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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

観劇・読書メモ 31

平成30年7月1日からの実況です。項目ごとに、日付を遡る形で記載しています。
ひとつ前の 平成30年1月1日~6月30日 の実況はこちら。
ひとつ後の 平成31年1月1日~6月30日 の実況はこちら。





観 劇:

【観劇マナー】
上演中、
コンビニのビニール袋ノド飴の小袋のシャカシャカ音は、劇場じゅうに響きます。
ビニール袋は手元に置かず足元に。ノド飴は開演前に口に含む。
上演中は、暑くても扇子で あおがない。
(扇子がちらちら動くと周囲や後ろの人たちに目障り!)

【演劇の通ぶって
上演中に変なタイミングで笑う困ったひと】
赤坂レッドシアターや下北沢のスズナリのような小劇場で、どてっとした黒い鞄をひざに置き、
小太りでハゲ頭の男を見たら要注意。一度、注意したのだけど、なかなか治らないようだ。みんなで注意してやりましょう。



300321 赤道の下のマクベス @ 新国立劇場 小劇場 作: 鄭義信、出演: 池内博之、平田 満、浅野雅博、尾上寛之
(B・C級戦犯として囚われた日本人3人と朝鮮人3名のばらばらの経歴とキャラが交錯する。ばらばらだからこそ、日本組と朝鮮組のありふれた二極分化に堕さず、観るに堪える名作になった。)

300318 ジキル&ハイド @ 東京国際フォーラム ホールC 上演台本: Leslie Bricusse  音楽: Frank Wildhorn 演出: 山田和也、出演: 石丸幹二、笹本玲奈、宮澤エマ、田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一
(東京千穐楽、2階最前列で照明効果がよく見えた。本作は「自由」がキーワードだ。自分の知らない心の奥底で自由を求めていたジキル。得られたハイドという窮極の自由は、あまりの不自由をジキルに強いた。エマの腕のなかで死ぬとき、自由の祈りに送られる。エマとルーシーのふたつの愛のそれぞれの深さ。どこまでも信じ、どこまでも尽くすエマの愛; 鮮烈な目覚めと切ないあこがれに彩られたルーシーの愛。カテコで石丸幹二さんが「初日とはずいぶん異なる、いい仕上がりになってきた」、同感です。)

300311 ジキル&ハイド @ 東京国際フォーラム ホールC 上演台本: Leslie Bricusse  音楽: Frank Wildhorn 演出: 山田和也、出演: 石丸幹二、笹本玲奈、宮澤エマ、田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一
(最前列。1週間前に見たルーシーが登場の瞬間は、淑女エマの恥じらいが残っている感じがしたが、いまやルーシーは完全にひとつの人格を獲得していた。2度目の観劇では、福井貴一さん演じるエマの父の、娘をおもいやる情の深さに打たれた。|右隣の咳男に第1幕上演中に飴を手渡したら感謝された。)

300304 ジキル&ハイド @ 東京国際フォーラム ホールC 上演台本: Leslie Bricusse  音楽: Frank Wildhorn 演出: 山田和也、出演: 石丸幹二、笹本玲奈、宮澤エマ、田代万里生、畠中洋、花王おさむ、福井貴一
(夢みたルーシー玲奈。あばずれになりきれなくて、エマのような細やかさと心優しさを色濃く残したルーシーだった。第2幕後半、ジキルの手紙を読んだ彼女の目は輝いて、全身から幸せをほとばしらせる。ハイドの殺しの場面では小道具がいちだんと進化し、死人の口から仕込み杖の先を突き出させる。前から3列目だったが、あえてオペラグラスで鑑賞。|右隣の男、手をしきりに動かすコマッタちゃんだったが、幕間のひとことでイイ子になってくれた。)

300303 シャンハイムーン @ 世田谷パブリックシアター 作: 井上ひさし、演出: 栗山民也、出演: 野村萬斎、広末涼子、辻萬長、山崎一、鷲尾真知子、土屋佑壱
(無地の漢ローブ姿の野村萬斎さんの魯迅は、肖像写真から匂い立つあの魯迅だ。史実をあまり離れぬよう意識したのか、筋書きにおもしろみはない。第2幕後半、失語症を発症しだした魯迅が言い間違いの連発ついでに「天皇制」を場違いに口走らせて笑いをとるイヤラシサがいかにも井上ひさしだ。)

300301 ドレッサー @ 下北沢・本多劇場 作: Ronald Harwood、訳: 松岡和子、演出: 鵜山 仁、出演: 加藤健一、加納幸和、西山水木、岡崎加奈、一柳みる
(カトケンいちの当たり役だ。「リア王」などシェークスピア一途の座長俳優は老い、出番のセリフを忘れている自分に驚愕する。出番の王が登場できないステージを必死のアドリブでつなぐ脇役らを客席の反対側から観るのはサイコーのコメディーだ。市村正親さんが演ってもおもしろそう。)

300224 密やかな結晶 @ 東京藝術劇場プレイハウス 作: 小川洋子、脚本・演出: 鄭義信、出演: 石原さとみ、村上虹郎(にじろう)、鈴木浩介、山内圭哉(たかや)、ベンガル
(最前列の右端の席で観た。2週間前は「ピグマリオン」のさとみさんを感じたが、いまはずいぶんしっとりした「わたし」になっていた。失われるものは、痴呆かもしれないし、身体障碍かもしれないし。さまざまな強いられた喪失と、その再生の予感を共有する劇だ。)

300217 蜷川幸雄三回忌追悼公演 ムサシ @ Bunkamura シアターコクーン 作: 井上ひさし、演出: 蜷川幸雄、出演: 藤原竜也、溝端淳平、吉田鋼太郎、鈴木杏、六平直政、白石加代子
(藤原武蔵と溝端小次郎の巌流島の決闘でいきなり幕が開き、その6年後の両者の再会話。2列目で名優たちの絡みを存分に味わった。「みんな成佛を願う幽霊でした」のどんでん返しはさすがだが、いかにも共産党のひさし君のイヤラシサで、戦の原因の第一義は皇室を起点として官軍・賊軍の概念にあると役者に説かせる場面あり。)

300210 密やかな結晶 @ 東京藝術劇場プレイハウス 作: 小川洋子、脚本・演出: 鄭義信、出演: 石原さとみ、村上虹郎(にじろう)、鈴木浩介、山内圭哉(たかや)、ベンガル
(劇終末に「復活」の象徴として舞台中に舞う赤い薔薇の花瓣が心をとらえる。言葉と実体が統制によって徐々に失われる状況は、いまそこにある全体主義を示唆していて深い。石原さとみさんは、すっぴんに近い薄化粧だったが美しい。一本調子なところがなく、ストーリーの襞に寄り添う名女優だ。)

