2008/02/26(火)01:31
98歳の台湾老人 聖書を毛筆で「写経」34年
もと地理担当高校教諭の69歳のかたが、わたしの一文を読んでメールマガジンの発刊に興味をもったのでアドヴァイスしてほしいとメールをくださった。
≪定年退職を機に「EIGHTEEN 18」という名のパン・喫茶店をオープンしました。
「18」には「18才成人」実現の夢をこめています。
わが国の閉塞感を抜け出し、明るい未来を切り開く道と思っています。≫
とおっしゃる。
ちなみにわたしは、高校卒業ないしその年齢に達した時点を「成人」と見なすのが現実に即していると思っている。
高校教育も「成人たらしむるための教育だ」と位置づければ、教える側も教わる側も真剣みが増す……かもしれない。
そのかたには「いきなりメールマガジンではなく、まず楽天ブログあたりからお始めになればいいと思いますよ」と答えた。
テーマも「18歳成人」のみならず、長年の知見を散りばめて「ためになる」ブログにすればファンがつくはずだ、と書いた。
そしたら、「69歳、遅くない、ですよね」とご返事をいただいた。
ちょうどいい話を台湾の『聯合報』2月24日号で見たので、ご紹介したい。
「毛筆で聖書を筆写 34年一日(いちじつ)が如し」とある。
64歳から聖書を写経しはじめ、以来34年間、毎日6時間ずつ宣紙に毛筆で筆写し、旧約聖書全篇を1部、新約聖書全篇を3部、それぞれ完成させた、当年98歳の孟化新(もう・かしん)さん。
25歳から国民党軍に加わり日本軍と戦ったこともある。
台湾に渡り、昭和48年に退役するや、高雄県書法学会に加わる。
孟家は代々カトリックを信仰し、孟化新さんで5代目になる。
佛教で写経がごく一般的に行われるごとく、カトリック信者も聖書を写経してはどうかと思い立った。
ご覧のとおり大判の紙に楷書で一字一字丹精こめた筆写。
平成13年2月には単国璽(ぜん・こくじ)枢機卿が教皇さまへの献上品として孟化新さん筆写の新・旧約聖書一式を持参。
じつに大型旅行カバン3つ分になった。
さらに新約聖書がもう2揃いあるが、うち1揃いは台湾南部の塀*東県の教会堂建立130周年記念に献上(*「塀」は土偏なし)。
もう1揃いは将来、中国の教会と台湾の教会が合流するときの記念献上品として、高雄教区で保管しているのだとか。
そしていま、98歳の孟化新さんは、4揃い目の新約聖書の筆写に取り組んでいる。
さすがに老いて1日6時間は無理だが、それでも1日2時間は写経に励み、感動を新たにするという。
69歳は、ぜんぜん遅くないですねぇ。