2010/02/14(日)21:32
快男児、黒田裕樹さんの歴史講座
YouTube のおかげで、パソコンでドラマチックな名講義が聴ける。
2月13日に大阪から東京へ出張講演に来られた、黒田裕樹さんに会った。
お会いして、ほんとによかった。気っ風(きっぷ)にほれた。
13日の演題は
≪信長と信玄との 「決定的な違い」 について≫
ひらたく言えば
≪信玄はたとえ長生きしても、逆立ちしても天下取りはムリだった。
信長が天下取りに王手をかけられた3つの理由≫。
織田信長軍が、農民兵ではなくカネで雇う傭兵を主力にしていたから農繁期にも戦ができた、というのが第1の理由だと思った。
それは当たっていた。
黒田さんによると、戦国大名が農民兵へ与えることのできる報酬とは戦勝後、敵国城下のなんでもありの略奪だった由。
それに対して、信長の傭兵はカネで報酬を与えてあるから、戦勝後の略奪を禁じることができ、信長が民心をつかむ要因のひとつとなったという。
黒田さんが挙げた あと2つの理由は意表をつくものだった。
講演の録画は近々 黒田裕樹さんのブログ に YouTube でアップされる予定だ:
試しにこれまでの講演をご覧になることをお勧めします。
■ 失意の底から全国区のひとに ■
黒田さんは41歳。
司法書士事務所で勤務していたが、教育に携わりたいとの思いが高じ、2年間にわたり通信教育をうけて教員免許を取得した。
私立高校で社会科を1年間教えたが、思うにまかせぬ事情がありその高校を離れ、いまはある大学の事務職員となっている。
昔ならそれで終わったかもしれないが、インターネットはありがたい。
事務職員となって時間の余裕ができたので、歴史講義のブログを立ち上げた。
ブログの読者が増えたので、読者イベントとして歴史講演をはじめた。
YouTube のおかげで、講演ビデオを無料公開できる。
一時は失意の底にいた黒田裕樹さんは、なんと全国区のひとになった。
ブログと歴史講演は、歴史を流れでとらえる分かりやすい内容で、中高生のブログ読者も多いそうだ。
■ 目指せ、DVDボックス発売 ■
「人間なら、こういう状況で普通どういう行動をとるだろうか、という視点に常に立ち返って話をなさっているのがいいですね」
と申し上げたら
「まさにそれが、わたしの目指していることです」
と、黒田さんの目がいきいきと光った。
これだけの人が、本業で教壇から離されているのは、つくづくもったいない。
以下は、わたしのアイディア。
「目指せ、黒田裕樹の歴史講演DVDボックスですよ!」
演劇を見るのと同じような高揚感をもらえるDVDになるだろう。
関西地区のいくつかの短大で歴女予備軍に歴史を語れば、人気授業になるのは間違いないと思う。
配信誌読者のなかに関西地区の学校関係者がおられたら、ぜひ 黒田裕樹さんのブログ をご覧ください。
こんな先生がいたらいいな、と思いませんか?
ブログの文章がカラフルなのは色ごとに意味があるのだそうだが、もう少し色数を絞ってもらわないと文章に集中できませんよ、と唯一の苦言を黒田さんへは申し上げた。