300205 新国立劇場演劇研修所第11期生修了公演 美しい日々 @ 新国立劇場 小劇場 作: 松田正隆、演出: 宮田慶子、出演: 川澄透子(とうこ)、バルテンシュタイン永岡玲央(れお)、上西佑樹(うえにし・ゆうき)
(昭和50年代の安アパートの隣室どうしで起こった小さく大きなドタバタが、時を経て熊本県八代でつながる。舞台美術は劇終末の不知火の光景が絶品。)


イベント:

291005 奥泉光×いとうせいこう 文藝漫談 season 4 島尾敏雄『死の棘』 @ 成城ホール(世田谷区成城六丁目)
(客席がいつもより低調。『死の棘』は長篇だが予定調和的作品のように思えた。終演時のフルート演奏+朗読は、これまででいちばんよかったかも。)


観 映:

300727 Art on Screen I, Claude Monet(私は、クロード・モネ)@ 東劇
(印象派出発点の日の出の絵の後も、モネの生活は困窮を極め、困窮ゆえに愛妻を病死させる。生活が安定するのは睡蓮の連作を描き始めるころからとは。)

300218 MET Live Viewing 2017-18 Giacomo Puccini: "Tosca" @ 東劇 指揮: Emmanuel Vuillaume 演出: David McVicar 出演: Sonya Yoncheva, Vittorio Grigolo, Жељко Лучић/Željko Lučić
(平300127上演。トスカ、カヴァラドッシ、スカルビア男爵の3人の性格の対照が際立つ。第1幕は、やや間のび。いっぽう終幕直前にトスカがカヴァラドッシの死に気がつくシーンはあまりにあっけない。恋する男を冥界から呼び戻そうとすがりつくシーンがほしかった。プッチーニの問題か、演出の問題か。)

300212 苦銭(苦い銭) @ シアター・イメージフォーラム 監督: 王 兵
(解説も演技もなしで、ここまで長尺で撮るかと。普通ならたぶん半分にカットする。しかしこの延々とした間延び感こそが苦銭をめぐる環境なのだね。)

300130 Gauguin - Voyage de Tahiti(ゴーギャン タヒチ、楽園への旅) @ Bunkamura ル・シネマ1 主演: Vincent Cassel
(ゴーギャンのタヒチ行きを、てっきり能天気な快楽旅行とばかり思っていたが、その真逆。フランスで行き詰った末の、食い詰め者のなれの果てだった。言われてみれば、そうだったに違いない。)

300123 Willkommen bei den Hartmanns(はじめてのおもてなし) @ シネスイッチ銀座2 監督: Simon Verhoeven 出演: Senta Berger, Heiner Lauterbach, Eric Kabongo
(ドイツ語作品。ドイツで平28年に400万人が観て興行収入1位になった作品。ホームドラマふうでいて、世相批判あり、文化間・世代間のギャップを語る。ナイジェリア難民のディアロ役のカボンゴさんがいい。)

300118 Kongens nei/The King's Choice(ヒトラーに屈しなかった国王) @ シネスイッチ銀座2 主演: Jesper Christensen
(緊張感の続く展開ではあるが、クライマックスのはずの国王と駐ノルウェー独大使の対決はあまりにあっけなかった。本心では本国政府の方針に承服していない、ひとのいいドイツ大使を罵倒する国王のことばには、もっと深みが欲しかった。)

300117 Final Portrait(ジャコメッティ 最後の肖像) @ TOHOシネマズ シャンテ 監督: Stanley Tucci 出演: Geoffrey Rush, Armie Hammer, Clémence Poésy
(昭和39年のパリ。でも19世紀のようにも思える。とことん追求するという行為は、わがままの軽やかさだ。ジョフリー・ラッシュさんの気合の入れ方と力の抜き方のメリハリがサイコー。)


読 書:

<図書館などから借りて読了>

301226 なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則   (日経BP社、平成30年刊)    「日経トップリーダー」誌 編著
(経営者がリスク軽視の暴走、ないしは財務管理の不在、そのあたりに落ち着く。トルストイの名言と異なり、成功する会社はそれぞれだが、失敗する会社は似通っている。CMを打ちすぎのハズキルーペ、大丈夫かね? ふつうにガバナンスがきいていれば、あそこまでは打てないはずだ。)

301224 台湾生まれ日本語育ち   (白水社、平成28年刊)  温又柔(おん・ゆうじゅう)
(川の真水が海に流れ込む場所のように言語とアイデンティティが入り交じる瞬間を繊細に書き留める。)

301220 オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題 「あなたは自分を利口だと思いますか?」   (河出文庫、平成29年 文庫刊、もと平成23年刊)    John Farndon 著、小田島恒志(こうし)・則子 訳
(原著 平成21年刊 Do You Think You're Clever?: The Oxbridge Questions.  いちばんためになったのは「チェーホフは偉大でしょうか」。いまひとつメリハリ欠如に見える作品群がなぜすごい存在なのか、ようやくわかった。チェーホフは、モネだったんだね。あと「ハムレットはちょっと長いと思いませんか」も秀逸。脇スジの存在があるから、戯曲ハムレットは昼メロと一線を劃するわけだ。)

301217 日本4.0 国家戦略の新しいリアル   (文春新書、平成30年刊)    Edward N. Luttwak 著、奥山真司(まさし)
(正気すぎる国たる日本が「使えない兵器」で武装しようとするのは無意味と、信頼に足るリアリストに言われると首肯できる。パレスチナ問題の本質は、アラブ側が過去の敗北を認めないことに囚われて先に進めないからで、パレスチナ人の多数派はじつはリアルを受け入れたいと思っている;米国が大使館をエルサレムに移すのも、負けを認めさせるための一環;平和は敗者が負けを認めないと訪れない。ロシアは経済力は第2ランクだが国土が広いので影響力が地理的にあらゆるところで感じられる;それがロシアが枢要国たる所以。日本4.0の核心は、軍事戦略+少子化脱皮戦略。)

301215 中級フランス語 叙法の謎を解く      (白水社、平成30年刊)    渡邊淳也 著
(「接続法半過去」がどのように使われていたのか、はじめて知った。このシリーズ、もっと読むつもり。)

301212 いちばんやさしい美術鑑賞      (ちくま新書、平成30年刊)    青い日記帳 こと 中村剛士 著
(とかく しゃちほこばった美術批評が多い中、レベルを落とさず分かりやすく書く術を心得ている。「抜け感」:かっちではなく、自然な雰囲気で着崩し肩の力を抜いた感じのお洒落。モネがこれだと著者は言う。著者自身もそれだね。モネについては「ボヤボヤ感」という語も使っている。|≪筆致(タッチ)を存分に愉しむことは、セザンヌに限らずすべての作家の作品を鑑賞するツボです。≫ ≪工藝は、高尚なものとして観ずに身近なものとして捉えると急に距離感が縮まる。≫ ≪ある作品を目の前にしたときの鑑賞の仕方として、心のなかで絵筆を動かして、その絵を描いてみるつもりになってみます。≫ ≪まずは「好き」か「嫌い」かで観てみたらいかがでしょうか。≫ ≪「カラーバス効果」:ひとつの色を意識して見る。≫ ≪中国では明の洪武帝時代、1391年に喫茶法が変えられ、抹茶が禁じられた。≫)

