2005/08/15(月)19:34
日経8月15日 論説主幹コラムの迷走ぶり
きょうの日経一面の岡部直明論説主幹の論説。
「大きな目で見つめ直そう ナショナリズムを超えて」と題してある。
いまどき珍しい「突っ込みどころ」盛りだくさんの論説だ。
≪戦後60年を総括すれば、日本は善戦したものの同じ敗戦国ドイツにはかなわなかった。≫
岡部氏のポイントは、「戦後処理 = 近隣諸国への謝罪」と「経済運営」で日本はドイツの後塵を拝している、というもの。
岡部氏の座標軸は相当狂っている。
西尾幹二著『異なる悲劇 日本とドイツ』(文藝春秋・刊)を、岡部氏は読んでいないのか。
平成6年に出た本だが。
ドイツがようやく処理し終わったのは、ナチスの「ユダヤ人抹殺計画」の後始末にすぎない、というのは今やさすがに日本のマスコミでは常識と思っていたが。
じつは日本のほうがはるかに迅速に戦後処理をし終えている。
戦争処理の賠償金も、日本がまだまだ貧しかったころに支払ってしまった。
イエロー・モンキーの国「日本」は、白人の国「ドイツ」と異なり、戦後処理を迅速にやらねば、国際社会に復帰できなかったのだ。
戦後処理から数十年経って、
「ウッソー! 日本がドイツより立派に戦後処理をしたなんで、信じらんないィ~~」
と言う不見識を、よりによって論説主幹名で世間にご披露したのが日経だ。
≪社会主義国の中国が人民元改革でグローバル経済の表舞台に立った……≫
ハァ?
人民元のレートを「対・米ドル固定」から「恣意的調整制」に改めたていどで、「グローバル経済の表舞台に立った」とは、ちゃんちゃらおかしいね。