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2007/08/20(月)00:27

「レ・ミゼラブル」 笹本玲奈さんに乾杯

映画・演劇(とりわけミュージカル)評(243)

8月18日夜の部、ぼくの3度目の「レ・ミゼラブル」。 ようやく笹本玲奈さんのみごとなエポニーヌを観ることができた。 夢がかなって、ふいに夏がおわった。 今回あらたに出会った役者さんのなかでは ファンテーヌ役の山崎直子さんの哀切が心をうちました。 あと、マダム・テナルディエ役の阿知波悟美(あちわ・さとみ)さんですね。 まるで演技という感じがしない。完全にはまっているといったら、阿知波さんのお叱りを受けましょうか。 このかたは昨年の「ダンス・オブ・ヴァンパイア」でも宿屋の女将のレベッカ役で存在感たっぷりだった。 「ヴァンパイア」のときは 第2幕に阿知波さんだけ出番がなくて そのあいだ楽屋でお芝居のあとにみんなでつつくための料理を作っておられたという帝劇の主(ぬし)でいらっしゃいます。 「ヴァンパイア」の打ち上げ飲み会のビデオ(東宝のブログで公開されたもの)のなかで 「わたしもマリー・アントワネット役、やってみたいけど、でも、集客力がねぇ、……ホホホ」 と言っておられたのが愉快で印象に残っています。 癖ものの酒場の亭主テナルディエ役は、これまで2回が駒田 一(はじめ)さんで、今回はじめて徳井 優(ゆう)さんでした。 駒田さんのテナルディエは道化の華がありました。 徳井さんのは初老の普通人の感じで、ぜんぜん別のテナルディエでした。 う~ん、さては完璧に阿知波マダムの尻の下に棲息する気だな……。 笹本玲奈さんのエポニーヌは、あと4回をのこすだけ。 千穐楽(せんしゅうらく)のエポニーヌまで、劇場じゅうを酔わせつづけてくださいますよう。

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