301208 超AI時代の生存戦略 シンギュラリティ(2040年代)に備える34のリスト     (大和(だいわ)書房、平成29年刊)    落合陽一 著
(著者のIQの高さを感じる。好きなことで価値を生み出すスタイルであれば仕事と趣味の切り分けは希薄化し、時間はコマ切れ化する。かつてのワーク・ライフ・バランスにかわってストレスマネジメントがキモ。|ひとのコンプレックスを刺激してかかってくるビジネスに流されないためには、何が自分のコンプレックスなのか知っておくのも大事。ブルーオーシャンではコンプレックスには出会わない。|じつは美人の顔は平均顔が多い。|1968年にサイバネティック・セレンディピティという展覧会(世界初のコンピューターアート展)あり。)

301129 サピエンス全史 [下] 文明の構造と人類の幸福     (河出書房新社、平成28年刊)    Yuval Noah Harari 著、柴田裕之 訳
(ホモ・サピエンスのDNA自体にサピエンスが手をつけて新種のホモを生み出す未来図まで現実の可能性として描く。人間の幸福とは何かという哲学に向き合うところに行き着く。|多神教にも至高の神的存在はあるが人間のありさまに無頓着なので、祈りをささげる対象は自分に関心をもってくれる霊的存在へとなる。このほうがロジカルだ。佛教こそが人間の幸福とは何かに向き合う哲学であると指摘。解脱とは渇愛から自由になること。|すすんで無知を認めることから近代科学が始まった。将来が現在より良くなるとの考えが、信用創造による資本主義の発達を生んだ。産業革命とはエネルギー変換の革命。国家と市場が、個人を生んだ。|ソ連の無血崩壊、言われてみればゴルバチョフ氏の一大功績だ。|≪幸せかどうかは、あるひとの人生全体が有意義で価値あるものと見なせるかどうかにかかる。無意味な人生は、どれだけ快適な環境に囲まれていても、厳しい試練にほかならない。≫|オルダス・ハクスリー著『すばらしい新世界』、読むべし。)

301126 日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち     (新潮新書、平成30年刊)    雨宮紫苑(あまみや・しおん)
(予想をこころよく裏切る、じつに知的な文明批評。ジョブ型雇用や実力主義の教育制度のほんとうの良さと怖さに納得させられる。制度と心情とその背景に絶妙の目配り。YouTubeデビューしてるのかな?)

301112 サピエンス全史 [上] 文明の構造と人類の幸福     (河出書房新社、平成28年刊)    Yuval Noah Harari 著、柴田裕之 訳
(たった15分の TED レクチャーにまとめられたあの内容の原書だ。「想像力」というキーワードは出てこない。|ボスのちからとは、体力・知力より連合形成力。|フランス革命の先頭に立ったのは、飢えた農民ではなく豊かな法律家だった。|アフリカでは中東向けの奴隷輸出がヨーロッパ人の渡来以前にすでに発達していた。|シナの「天命」の概念によれば、複数の独立国の並立は正当化されない。)

301027 直島(なおしま)瀬戸内アートの楽園    (新潮社 とんぼの本、平成23年刊)   福武總一郎、安藤忠雄ほか 著
(直島、豊島(てしま)、犬島(いぬじま)にベネッセが創り出した現代アート圏の全体像をようやく知った。落ち着いたら、うちの彼女といっしょに旅したい。)

301025 現場者(げんばもん) 300の顔をもつ男     (文春文庫 平成30年刊、原著 平成13年刊)   大杉 漣 著
(こういうすごい俳優さんだったとは! ぼくの射程からまったく漏れていた。演劇「1984」でお会いしたかったなぁ。|文庫版は、大杉さん逝去後の奥さま弘美さんの手記入り。)

301024 経済の不都合な話   (日経プレミアシリーズ、平成30年刊)   ルディー和子 著
(「メディアが報じないナントカ」的な本かと思ったらそうではなく、むしろ経済学の理性・数理信仰の由来と限界をさらけ出す本だった。意思決定はけっきょく理性・論理ではなく情動に支えられていて、だからバルカン人のスポック博士は評論はできても意思決定できない。情動の部分の質が経営の質を決める。情動はバイアスを生みやすいので、バイアスを回避するには情動をコントロールして無私・無我に近づくことだが、ここが難しい。)

301019 ツーアート   (ぴあ、平成15年刊)   ビートたけし・村上 隆 対談
(ビートたけしさんは、地を出していながら常に発想が新鮮で、媚びてない。村上隆氏は、コンプレックス男まるだしで、たけしさんに媚びへつらう様子が嫌らしい。その裏返しの、他人を見下す傾斜度まで彷彿。隆氏のメッセージをぼくなりに言い直せば、日本のアート界・アーティストは「職人藝」を求められているのに対し、欧米のアート界・アーティストは「謎を秘めた新発想」を求められていると。)

301018 転職のまえに ノンエリートのキャリアの活かし方     (ちくま新書、平成30年刊)   中沢孝夫 著
(「40代からカネ貯めよ」論や「AIが仕事を奪う」論に大いに疑問を呈し、教養・能力への自己投資が第一と説く。≪人生のスタートは何歳でも可能だ。≫≪人間は自ら成長することによって、18歳、20歳の頃の「夢」を修正する。≫|推薦書:『福翁自伝』、小泉信三『読書論』、杉本鉞子(えつこ)『武士の娘』、猪木武徳『自由の条件』、北岡伸一『門戸開放政策と日本』、三谷太一郎の諸著。)

301017 遊廓に泊まる    (新潮社 とんぼの本、平成30年刊)   関根虎洸(ここう)
(カラー写真の色調整が昭和40年代の感じを出している。生きた廃墟の記録。)

301016 ひらがな日本美術史5    (新潮社、平成15年刊)   橋本 治 著
(寫樂論が秀逸。寫樂と蔦屋重三郎が、それまでの浮世絵界にあった思い込みをさらりと剥ぎ取りながらあっさり退場し、かわって歌川豊国にはじまる歌川派の自由奔放が開花する。)

301014 老後の資金がありません     (中央公論新社、平成27年刊)    垣谷美雨(かきや・みう)
(カネの話に終始する話かと思ったら、前半目立たなかった人物たちが後半がぜん立ってきて、はまる。)

301010 2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する    (文藝春秋、平成29年刊)    英『エコノミスト』編集部 編、土方奈美 訳
(フロー電池という蓄電技術がすごそうだ。2種類の電解液をポンプで電池に送るとイオンが交換膜を通過して発電を導く。|自動化でミドルスキルの仕事全般が駆逐され、伝統的なキャリアの階段が壊れたため、スタートレベルの社員が組織のトップへの階段をどう上っていくかが見えない。AI化による人間側の人生設計変化をどううまく着地させるかが、まさに人間側に求められる叡智だ。|ヴァーツラフ・スミル氏の指摘によれば、20世紀の最重要かつ過小評価されている技術はアンモニア合成だと。1910年ごろの発明で、化学肥料と火薬の大量生産につながった。多くのひとを生かし、殺したわけだ。)

