなす夢幻が一群の女乞食の登場でたしかな具象となる 「月の桂はどこからきたか」 の2作をとくに褒めたい。)

220203 ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか? (メディアワークス、平成13年刊) 河崎 実(みのる)
(著者は、ぼくより1歳上の同世代。要約を Wikipedia に載せるといいな、と思えるマニア本。)


CD:

<平成211115 以降に購入>
211129  ミュージカル 鶴姫伝説 坊っちゃん劇場 わらび座公演サウンドトラック
(公演会場で購入。テーマ曲の 「瀬戸の海」 は、溌溂堂々とした気持ちのいい曲。聞かせどころが 「ジキル&ハイド」 で聞いたことのある旋律なのが気になった。ポスター図案の美しいデザインがCDにも刷られ、すてきな1枚に仕上がった。定価1,500円は安いが、惜しむらくはミキシングか録音のまずさで、音割れしている箇所がある。)

211129  ミュージカル 吾が輩は狸である 坊っちゃん劇場 わらび座公演サウンドトラック
(平成19年4月7日から20年3月9日まで、同劇場で250回の長期公演をした作品。)

220121  The New Broadway Cast Recording CABARET (BMGファンハウス・発売)
(日本版公演のあった日生劇場で購入。気に入りました。いま2度目を聴いているところ。)

220124 Dream With Me (BMGファンハウス・発売) 歌・光枝明彦
(心憎いばかりにダンディなCD+DVD。「ウーマン・イン・ホワイト」 公演の青山劇場のショップで購入。ブログの最後に短評を書きました。)

220126 I Dreamed A Dream (Sony Music・発売) 歌・Susan Boyle
(表題の歌の名は 「夢を見たのに」 と訳せばよかったのに、「夢やぶれて」 と最初に訳したひとは罪作りだ。)


美術館・博物館:

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211121 neoneo 展 Part 2 [女子] ― ネオネオ・ガールズは岩戸を自らひらく @ 高橋コレクション日比谷
(9月19日に見た 「男子」 篇にひきつづき。)

211128 愛媛県美術館 所蔵品による特集展示 @ 愛媛県美術館
(野間仁根の 「街の散歩」 (昭和29年作) が良かった。バックには平屋建てばかりの商店街が時代そのままを示すが、人物は幾分はなやいだ女性ばかりで、その微妙なアンバランスが夢幻的だ。)

211204 第41回 日展 @ 国立新美術館
(11月13日に引き続き、今年2度目の日展鑑賞。洋画の部の1階展示のうち再会したかった女性たちを見てから、洋画の部の2階をひととおり見て、あとは工藝美術と彫刻と書を駆け足で。)

211211 Bunkamura 20周年記念企画 ロートレック コネクション ― 愛すべき画家をめぐる物語 @ Bunkamura ザ・ミュージアム
(コレクションではなく、コネクション。ロートレックは決して偏屈一辺倒ではなく、豊かな交友のさんざめきの中にいたひとだったことが伝わってくる、いい展覧会だった。ぜいたくを言えば、もっと多くのロートレック作品を見たかった。)

211212 斉藤次也 JAZZ コレクション展 @ ギャラリー日比谷
(「シェルブールの雨傘」 を観たあと寄った。ジャズ奏者の一瞬一瞬を、味のあるステンシル画に。Joe Pass というギター奏者の絵の、ぼかしの技に魅せられて、購入決定。)

211212 ユートピア ― 描かれし夢と楽園 @ 出光美術館
(あまり期待せずに行ったら、珠玉の美術展だった。1時間20分、じっくり見た。横着に昼休みに来たりせずによかった。)

211215 聖地チベット ― ポタラ宮と天空の至宝 @ 上野の森美術館
(趣味よく精巧な彫像・絵画に魅せられた。予想を上回るみごとさ。午前半休して鑑賞。9月19日から来年1月11日までの長期開催だが、平日午前なのにけっこうな人の入り。)

211224 藤田嗣治の版画のしごと展 @ 東京會舘ギャラリー
(昭和26年に315部刷られた版画集 「魅せられたる河」 のなかの 「オペラ座の夢」 に描かれた薄い薔薇色の乳首がこよなく美しく、欲しくてたまらなくなった。係の女性によれば、やはり人気ぴか一の作品だという。「ヨーロッパの画家は、マチスのように絵画も版画も両方手がけることが多いのですが、日本では画家と版画家がはっきり分かれています。そんな中で嗣治は版画にも力を入れていて名作を残しています。それをぜひ紹介したいと思ったのです」 と話してくれた。)

211225 清方ノスタルジア ― 名品でたどる鏑木清方の美の世界 @ サントリー美術館
(夢幻的な美人画と写実的な肖像画、華麗な劇画の3つの世界。絵にストーリー性が豊かで、心洗われる。)

220207 日蓮宗正久山 妙立寺(みょうりゅうじ) + 金沢市老舗記念館 + 前田土佐守家(とさのかみ け)資料館 @ 金沢
(金沢の都の戦略性には舌を巻くばかりである。)

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