前からイヤだった 「思いやり予算」 という言い方
英語に訳しづらい政治用語は、屈折した情念がまぶされていてイヤらしい。 その代表例が 「思いやり予算」。 用語の上でだけ、在日米軍を上から見下ろす気分の「思いやり」。 いかにも惨めな、いじましい情緒を感じる。 前原誠司外相が1月21日の記者会見で、今後は 「ホスト・ネーション・サポート」 という用語を使うと表明して、報道側にも協力を呼びかけた。 訳せば 「接受国側支援」 。「ホスト・ネーション・サポート」では長いので、HNS と略語にされそうな気がする。TPPの流儀で。 わたしなら「基地経費分担」と言うだろう。 「思いやり予算」 は 「基地経費分担予算」、略して 「基地分担予算」 と言えばいいと思うが。 あえて私案にこだわらない。とにかく 「思いやり予算」 という語は、替えてほしいものだ。 以下の産経記事によると、「思いやり予算」 という用語は、わたしが嫌いな金丸 信 氏の発言が語源らしい。産経新聞 平成23年1月22日5面≪前原氏 「思いやり予算と呼ばぬ」 新協定に日米署名前原誠司外相と米国のルース駐日大使は1月21日、平成23年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担 (思いやり予算) について、現行水準 (平成22年度約1,881億円) を5年間維持する新特別協定に署名した。前原外相は同日の記者会見で「戦略的な特別協定だ。もはや 『思いやり予算』 という言葉は適当でない」と述べ、今後は 「接受国支援」 を意味する英語の 「ホスト・ネーション・サポート」 を使うと表明。報道陣にも協力を呼びかけた。「思いやり予算」 は昭和53年に当時の金丸信防衛庁長官が「思いやりを持って対処する」と述べ、在日米軍基地従業員の福利費を負担したのがきっかけに使われるようになった。≫