301006 医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68    (ダイヤモンド社、平成29年刊)    牧田善二 著
(血糖値を急上昇させない食事をする。縄文時代になかったような食べ物は避ける。脂肪・酒は悪くない。論理的で明快。買って、だいじなひとにプレゼントすることにした。)

300930 ゼロから話せるポーランド語 [改訂版]    (三修社、平成27年刊)    渡辺克義 著
(平成11年刊の『語学王 ポーランド語』の再版のようなもの。中級者が総ざらえするのに最適で、ぼくには役に立った。ゼロからの人を対象にするなら、語形変化練習を盛り込むべき。会話中心が売りだが、実用的な文は少ない。)

300926 ポーランド語の風景 日本語の窓を通して見えるもの    (現代書館、平成17年刊)    渡辺克義 著
(ポーランド語のレベルが上がってちょうど本書を楽しめるようになったところで出会った。著者の構想する和ポ辞典が実現すればすばらしい! 広東語やトルコ語の辞書よりは需要があるはずだが。)

300925 絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか     (NHK出版新書、平成30年刊)   更科 功 著
(絶滅せずにすむのは、過酷な環境変化にも耐えられ効率的に子孫を残す生物。必ずしも全てに優れていたわけではないヒト。|チンパンジーやボノボに道具は使えても、石器作りは学ばない。)

300916 AI 2045    (日経プレミアシリーズ、平成30年刊)
(標題は曲者で、本書はあくまで AI ビジネスの現場の現状取材の記録。多方面の取材は さすが日経だが、そうなると FT や WSJ の同様の取材成果も読んでみたくなる。)

300913 視覚心理学が明かす名画の秘密    (岩波書店、平成30年刊)    三浦佳世 著
(チンパンジーは存在するものにしか関心がいかないが、ヒトは存在するはずなのに存在しないものに関心が向かう。ヒトの脳は、照明や影の影響を差し引いたうえで対象のほんらいの色や明るさが判断できる。|美大生に必須の脳心理学レッスンだね。)

300907 50歳を超えてもガンにならない生き方    (講談社+α新書、平成24年刊)    土橋重隆 著
(自分をしばっているものから自らを解き放ち、心とからだにゆとりを与えてストレスを減らすこと。癌は心身症なり。)

300906 ちくま日本文学036 萩原朔太郎    (ちくま文庫、平成21年刊)    萩原朔太郎 著
(まことに恥かしながら朔太郎の詩をまとめて読んだのは初めて。秀逸は散文詩「死なない蛸」、朔太郎40歳の作。有名な竹の詩のほか、じくじくした腐敗イメージや恋猫のうなり声が朔太郎の真髄だが、たぶんそれらは出版当時はものすごく新鮮なモチーフだったにせよ、その後は陳腐化してしまった。死の前年の55歳に書いた「小泉八雲の家庭生活」がほほえましい。自らの幸福ならざる結婚生活との対比でもあろう。)

300903 読むだけですっきりわかる戦国史    (宝島SUGOI文庫、平成26年刊)   後藤武士(たけし)
(後半の信長以降大坂の陣まではすいすい読めたが、前半の応仁の乱から群雄割拠までは人物の多さに目が散って読み進むのに苦労した。堪え忍びつつ策を弄する人々のことを40代前半に読んでおれば、ぼくの商社マン人生も違っていたろうか。今読むと商社時代のことが やにわに想起された。)

300829 郷愁の詩人 與謝蕪村    (宝文館出版、昭和44年刊)   萩原朔太郎 著
(蕪村のみずみずしいモダンに改めて驚く。今日の作と言われても全く違和感がないもの多数。その蕪村が生前は貧窮不遇であったとは。芭蕉は老を枯野を慕い枯淡な墨絵だが、蕪村は ≪すべての花やかな絵具を使って感傷多き青春の情緒を述べ≫る。|百姓の生きて働く暑さ哉 蕪村|小鳥来る音うれしさよ板庇 蕪村|)

300828 世界では、日本は「こんな」ふうに言われてますよ! イングリッシュ・モンスター、世界に抗議する    (大和書房、平成24年刊)   菊池健彦 著
(昭和34年生まれ、大学でロシア語を深め、米英新聞雑誌の日本報道を読み込み怒り投書し……というところまでは、ぼくと重なる。その意気やよしの言も多々あるが、後半 菅直人へのプラス評価にガッカリ。)

300826 完全独学! 無敵の英語勉強法    (ちくまプリマー新書、平成27年刊)   横山雅彦 著
(≪音読は、リーディングではなくリスニングやスピーキングのために行うもの≫ とは言い得て妙。東後勝明先生が著者のロールモデルだったという。東後先生の美しい発音に憧れたという昭和39年生まれの著者を近しく感じる。書中に挙がる昭和50年代はじめの英語カリスマたちは確かにぼくの学生時代の神さまたちでもあった。|著者が売りにする「ロジカル・リーディング」は文量の関係で説明不足がおしまれる。)

300826 情事の終り    (新潮文庫、平成26年刊)   Graham Greene 著、上岡伸雄 訳
(臨界点を超えて憎しみを帯びる恋愛、願い祈ることが臨界点を超えてやおら祀りあげた神格への誓いとなりそれが重荷となる悲劇。)

300823 翻訳英文法 訳し方のルール    (バベル・プレス、昭和57年刊)   安西徹雄 著
(品詞を自由に飛びわたり、語と句と文をも融通無碍に、直接話法・間接話法・混合話法にも源氏物語の心で対すべし、だ。)

300819 台湾探見 ちょっぴりディープに台湾(フォルモサ)体験    (ウェッジ、平成30年刊)   片倉真理 文、片倉佳史(よしふみ)
(みずみずしい旅日記。読了して、ひとつのお決まりパターンを感じるけど、それこそ台湾なのだろう。)

300817 ひらがな日本美術史6    (新潮社、平成16年刊)   橋本 治 著
(浮世絵の腑分けに演劇性の軸と映画性の軸を設定してみせる。葛飾北斎はじつは若いころは絵がヘタで、読本挿絵で開眼し富嶽三十六景の頂点に達したのは老年。孤高極北の北斎がいたから、歌川派随一の国芳も自由を得てドラマ性に満ちた絵を展開し、人物画がヘタだった廣重も格好の居場所を見出す。浮世絵の歴史がすぅっと見えてくる。)

300814 ひらがな日本美術史7    (新潮社、平成19年刊)   橋本 治 著
(橋本治・赤瀬川原平・南辛坊には、常識にユーモラスに抗って新発見へと導く、共通する文体がある。本書は井上安治・高橋由一から谷内六郎・六浦光雄・亀倉雄策まで。昭和ひと桁時代のキネマ文字(映画ポスターレタリング)にアール・デコを見る視点、さすが。)

