文春新書『英語学習の極意』著者サイト

2011/02/22(火)08:13

愛知県知事当選の大村秀章氏と ぼくの接点

日本の政治(107)

愛知県知事に当選した大村秀章氏。じつは、ぼくが東大にいたころ同じクラスだった。 文科I類のロシア語クラスだった。なぜ彼がロシア語クラスに来たか、ぼくは知らない。 たしかに大学生のころから政治家志望を口にしていた。 彼の志望動機を、ぼくは知らない。 あのデリカシーのかけらもないような風貌は当然、若いころからそうだ。 知性のかけらが彼にあったかは、知らない。 そもそも一見して趣味が合わないから、ぼくは大村君とは付き合いがなかった。 その人となりに、いいところもいっぱいあったのだろうけど、ぼくは知らない。 卒業後、接点が2度あった。 1度目は、たしかぼくが大学の6年目のころで、大村秀章氏は農水省で勤務していた。 大村 「じつは質問があってなぁ。フランス語を勉強しよ思うんやが、いちばんええ方法、教えてくれんかな。語学のことなら泉に聞けと言われてな」(この方言表記は、いい加減です。すみません。) 泉 「え? フランス語? また、どうして?」 大村 「こんなとこで くすぶってたら、どうしようもないで。役所にフランスへでも留学派遣してもらおう思てね」 泉 「いいねぇぇ。……語学をやるなら、いちおうまずNHKの語学講座を薦めてるんだけど。ラジオを聴く必要はないよ。テキストとカセットテープのバックナンバーをまとめて買っちゃえばいいと思うよ」 大村 「え? NHKの講座? ……」 そのあと彼が何と言ったか、忘れてしまった。 「フランス留学、できたらいいね」 と殊勝なことを言ってぼくは電話を切った。 * 2度目の接点は、大学のクラス同窓の飲み会だった。大村氏はすでに自民党橋本派所属の議員になっていた。 飲み会には、大学でほとんど見たことのない男もいて、聞けば共同通信の政治部にいるという。 大村議員は少し離れたところで会計検査院勤務の某君と話し込んでいた。 ぼくは共同通信記者君ら数名と政界再編話の雑談をした。 「自民党の橋本派みたいな中国奴隷は、野党の中国奴隷とくっつけばいいんだよ。それに属さない、気概のある議員が自民党・野党を問わずまとまれば、政治はずっとすっきりして分かりやすくなる」 と、まぁ、そんな話をした。 もちろん、橋本派に属する大村議員のことを意識してのことだ。 そのうち、大村秀章氏が 「何の話してんだ?」 と寄ってきたから、橋本派の中国奴隷ぶりをこき下ろしつつ政権再編話を要約し、大村議員の反応を見た。 大村秀章氏の顔に戸惑いの表情が浮んだ。 それはまるで、街中で突然見知らぬ人に 「おお、もう30年も経つかな、おじさんのこと覚えてるかい?」 と話しかけられ、必死になって記憶をたどるひとのような表情だった。 そして、ついに一言も発しないまま彼は会計検査院の某君との話に戻った。 * それが、大村秀章氏との最後の接点である。まだ橋本龍太郎氏が健在のころだ。 毎年1~2度、大村議員の政経報告会パーティーへの招待券を送ってくれるが、1度も出たことがない。たぶん、今後も出ないと思う。ぼくは彼に関心がない。 その後、大村秀章氏は橋本派を離脱した。

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