300814 仕事が速い人の文章術 ムダなくしっかり書くための40のコツ    (日本能率協会マネジメントセンター、平成23年刊)   鶴野充茂(むつしげ)
(持っている材料・情報を箇条書きや断片でいいから身近な紙にまず書き尽してみると、このブレスト紙が魔法の紙になる。具体的なエピソードから書く。何らかの具体的な行動につながることを意識して書く。誰からも反対されないことを目指すと、文章に支持されるような面白みや強さが出ない。文章を書くとき、キメ言葉をつくっておく:たとえば「〇〇といえば、おもしろい話があるんです」とか「この展開には驚きました」とか。)

300813 仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣 リーダーの仕事が速ければ、「部下の仕事」も「チームの仕事」も速くなる。    (明日香出版社、平成28年刊)   石川和男 著
(「なぜ?」「どうして?」「なんで?」と質問攻めで叱るのではなく「どうしたらよかったと思う?」と聞くべし。いきなりの召集や停止ではなく、猶予時間を設ける。「その意見もわかるが」と前置きして反論する。朝の報道番組はネガティブ情報ずくめだから避け、ためになるビデオを見る。|会社生活に改善の余地があったなと反省させられた。)

300811 スイミングスクール    (新潮社、平成29年刊)   高橋弘希 著
(すっと飲めるペットボトルの緑茶のような小説。1頁とんでも気がつかないだろう。緻密なのだろうが、緻密感はない。しかし、読者としてのぼくは文学に緻密感を感じたいから、ものたりない。はて、この作風のまま芥川賞に行きついたのだろうか?)

300810 古代ローマ旅行ガイド 一日5デナリで行く    (ちくま学藝文庫、平成30年刊)   Philip Matyszak 著、安原和見 訳
(ふつうの人々の生活感まで再現できる深い知識+ユーモア。巻末7頁の「役に立つラテン語会話」がすてきだ。)

300808 翻訳ってなんだろう? あの名作を訳してみる    (ちくまプリマー新書、平成30年刊)   鴻巣友季子 著
(Graham Greene The End of the Affair と Margaret Mitchell Gone with the Wind 読んでみたくなった。心の敷居が下がった。)

300806 ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる     (日経BP社、平成24年刊)   Jim Collins・Morten T. Hansen 著、牧野 洋(よう)
(原題 Great by Choice: Uncertainty, Chaos, and Luck -- Why some thrive despite them all 運・不運はほぼ同じように訪れるが、その不確実に堪えるには、アムンゼンのようなたゆまぬ前準備を経て、個別具体的な基本原則への一貫性をもち一定のペースを保って進むこと。かず撃つ鉄砲が当たればそこに大砲をぶち込む。企業の優劣は必ずしも未来予知力や innovation の差ではない。偉大なリーダーは、勝利と同じくらいに価値観にこだwり、利益と同じくらいに目的に執着し、成功するのと同じくらいに役立つことに注力する。)

300730 世界最高のプレゼン術    (角川書店、平成26年刊)   William Reed 著
(聴衆の心を向けさせ開かせる「引き」をどう盛り込むかだ。アイコンタクトもだいじ。)

300730 日本の詩歌 その骨組みと素肌    (講談社、平成7年刊)   大岡 信 著
(菅原道真の漢詩の杜甫ばりの社会性、和泉式部と式子内親王の恋歌の劃期性、梁塵秘抄と閑吟集の猥雑。蒙を啓かされた。)

300728 陰謀の日本中世史    (角川新書、平成30年刊)   呉座勇一 著
(保元の乱・平治の乱が何だったのか、この本ではじめて理解できた。応仁の乱も、同著者の中公新書より分かりやすい。本能寺の変と言い、家康・三成の関係と言い、呉座氏の捌きは説得力あり。上から目線で駆け抜けるようなところがあり、何に義理立てしてか南京虐殺「あった」派らしい。)

300722 人に話したくなる世界史    (文春新書、平成30年刊)   玉木俊明 著
(製造業よりも海運や保険のシステムを牛耳ることが、国力の増進に寄与してきたことをスペイン・ポルトガル・英国の歴史が証明する。スペインはフィリピンを領有することで太平洋航路を牛耳り、メキシコから東アジアへ銀を大量に輸出した。)

300719 コンビニ人間    (文藝春秋、平成28年刊)   村田沙耶香 著
(主人公のキャラが独創的。杓子定規と柔軟さの使い分け感覚が独特、うちの長女にちょっと似ている。ヘンな婚活男の暴言がグサグサして、テレビドラマにしにくいかも。)

300718 <インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則    (NHK出版、平成28年刊)   Kevin Kelly 著、服部 桂 訳
(14ヶ月前に読んだもの、再読。爆発的に増えるデータ情報の集約と再編集を人間の手から離したとき、爆発度は加速する。デジタル世界の変容にもかかわらずモノの世界が変わらぬとき、その乖離のしわ寄せはどこに行くのだろう。)

300715 続 日本人の英語   (岩波新書、平成2年刊)   Mark Petersen 著
(再読。「少し」から来た just a skosh という俗語表現にはビックリ。tempura は不可算なので two pieces of tempura と数える。川端康成『山の音』の文庫本1頁にまとまって出てくる7つの「やさしい」を Seidenstecker 氏が nice, good, kind, gentle で訳し分けた例が 159~168頁に紹介あり。)

300714 日本人の英語   (岩波新書、昭和63年刊)   Mark Petersen 著
(再読。純粋不可算名詞に evidence, advice, encouragement, assistance, help ありと。う~ん、可算名詞として使いそう。「とくに、……」という文脈で Especially, . . . と文頭に書くのもペケで、In particular, . . . と書けばよいと。the の使い方や単複使い分けなど、いちいち腑に落ちる。)

300714 日本人の英語力   (小学館101新書、平成21年刊)   Marsha Krakower 著
(非ネイティブの日本人は、くだけた街角の英語よりも品のある英語を目指すべきと。you know は1980年代に高校生にはやった teen speak だという。相手に賛成を表す表現に I think you're right./I believe so./I feel the same way./I absolutely agree with you. など。賛否が言いにくければ I have mixed feelings about it./I'm ambivalent about it./It's hard to say.子供向けのメディアサイトの紹介あり:
Time for Kids https://www.timeforkids.com/
The New York Times Learning Network https://www.nytimes.com/section/learning
VOA News - Special English https://learningenglish.voanews.com/


300713 「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト   (イースト・プレス、平成30年刊)   海老原嗣生(つぐお)
(地に足のついた未来論。一世を風靡した AI 席捲論は、代替コストの高さとメカトロの開発遅れへの留意が足りない。あと数十年、人間の労働は 熟練の専門藝をAIに任せてその隙間をほいほい埋めつつ生き延びる。来世紀は分らないけど。)

300711 E=mc2 のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか   (講談社ブルーバックス、平成30年刊)   山田克哉 著
(宇宙のイメージがアートのように脳に血走る。宇宙のなかで元素周期表にある原子から構成されている物質は 5% にすぎず、残るは暗黒物質とダークエネルギーだとは! そして、ダークエネルギーの理論値と観測値が10の120乗もの差だとは! ここに神の存在を見るね。)

300708 理系のための「実戦英語力」習得法 最速でネイティブの感覚が身につく   (講談社ブルーバックス、平成30年刊)   志村史夫 著
(類書のなかでは良心的。英英を薦めているのは良いが、Hornby とは古すぎる。確立しちゃったヒトは、こうなっちゃうのかね。)

300708 地図と領土    (筑摩書房、平成25年刊)   Michel Houellebecq 著、野崎 歓(かん)
(己れを凶悪の犠牲に捧げつつ架空のアート作品を描写しながら西紀2047年へ駆け抜ける。)

300628 言ってはいけない中国の真実    (新潮文庫、平成30年刊)   橘 玲 著
(賄賂の不受領が不道徳とされ、かつ賄賂受領後に見返りを与えぬのも不道徳とされる社会原理が覆う国。激減する実働農民に激増する不労幹部がたかる国。ソフトパワーも同盟国もない国。アフリカ諸国に自国領のごとくにインフラ整備をした国。)

300628 千利休 無言の前衛    (岩波新書、平成2年刊)   赤瀬川原平 著
(千利休が、寡黙だが開かれた前衛であったことを、当代の前衛が自然体で語る。)

300625 服従    (河出文庫、平成29年刊)   Michel Houellebecq 著、大塚 桃 訳
(政治哲論とエロスをたゆたう。知識人から見たイスラム化した2022年フランスだが、小説として成立させるために、反イスラムのレジスタンスが一切出てこないのが非現実すぎるかな。『O嬢』をひいたのは、うまいね。)

300620 終わった人    (講談社、平成27年刊)   内館牧子 著
(ぼんやりボサぁっと生きる退職者の話と想像して「誰が読むものか」と思っていたが、「終われない人」の話だった。|道子曰く ≪男には何かどっか破綻した空気がないと、もてないってこと。≫)

300619 西洋美術の歴史 8 20世紀 越境する現代美術    (中央公論新社、平成29年刊)   井口壽乃(としの)・田中正之・村上博哉 著
(けっきょく「アート」とは、自ら「アート」のカテゴリーで生きていると自称する「アーティスト」が行うこと、としか定義できない時代になったわけだ。マルセル・デュシャンもナム・ジュン・パイクも偉大だけど、いけずだね。絵画に初めてコラージュを取り入れたのはピカソだというが、本当か!? ピカソの「朝鮮の虐殺」見てみたい。)

300615 「桶狭間」は経済戦争だった 戦国史の謎は「経済」で解ける   (青春新書、平成26年刊)   武田知弘 著
(信玄政権が徹底搾取した貧しい甲斐に比べると、信長の豊かさの先進性が際立つ。畿内が治まったのは、関所という財源を豪族から取り上げたことによるのだね。)

300613 トップリーグ    (角川春樹事務所、平成29年刊)   相場英雄 著
(さすが時事通信で鍛えられた記者。じつにリアルな現代政治小説。)

300610 韓国と日本がわかる最強の韓国史    (扶桑社新書、平成30年刊)   八幡和郎(やわた・かずお)
(ようやく信用できる朝鮮史に出会えた。百済からの帰化人はほとんど漢人だったし、それ以前の日本への大陸移民も呉の国あたりから半島沿岸づたいにやってきた、というのは腑におちる。韓国併合後の日本で、内地の朝鮮人に参政権があり、外地の日本人に昭和20年4月まで参政権がなかったと初めて知った。)

300610 バッタを倒しにアフリカへ    (光文社新書、平成29年刊)   前野ウルド浩太郎 著
(孤独相/群生相の相変異があるのがバッタ=locust で、無いのがイナゴ= grasshopper なんだって。)

300608 火花   (文藝春秋、平成27年刊)   又吉直樹 著
(この素材はほんらい短篇小説に収めこむべきものだね。文体がときどき漱石の『それから』風の内省モードになるね。)

300603 経済で謎を解く関ケ原の戦い    (青春新書、平成30年刊)   武田知弘 著
(家康が財力・動員力では豊臣家を凌駕しながらも、南蛮貿易ルートを持たぬがゆえに軍備では不利で、野戦で一気に勝負するしかなかった事情が明かされる。)

300531 現代アートとは何か    (河出書房新社、平成30年刊)   小崎哲哉 著
(ジャンルの俯瞰に役立つ本だが、もし著者と実生活で接点があったら、のっけから いがみ合いそう。現代アートは「美」を扱うものではないと小崎氏は言うが、むしろ「美の再定義」をし続けているのが現代アートだと言うほうが適切だとわたしは思う。つまりアートとは何がしか脳の美中枢をうろついているものだと。|アート界でイデオロギーとしてのmovement は冷戦終結の1989年を以て途絶えたという指摘はなるほど。LA の The Broad やソウルのリウム、行ってみたいものだ。Artforum もそのうち読みこなしたいね。)

300526 アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス    (光文社新書、平成29年刊)   宮津大輔 著
(QRコードで映像リンクを呼び出しながら読む新機軸の本だが、ぼくのスマホが対応してなくて残念。チームラボ、タクラム、ライゾマティクス、ユージーンの4つの映像アート集団を、日本や欧州に古来存在した工房のコンテクストでとらえ直す視点は正解だ。)

300520 国のない男    (日本放送出版協会、平成19年刊)   Kurt Vonnegut 著、金原瑞人(かねはら・みずひと)
(原著 A Man Without a Country. 「アラブ人がバカと思うなら、桁数の多い割り算をローマ数字でやってみろ」ってとこ、サイコー。ヴォネガット氏の本領たる SF 作品も読んでみないとね。マーク・トウェインとトクヴィルを読めと言ってるね。)

300514 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」    (光文社新書、平成29年刊)   山口 周(しゅう)
(アートの本かと思ったら、正解がコモディティ化した今だから必要な経営哲理を説く良書だった。現代人が過去人の哲学書をひもとく意味は、そのコンテンツそのものからの学びにあるのではなく、むしろ哲学者が生きた時代に支配的だった考え方についてどのように疑いの目を差し向け考えたか、そのプロセスや姿勢からの学びにあると。)

3005011 フリーランスのための一生仕事に困らない本    (ダイヤモンド社、平成26年刊)   井ノ上陽一 著
(題名を真に受けるひとはいないと思うが、惹きはあるよね。ブログは情報提供でなく価値提供の場、つまり「知識ではなく、考え方やあり方を提供する。知識はネットでも本でも手に入るが、大切なのはそのウラにある考え方、つまり理由だ。その考え方こそが、差を生む部分である」。書くスキル、読むスキル、話すスキル、という3つの原点。)

300507 習近平帝国の暗号 2035    (日本経済新聞出版社、平成30年刊)   中澤克二 著
(2035年までに米国に経済面で追いつき 2050年には米国と一戦交えても勝てる国になるよう 新たな韜光養晦モードに入った、というのが著者の見立て。|韓国の学界に「楽浪郡は朝鮮半島にはなかった」説があるらしい。楽浪郡=平壌、帯方郡=京城、実はわかりやすいのだが。|経済を含めた中国の真のオーナーは紅二代。習近平は、特殊な政治力を持つ富豪らと企業を整理・再編し、味方として統合しつつある。習近平の次は陳敏爾というのが中澤さんの見立て。陳敏爾は、どうも人品が下卑て見えるのだがね。大人(たいじん)の成りをやがて身につけるのかな。)

300504 美術の力 表現の原点を辿る    (光文社新書、平成30年刊)   宮下規久朗(きくろう)
(本書で取り上げられた東京開催の展覧会はほとんど見ていたので、美術館の空気を思い出しながら読んだ。著者はキリスト者で、愛娘を失った哀しみがときに行間ににじむ。)

300427 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏   (中公新書、平成17年刊)   岡田暁生(あけお)
(実作品をあるていど聴き込んでいるおかげで、いちいち腑に落ちる。音楽構成の発展過程もわかりやすいし、国民性とからめた解説も納得。おっつけ、聴くべき CD の指南役として古本を買うつもり。)

300420 死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実    (東京創元社、平成30年刊)   Dr. Vincent di Maio & Ron Franscell 著、満園真木(みつぞの・まき)
(毎章が良質のテレビ番組のように読ませる。テレビではヒーローの検死医だが、じつは給与水準が相対的に低く、なり手が足りないらしい。)

300412 アキラとあきら   (徳間文庫、平成29年刊)   池井戸 潤 著
(カバーがチャラくて誤解していた。銀行員らががっぷり格闘する本格池井戸作品だった。平18~21「問題小説」誌連載の大幅加筆版。)

300407 クラシック音楽とは何か   (小学館、平成29年刊)   岡田暁生(あけお)
(紹介の音楽家や作品名を書き写すくらいならと読後に本そのものを買ってしまった。)

300405 コンピューターで「脳」がつくれるか AIが恋に落ちる日   (技術評論社、平成28年刊)   五木田(ごきた)和也 著
(語学習得回路がスイッチオンするにも、やる気の活性化が必要。それは、脳が知見を取り込むとき、巧みにというかズルくというか、とにかく対象を差別化するからだ。)


<積ん読(つんどく)ほか、買って読了>

301225 語源でわかる中学英語 know の「k」はなぜ発音しないのか?   (KADOKAWA 平成30年刊)  原島広至(ひろし)
(luve を love と綴り替えた理由が、uv を筆写すると読みづらかったから、というのはビックリ。ひょっとして、wurk とか wurd と書けばいいのに work, word と綴るのもそれが理由? こんな本が欲しかった、親しみやすい名著だが「綴り」のことをやたら「スペル」と言うのが不協和音だ。)

301226 First Polish Reader (Volume 3) Bilingual for Speakers of English   (Language Practice Publishing, USA 平成26年刊)  Wiktor Kopernikus 著
(ショートショートふうであり寸劇ふう。ポ語学習を楽しませてもらった。)

301216 Five Stars: The Communication Secrets to Get from Good to Great      (St. Martin's Press, New York 平成30年刊)    Carmine Gallo 著
(とにかくムダをなくしてキュッと締めることだ。ひとは10分で集中力が途切れるものらしい。)

301130 Talk Like TED: The 9 Public Speaking Secrets of the World's Top Minds      (Macmillan 平成26年刊)    Carmine Gallo 著
(Chris Anderson 氏の TED Talks の焼き直しかと思ったら、本書のほうが元祖だった。)

301116 大学入試 自由英作文が1冊でスラスラ書ける本     (かんき出版、平成30年刊)    渡辺淳志 著
(英語そのもの関連でいくつか勇み足もあるが、ツボをおさえた良書。gym受講の高2生に進呈した。)

301105 TED Talks: The Official TED Guide to Public Speaking      (Houghton Mifflin Harcourt  平成28年刊)    Chris Anderson 著
(インソース社の研修講師実技準備に役立った。ひとの心をつかむ術(すべ)。)

301019 The Ruturn of the Young Prince     (Oneworld Publications 平成28年刊)   A. G. Roemmers 著
(スペイン語の原著の英訳。『星の王子さま』のパロディではなく、キリスト教哲学にもとづいた人生訓の本だった。)

300930・1007 田辺聖子の小倉百人一首 [上]・[下]      (角川文庫、平成4年刊、原著 昭和61年刊)   田辺聖子 著、岡田嘉夫(よしお)
(長らく手付かずだったが、読んでみたら名著。それぞれの歌人の生涯に思いを致すことができ、はじめて百人一首の詠み人それぞれに注目できた。)

300923 現代の連句 実作ノート      (飯塚書店、平成9年刊)   宇咲冬男 著
(連句入門書の4冊目。4冊目くらいで読むのが丁度いい本格本。連句の愉しみは恋の句なり。)

300915 Art-Write: The Writing Guide for Visual Artists Crafting effective artist statements and promotional materials    (Luminare Press 米オレゴン州、平成25年刊)   Vicki Krohn Amorose 著
(アーティストが英文でステートメントやプレスリリースを作るコツ。これをもとに授業カリキュラムを作ってみたい。3年計画だな。)

300911 日本人が知りたいスペイン人の当たり前 スペイン語リーディング   (三修社、平成29年刊)
(高速音読したおかげで、だいぶスペイン語が頭に入ってきた。ラルース社の西西辞典 maxi junior をようやく使いこなせるようになった。)

300821 脳が認める外国語勉強法    (ダイヤモンド社、平成30年刊)   Gabriel Wyner 著、花塚 恵 訳
(フラッシュカードをたくさん作り、一定のルールに基づいて日数を空けながら何度か見ては記憶を定着させていく学習法をメインにしている。しかし、カードを勤勉に作っていくだけでマニアックだし手間がかかる。その手間をあっさり外国語の読み書きに充てたほうがいいように思うが。|このていどの語学のコツ本で売れるなら、こんどぼくらが出す本は大いに期待できる。|作文添削を窮極の学習法として推しているのは、うれしい。)

300819 アメリカが嫌いですか    (新潮社、平成5年刊)   阿川尚之 著
(≪日本人は、ひとを死刑に処するかどうかを素人の判断に任せていいものかと思うが、米国の adversary system では逆にそんな大事なことをプロだけに判断させてはならないと考える。しょせん真実は不可知なのだからと。≫|憲法解釈にあたり、Founding Fathers の意図した憲法のほんらいの意味を第一のよりどころにするという考え方を originalism という。さて、さしずめ日本国憲法でこれをやったら、GHQ とその占領政策を想い起しつつ憲法解釈することになる。それもまた、日本国憲法から早く卒業する道かもしれないな。|Daniel K. Inoue 上院議員の話「健さんは日本人」がいい。)

300815 日本美の周辺    (PHP研究所、昭和56年刊)   水尾比呂志 著
(日本人の美意識とその産物を要素分けしては通時記述する。≪日本の山水画は、自然の意を写すものでも人の情をあらわすものでもない。季節のめぐりを山水の姿で表現する画である。≫)

300730 盲導犬クイールの一生    (文藝春秋、平成13年刊)   秋元良平 撮、石黒謙吾 文
(ココちゃんがいとおしくなる。子犬が産まれるところで、ぼくの内面を鷹美 vs. シロのトラウマが襲った。)

300623 帝都東京・隠された地下網の秘密    (新潮文庫、平成18年刊)   秋庭 俊(しゅん)
(事実を追う圧倒的迫力。戦前の東京に存在した秘密の地下鉄・電気自動車網をあぶり出した初めての一般人、というわけだ。それでいて、すごい話題になったわけでもない。日本は奥が深いね。)

300516 絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント    (遊子館、平成16年刊)   笹間良彦 著
(絵も達者な著者の薀蓄があふれ出す。作法まみれの江戸時代から維新による転換はすさまじかったか。徳川時代を通しての結髪の変遷を追うだに、わが無知を実感する。)

300515 自分を100倍も面白く生きられる ここ一番で壁をつき抜ける17のヒント   (青春出版社、昭和61年刊)   藤本義一(ぎいち)
(「ひとつのことを始めて面白いと感じられるのは、徹底しないと無理。器用を気取って何でも食い散らすのではなく、何かひとつ執着して極めることです」「人生の妙味は途中下車にある。スピードは遅いが各駅停車で景色を楽しみ、人間の機微を知る」)

300510 江戸百夢 近世図像学の楽しみ   (ちくま文庫、平成22年刊、原著 平成12年刊)   田中優子 著
(著者のことは好きではないが、図像選択と配合のセンスのよさは認めざるをえない。)

300508 年を歴(へ)た鰐の話   (文藝春秋、平成15年刊、原著 昭和16年刊)   Leopold Chauveau 著、山本夏彦 訳
(これを読んで山本夏彦さんにやっと 1 ミリ追いついた。)

300508 名画読本 日本画編 どう味わうか    (光文社知恵の森文庫、平成17年刊、原著 平成5年刊)   赤瀬川原平 著
(とぼけモードに入ることで、文章が自ずと真実を紡ぎ出してしまう。)


<平成280124 以降に購入・受領/読了>

300504/09 フリーランス、40歳の壁 自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?    (ダイヤモンド社、平成30年刊)   Leopold Chauveau 著、山本夏彦 訳
(山本冬彦さんに紹介された。マンガ+アニメ最前線の話は、うちの長女の役に立つかもしれないので、進呈するつもり。それにしても、ぼくが大学生の頃って、インターネットがない分、ミニコミ誌全盛だったんだね。)


CD:

290516 Max Bruch: String Quintet in E flat major, String Quintet in A minor, String Octet in B flat major  (Hyperion Records 平成29年刊)
(英国の The Nash Ensemble が平28年4月にロンドンの教会堂で演奏したもの。作品は 1918/20年作。)

290516 Joseph Haydn: String Quartets "The Lark" "Emperor." W.A. Mozart: String Quartet "The Hunt"  (Deutche Grammophon 原盤 昭和39・49年、CD 平成24年刊)
(演奏は、英国で昭和23年結成・昭和62年解散の Amadeus 弦楽四重奏団。)

290516 Rimsky-Korsakov: Scheherazade. Borodin: Symphony No.2  (Decca Music 原盤 昭和55・59年、CD 平成21年刊) 
(ロシア5人組のふたりの 1888年と 1877年作の交響曲を Kirill Kondrashin がオランダで指揮。)

290516 Mozart: Symphonie Nr.40 G-moll, KV 550; Symphonie Nr.25 G-moll, KV 183  (Sony Classical 原盤 昭和50年刊) 
(Bruno Walter がウィーン・フィルを昭和27年と31年に指揮した名演。)

290516 Beethoven: Symphony No. 9 "Choral"   (Warner Classics 原盤 昭和30年刊) 
(Wilhelm Furtwängler が66歳のとき指揮した、昭和26年7月29日、バイロイト音楽祭再開記念演奏会での入魂の演奏だ。)

290509 DAVID BOWIE [FIVE YEARS 1969 - 1973]  (Parlophone Records 平成27年刊) 
(デヴィッド・ボウイの初期アルバム8つと、新編集の RE:CALL 1 という2枚組アルバム、あわせて11枚のCDが小冊子とセットに。)

290502 Renée Fleming|Distant Light  (Decca Music 平成29年刊) 
(Samuel Barber "Knoxville: Summer of 1915" ; Anders Hillborg "The Strand Settings" ; Björk Guðmundsdóttir [ˈpjœr̥k ˈkvʏðmʏntsˌtoʊhtɪr] "Virus," "Joga," "All Is Full of Love" 演奏は Royal Stockholm Philharmonic Orchestra.)

290502 Sol Gabetta|Edward Elgar・Bohuslav Martinu チェロ協奏曲 ベルリンフィル ライブ  (Sony Classical 平成29年刊) 
(劇的な音楽。平26ライブ録音。指揮は Sir Simon Rattle. )

290502 寺下真理子|ロマンス  (King Records 平成29年刊) 
(バイオリンの甘美さと透明さが際立つ選曲。須関裕子さんのピアノとともに。すてきなジャズ トランペット。5人奏のニューオリンズ録音。)

290502 高澤 綾|Crescent City Connection  (King Records 平成29年刊) 
(すてきなジャズ トランペット。5人奏のニューオリンズ録音。)

290410 LA LA LAND  (Interscope Records 平成28年刊) 
(映画「ラ・ラ・ランド」を観た TOHO シネマズシャンテで購入。)

290408 ★ (= "Black Star")  (ISO Records 平成28年刊) 
(デヴィッド・ボウイ69歳の遺作となったアルバム。「デヴィッド・ボウイ展」で購入。)

290408 Lazarus  (Jones Tintoretto Entertainment 平成28年刊) 
(メロディアスな魅力に満ちている。)

290407 スラヴ賛歌 ~ ミュシャとチェコ音楽の世界  (キングレコード、平成29年刊、原盤 平成19年刊) 
(国立新美術館の「ミュシャ展」で購入。「スラヴ叙事詩」20点の大作群のチェコ国外初公開を見て、ムハへの認識が根本から改まった。)

290407 Smetana: Ma vlast (わが祖国)  (Warner Music 平成29年刊、原盤 昭和53年刊) 
(「スラヴ叙事詩」連作紹介の小冊子つき。)


DVD:

270430 睡蓮の人  (トモヤス・ムラタ・カンパニー、平成15年)
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